【自己紹介】【キャリア】国際協力を仕事として
先日受けた取材が記事になりました。
内容を読んで頂くとわかるのですが、ほとんど私の話には言及されていないんですけど!笑
私にとって、この「政策アドバイザー」の仕事は、26歳のときにJICAで働き始めたときに知った憧れのポストで、いわば【ドリーム・ジョブ】でした。
こちらでも書いたのですが、
今のポストにたどり着くまでの道のりは、決して平坦なものではありませんでした。
結婚、離婚とキャリア(20代後半~30代前半)
私は、24歳の時に、学生時代からお付き合いしていた彼と結婚しました。
2003年に26歳で単身カンボジアに乗り込んだときは既婚だったのですが、この別居がキッカケですれ違いが重なり、27歳の時に離婚しました。憧れのキャリアへの第一歩を踏み出したことの代償は、決して小さくなかったです。
国際協力は、高学歴で仕事もデキてオシャレで趣味も多くて多才!という素敵な女性がたくさんいる業界なのですが、私が離婚を経験した頃は、キャリアとパートナーシップをバランスよく両立している人は多くなく(離婚経験のある人も多かった!)、ロールモデルと呼べるような女性が周囲にいませんでした。
離婚までしたからには、キャリアを極めないと!という焦りやプレッシャーもあり…われながら、かなり思い詰めていたよなーと思いますが、そのプレッシャーが、アフガニスタン赴任やハーバード留学の原動力となったのも事実です。
そんな感じで、30代の前半は、キャリアとパートナーシップ、そして時間に限りのある妊娠・出産との間で、常に揺れ動いていました。この間、常にお付き合いしている人がいたわけでもないので、半分は仮想?妄想?の心配なんですが、仕事に邁進すればするほど女性としての幸せが遠ざかっていくような気がして、不安は尽きなかったです。
ハーバード留学→駐在妻へ(30代前半)
その後、駐在先のフィリピンで今のパートナーと巡り合いました。
この人と結婚するのかなーと思ったので、年齢のことも考えて、慌てて留学しました。
結婚したり、子どもが産まれたりしたら、自由がなくなり留学どころではなくなるので、今、行かなくちゃ!と思ってしまったのです。
その2年間の留学が終わる頃、35歳を目前にして、夫にミャンマー駐在の話が持ち上がり、またしても「キャリアとパートナーシップの両立」問題に直面しました。
悩みに悩んだ挙句、結婚して、夫のミャンマー赴任に同行することにしました。
当時、夫は東京勤務だったので、近隣国でポストを見つけてお互い行き来する生活を想定していたのですが、その前提が崩れてしまったので、年齢のことを考えて、キャリアより子どもを持つことを優先させた方がよいという判断でした。
現地に行ってから仕事を探すという目論見もあったのですが、民政移管したばかりのミャンマーでは、ビザの関係で仕事を見つけるのが難しく…。
結局、留学期間も含めると、4年間にわたって仕事を離れる形になり、特に駐妻だった後半二年間は、アイデンティティクライシスに陥り、完全に闇落ちしました…。(この話はまたいつか)
妊娠・出産、子育てとキャリア(30代後半)
夫の駐在に同行しようと思った理由の一つに、「子どもができにくい」とわかっていたというのがありました。
留学中に一時帰国した際、思いつきのように受けた不妊スクリーニング検査で卵管閉塞が判明し、自然妊娠は無理と言われたのです。
大学院が終わってから、卵管開通の手術を受けたのですが、術後、妊娠しやすい期間は半年と言われていたこと、また、「キャリアを中断して妊活するからには結果を出さなくては!」といつ強迫観念のようなものがありました。
子どもを授かるということは、まさに「授かりもの」で努力で何とかなるものでもないのに、あの頃は、本当に思い詰めていたと思います。
さすがにそんな状況では赤ちゃんも来てくれないだろうし、心を壊してしまう…やっぱり仕事をしたほうがよいと思い、就職活動を始めました。
(ミャンマーに行ってから、プロボノ的に複数の団体やプロジェクトに関わっていましたが、私には合わないなーと感じるところがありまして)
仕事はすぐに決まったのですが(国際NGOのマネージャー職)、自然妊娠できる気がしなくて高度治療に進む準備も進めていたので、今度は、仕事と妊活の両立という新たな課題にぶつかり。
両立は難しい、思い切って妊活はお休みしよう!と決めた矢先に妊娠が発覚しました。(そして、せっかく決まった仕事は、つわりが酷すぎてやむを得ず退職することになってしまいました…)
幸い、妊娠の経過は順調で、36歳で出産。全くの主観ですが、育てやすい子だったということもあり、産後4か月くらいから、仕事探しを始めました。
子どもが8か月のときに、何とか古巣で仕事復帰。
復帰初日に、雇っていたシッターさんが何の連絡もなく辞めてしまった(来なかった)ときは、頭が真っ白になったけど(ミャンマーには保育園なんてないので、シッターさん頼み)、今となっては懐かしい思い出。
ただ、子育てとの両立に自信がなかったため、条件でポストを選んでしまったため、なかなか情熱を持てず(←関係者の皆さん、すみません…)、悶々とした日々を送っていました。
大好きな国際開発の仕事を一旦離れてみるのもいいのかもと思い、契約満了を機に、以前から長期滞在してみたかったバンコクでモラトリアムに突入しました。
そして、今(40代半ば)
バンコクでは、ビザのためにこれまでとは全然違う職種でパート勤務しつつ、国際協力にはコンサルタントの形で関わっていました。
現場は楽しいし気分も上がるし、やっぱり自分は国際協力の仕事が好きなんだなーと痛感。
たまたま募集のでていたフィリピンのポストで復帰しました。
フィリピン駐在は2回目ですが、前回は、留学を理由に不完全燃焼で離れることになってしまったミンダナオ和平の業務に再び携わることになりました。
ミンダナオ和平の仕事は、それこそ、これまで現場で培ってきた知見を総動員して取り組むことができる、超やりがいのある仕事です。
この4年間は、JICAフィリピン事務所で、2022年に設立される自治政府への移行に向けて、暫定自治政府の計画策定、また暫定自治政府が立ち上がってからは、職員の人たちと一緒に、開発計画や予算策定などの行政基盤整備に取り組んできました。
国際協力の仕事を始めて20年。キャリア史上最高に充実した日々でした。
そしてこの春、晴れて、その暫定自治政府のアドバイザーに。
プライベートでは、ミャンマー駐在の終盤(2015年)に夫が本帰国、その後は別居婚で母子2人暮らしだったのですが、夫もこの春からフィリピンに異動になり、5年ぶりに家族そろっての生活も始まりました。長男もまもなく8歳、ワーママも9年目になります。
ロールモデルはいらない。けど…
改めて自分の歩んできた道を振り返ってみると、ロールモデルがいなかったぶん、自分自身で考え選択、決断しなくてはならない場面が多かったなーと思います。
こうして目指してたところにたどり着けたのも(途中、目指してたことを忘れかけてた時期も長かったけどw)、戦略的だったからでもなんでもなく、いろんな偶然や人との巡りあわせによるところが大きかったなーとも思います。
ロールモデルがいて、そして、私自身がもっと戦略的だったら、今いる場所に、もっと早く到達できたのかもしれない。もしかしたら、今いる場所とは全く違うところに行っていたかもしれない。
けれど、迷い悩んだ時間、寄り道、当時は不毛にしか思えなかったあんな仕事もこんな経験も、全てが自分の血肉になっていると思います。
私が海外で働き始めた当時と今では、それこそ時代が違うので、私が若い方たちのロールモデルになれるとは思いません。けれど、女性の、特に海外で働き、子ども育てるということでは、自分の経験をシェアすることはできるのではないかと思います。
国際協力の仕事、海外で働くことに興味があるけれど、身近に、質問したり相談できる人がいなければ、どうぞ連絡してきてください。
学生さんのご相談には、無料で対応したいと思います。(その後、何か売りつけたりしないので、ご安心をw)
キャリアもプライベートもどちらも妥協したくない20代後半~30代前半のキャリア女子の皆さん!どちらもあきらめる必要はなく、必ず道があるはずです。一緒に探してみませんか?(こちらは有料にすることを想定しています)
国際協力の仕事、キャリアって?
国際協力に興味はあるけれど、どういうキャリア・パスがあるのかわからないという場合は、こちらが参考になると思います。
以下の図は、上記のサイトに載っているものですが、私の現在の仕事は、表の右上にある「JICA関連専門家等(スペシャリスト系)」になります。
また、国際協力の仕事を志し始めた頃、この本を読みました。
1995年に出版された本で、最初に読んだのは、それこそ20年くらい前です。この本に出てくる女性に憧れ、畏敬の念を感じていました。
この本にも登場される中満泉さんは、現在、国連事務次長を務めていらっしゃいます。その一方で、それぞれの理由でお休みされたりキャリアチェンジしたり方の経験談も載っているのがすごくリアルだなーと思ったのを覚えています。
今、読み直したらどんなことを感じるのかなと思い、ポチってみました。またご紹介しますね。
語学力、留学は?
最後に、国際協力や海外勤務に際してあったほうがよい英語力について。
私は、仕事では困らない程度に英語ができます。帰国子女でもなく、ハーバードに留学するまでは、大学2年生のときに4週間、アメリカ西海岸に短期留学に行ったのが唯一の留学経験でした。日常会話はむしろ苦手で、パーティーは嫌いです。
英語の習得法や留学に関する質問やご相談も対応可能です。
個人セッションをご希望の方は、TwitterのDMでご連絡くださいね。
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