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禹から読み解く古代史

九という漢字は「龍」の象形である。

龍に虫形のものと九形のものとがあり、
九は岐頭の形をもち身を折り曲げているおそらく雌の龍であろうと解説されている。

九声には屈曲するものの意味がある。弓や求、丩(キュウ、まつわる)などである。
図象の蛇は頭が三つに分かれている。

夏王朝の禹王の禹という漢字は、虫と九を組み合わせた形である。


禹の虫と九は、雄の龍と雌の龍の組み合わせたものらしい。雌雄により頭部の形が異なる。

雄の龍が象徴する概念と雌の龍が象徴する概念は別。
雌は九に従う。三叉の頭部。
雄は頸部が張り出した形。
どちらも蛇形。
蛇という漢字は它声で、它は頭の大きな蛇の形であるが、象形から想像するにコブラのようである。興奮した際に頚部を張り出し威嚇する毒蛇である。
つまり雄の龍はコブラの形である。
コブラは熱帯に生息する。

60進法はバビロニアで用いていた数理であるが、ニューギニアにも60進法の数詞が存在する。
つまり、ニューギニアでは60進法を用いていたのだろう。インドネシア付近の縄の歴史は古い。

バビロニア60進法には1未満をあらわす小数の概念があった。これにより天文学が発展する。

禹王は黄河の治水に成功した。
治水に必要な条件は、暦・天文学と土木技術含め度量衡。9進法は長さの単位を決めるのに便利だった。
60進法は天体観測に便利だった。
この二つの原理による縄を用いて、禹王は治水を成功させた。

ちなみに中国神話の女媧と伏羲は女と男の蛇の形で描かれる。夫婦とも兄妹とも言われるが、古くは全く関係ない。
おそらく、女媧は雌の龍ー九進法、伏羲は雄の龍ー60進法。どちらも縄から編み出された。だから蛇。

女媧と伏羲は南方系の少数民族の苗族で信仰されていたそうだが、苗族は元々かなり北に居住していたのが南に追いやられたらしい。
つまりこの信仰の元は、長江付近で発生したと考えるのだ。

そしてもう一つ、女媧伏羲は洪水神の側面を持つ。
女媧が笙こうという楽器の発明者とされる理由と絡むが、雨をもたらす北風を女媧が象徴。
伏羲もまた雨をもたらす南風を象徴。
この二つが交わった所で洪水が起きる。秋雨や梅雨である。

古代の人々は自然を観察し、季節の変化に敏感に暮らしていた。だからこそ、東西南北の風が季節を変化させる事に気付いた。
季節とともに移り変わる夜空の星々は、季節の羅針盤となる。
洪水の季節の到来を風が告げる。
女媧伏羲の姓は風。

北を司るのが女媧
南を司るのが伏羲
だからそれぞれの方角からもたらされるもの全てを支配する。
北からくる風も文化も女媧が
南からくる風も文化も伏羲が支配する

龍は雲を発生させ水をもたらす風に起源を持ち、
数学の発展を促した縄とも結びつき、神聖性を高めていった。


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