漢字で読み解く古事記 黄泉国
古事記の漢字表記から古代史を読み解く試みをしています。
伊邪那美が死んで葬られたのは
出雲と伯伎の境の比婆山。
出雲は諏訪、立山を含む日本アルプス一帯だと考えた上で、では伯伎と比婆山はどこかを調べてみます。
伯伎
伯 ハク、ハ、かしら、あに、おじ 声符は白 白骨化した頭顱(とうろ)の形 外族の将、また馬祖を伯という
伎 キ、ギ、わざ 声符は支 匕と支と書くキの字と関係がある。キたる彼の織女の句を引き、天の川が西北の空に傾き流れるさまをいう。
伯伎はホウキ、ハハキと発音されるとします。
箒木です。
箒とすると、隣の群馬が産地で、
更に碓氷峠には伊邪那美を祀る熊野皇大神社があります。可能性はありますが、しかし、ここは違うでしょう。
箒木は信濃国にある木とされています。
かしらギとした場合、頚城地方(上越地方)といえます。
比婆山
比 ヒ したしむ くらべる したがう 匕と匕、右向きの人が二人並ぶ形で親しむ形 匕はサジ、小刀の形
婆 バ ばば はは 声符は波 皮は獣皮を手で剥がす形 うねうねと続くもの 皮は古代の衣服、武具などの最も重要な材料である 婆は訓すれば奢る意 また舞遊ぶ意
比婆山は、日本アルプスと頸城三山に囲まれた姥捨山と推察されます。姥捨伝説の最古の原形は、伊邪那美を葬った場所だからではないでしょうか。 ヤマトタケルが「吾が妻や」と言った吾妻山は、実はこの姥捨山近くの四阿屋山(あずまやま)だと考えています。 近隣に麻積があり、織女達が麻を織り、皮を使って弓の鞆や刀の柄などの武具を作っていた場所なのではないでしょうか。黄泉の国で伊邪那美の身体に巻きついた雷は、このような武具を指していると想像しています。
さて、この場所を踏まえて、黄泉国とはどこかを特定します。黄泉は「よもつ」と当てられています。何故「よもつ」なのか。枕詞になっていると考えます。 例えば飛鳥をアスカと言うのは「飛ぶ鳥の明日香」から飛ぶ鳥にそのままアスカを当てて呼んだからです。
黄泉国のよもつ、よもつは四方津、さらにしほつから塩津に通じています。四方に津のある場所、塩の道のゴール、安曇野ではないでしょうか。この付近に、木曽川、天竜川、犀川経由で千曲川信濃川、姫川などの川の源流があります。塩は祭祀に使う大事なアイテムです。
黄泉
黄 き コウ 火矢(黄矢)の形、黄色の玉を帯に佩びた形、黄色は黄金色、中央の色、天子の位
泉 セン わきみず、いずみ、ぜに、たるみ 水源 黄泉国は金の産出地であり、天子のいる国であった。
安曇野には金太郎伝説があります。金太郎考でも書きましたが、長野は古代、金の産出地だったと推測しています。
重要なのが、近くに天岩戸が飛んできたと言う戸隠があることです。天岩戸事件は、この近くのお話だと考えています。