ギリシャ神話 テセウスと血圧
テセウス
半人半牛の怪物ミノタウロス退治の英雄
アテーナイ王アイゲウス(ポセイドンとの説もある)と トロイゼーン王女アイトラーから生まれる
さて、テセウスが象徴しているのは何か
まずアテーナイの場所だが、 海神ポセイドンと 戦いの女神アテーナー どちらがアテーナイの守護神となるかで争う
ポセイドンは塩水の泉 アテーナーはオリーブをだし、 民が選んだのはオリーブ よってアテーナイはアテーナーが守護神となる
オリーブは腎臓のボウマン嚢の形に似ている
糸球体と近位尿細管ではカルシウムの再吸収を行う カルシウムを司るのはアテーナー
トロイゼーンは輸入細動脈にあたり、ここがポセイドンの支配領域となる(血液が入ってくる場所)
輸入細動脈からはレニンと言う血圧を上げる為のホルモンがでる
つまりテセウスは血圧上昇のシステムになる
トロイゼーンで成長したテセウスは父のいるアテーナイに行く決断をし、安全な海路でなく危険な陸路をとる。レニンの作用機序がテセウスの冒険にあたる。
レニンは肝臓や脂肪細胞から分泌されるアンギオテンシノーゲンに働きかけ、アンギオテンシンⅠを生成。
さらにキマーゼなどの働きによりアンギオテンシⅡに変換
副腎からアルドステロンというナトリウム再吸収ホルモンが分泌され、これが輸出入細動脈に働きかけ血管を収縮させ血圧が上昇する。
また、脳下垂体後葉からバソプレッシン(ADH)の分泌を促進し、腎臓での水分の再吸収を促進することにより、血圧上昇作用をもたらす。
テセウスの冒険
1.エピダウロスではヘーパイストスの子ペリペーテースを退治 これは肝臓(ヘーパイストス)から分泌されるアンギオテンシノーゲンをアンギオテンシⅠに変える事を意味する
2.コリントス地峡ではシニスを退治 シニスは旅人を八つ裂きにする怪物
アンギオテンシンⅠはアンギオテンシン変換酵素やキマーゼの働きで二残基を二つに切り離し、アンギオテンシⅡに変わる。
3.クロミュオーンではパイアと呼ばれた猪(クロミュオーンの猪)を退治 猪は老女パイアにより育てられた
アンジオテンシンII は副腎皮質にある受容体に結合すると、副腎皮質からアルドステロンの合成・分泌が促進される。このアルドステロンの働きによって、腎臓の集合管でのナトリウムの再吸収を促進し、これによって体液量が増加する事により、血圧上昇作用をもたらす。
パイアは副腎皮質球状体から分泌されるアルドステロンを指している。
4.メガラでは親族スケイローンを退治する 親戚とは腎臓に関係するホルモンだからだろう
脳下垂体後葉から分泌されるバソプレッシンは尿細管での水分の再吸収を促し、血圧を上昇させる
5.エレウシースではケルキュオーンを退治、ケルキュオーンはレスリングで相手を締め殺す
アンギオテンシIIの細動脈収縮効果を指す
6.ヘルメウスでは山賊プロクルーステースを倒した。
プロクルーステースは「プロクルーステースのベッド(寝台)」の逸話をもつ。 この山賊は旅人に寝台を勧め、大きな寝台より背が小さければ、旅人の手足を無理やり引っ張ることで殺してしまった。また、小さな寝台から手足がはみ出せば、旅人の手足を切り落として殺してしまった。 そこから「無理矢理、基準に一致させる」という意味になった。
これは血管による血圧調整を指す。 つまり血圧が高ければ血管を広げて、血圧が低ければ血管を収縮させる。
こうしてテセウス(レニン)は、血圧調整の機能を獲得した。
アテーナイでは、アイゲウスの妻メーデイアがテーセウスを毒殺しようとしたが、テーセウスはこの陰謀から逃れ、身に着けていた剣とサンダルによって身の証しをたて、アイゲウスから息子と認められた。そして、メーデイアはアテーナイから追放された。
テセウスがアテーナイ王妃義母メーディアと対立するのには訳がある
魔女メーディアは、副交感神経の神経伝達物質アセチルコリンを象徴するからです。この理由は後述する。
アセチルコリンは血圧を下げる作用を持つ為テセウス(血圧上昇)と拮抗します。
その他のテセウスの冒険として
1.冥府の女王ペルセポネーをさらう
2.女人国アマゾーンとの戦い
3.デュオニソスとの確執と妻アリアドネーとの別れ
などがある。
人体には血圧を感知する3つのセンサーがある。
頚動脈洞、大動脈弓、心臓右心房
ペルセポネーは知覚に関与するため、この血圧センサーを手に入れようとしたのだろう
また、女人国アマゾーンとの戦いは、卵巣から分泌されるプロゲステロンには、水分を溜め込もうとする機能があり、むくみを引き起こす。血圧調整するテセウスの敵になる
デュオニソスとの確執は、酒と酩酊の神デュオニソスが酒による強い利尿作用により血圧を変動させる為。 またデュオニソスとアリアドネーが結ばれるのは、デュオニソスがドーパミンの分泌に関与するためである。 ドーパミンはアドレナリンの前駆体。 妻アリアドネーは、血圧上昇に働くアドレナリンを指しており、この為、アリアドネーはデュオニソスと結ばれる。
このように、テセウスの物語は血圧維持に働く生体システムを象徴している。
古代、塩はとても貴重な物質だった。 現代人のように塩分過多ではなく、不足に傾いていた。血圧は下がりやすいため、上げる機能が重要だった。
これは糖質にも言える。 血糖を下げるのはインスリンだけで、上げる為の機能は沢山ある。 古代は飢えとの戦いだったため、いかに血糖を上げて生命を維持しようかと人体のシステムが出来上がった。
現代人は塩分、糖分、脂質など人類が未だかつて経験していない飽食の時代であり、それに人体の機能が追いついていない。
拍車をかけるのが、遺伝子組み換えやゲノム操作食品。生命が何千年かけて獲得してきた機能が、この変化に追いついていない。
今後さらなる食物アレルギーが増加していく気がしてならない。