古事記の暗号ー本当の倭
前回、浦島子伝説に触れ、古代の海人ー海神と山神ー機織女との関係性について考察したが、もう少し考察を進めていきたい。
鮭という魚は、母川回帰する魚である。
川で産卵し、孵化して川を降り、海に出て、また生まれた川に戻ってくる。
だが、陸封と呼ばれ、海に降らず、湖や川で一生を終える種がある。
山女(やまめ)と呼ばれる種である。
川を遡って、山に入り込んだ海人のうち、そこに定住するようになった一族がいた。
それが、機織女の起源だろう。
以前、ジガバチについての考察したが、蜂と言う種の中で、ジガバチだけが独自の漢字を持つ。
蠃(ラ、じがばち、やどかり)
蜾(カ、クワ、ラ、じがばち)
ジガバチは土バチであり、土中に巣を作り、桑虫に卵を産みつけ、土に引きずり込み蓋をする。
似我似我われに似よ我に似よと唱え、桑虫からジガバチが生まれてくる様子から、ジガバチと呼ばれるようになった。
桑虫からジガバチが生まれる。
機織女は山にいて、遡上してくる海人と交わり子を宿す。
ジガバチはその形が瓢箪のようなクビレをもつ。 瓢箪は、朝鮮の建国神話とも関わっているが、 日本海の形もまた、瓢箪のようにクビレている。
つまり、環日本海が朝鮮の建国を誘引した。
そして、朝鮮建国の祖の母は倭東北の女人国の女とされる。
日本海東北側山中に暮らす機織女。
シルクロードを作るために必要になったのではないだろうか。
大国主と糸魚川の奴奈川姫。
姫川源流は長野県北安曇郡白馬村。 安曇氏は海神の一族。
じがばちの漢字に注目すると、
蠃ーヤドカリの象形とされる。
裸という漢字の果は、蠃の省文。
虫に果で蜾、じがばち。
はだかの人。家(舟)と共に移動する人。
海人そのものではないか。
日本海を制した海人から生まれたのが、
朝鮮であり、シルクロード。
古事記、神武天皇は海の道を知れる人、亀に乗って釣りをする人ーサオネツヒコと出会い、配下とする。
サオネツヒコは倭国造の祖である。
サオネツヒコが亀に乗っているのは重要な点だろう。
機織女と結びついた海人が、倭国を作った。
桑女ークワメー亀ーカムイー神
倭は、機織女、海人の存在無くしては建国されなかった。
そして、日本海東北地方こそ、倭国であった。
織姫は、日本海東北地方に暮らし、
年に一度、やってくる海人を待つ。
冬の季節風に乗って、漁と貿易のためやってくる海人。
出来上がった絹布を運ぶ。
新潟阿賀郡の言い伝え、ワニは延縄の魚を食いにやってくるが、スバルについて回る
冬にスケトウダラを追ってやってくる海人。
ワニは、爬虫類のワニではなく、海人の和邇氏(丸邇氏とは別系の海人)
星を目印にして漁を行なっていた。
古事記は歴史書として編纂された。
神々は擬人化された自然。
日本の海、川、山などの地形から気象さえ
表現し、真実の歴史の物語を歌に隠した。
古事記の歌にこそ、真実がある。
倭は国のまほろば たたなずく青垣 山ごもれる やまとしうるわし
八雲たつ出雲八重垣妻ごみに 八重垣作る その八重垣を
やつめさす出雲建が佩ける刀 つづら多巻き さ身無しにあわれ
本当の倭は、出雲は、全部隠した。
その仕掛けた謎を、読み解いと欲しいと
作者は歌に込めた。
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