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ジュエリークリエイターの実情(職人編ver2)
世の中には色んなクリエイターが存在するけど、
あくまで私の話はジュエリーをつくる側。
の話。
以前もクリエイターのひとりである職人について記事を書いた。
職人はモノと向き合う時間が誰よりも長く、
自らの命を削り、モノをカタチへと変化させる時間に
自分の時間を費やしているから、高いレベルで技術を習得するためには
環境・学ぶべきステップ・熱意が必要。
そして職人という役割においては、劣化した情報が手元に残るといったようなことを書いた。
ジュエリー職人として現在従事している人やこれから職人を目指す人にとっては少し、
刺激的な内容になっているかもしれない。
でも考えるきっかけになったら幸いです。
職人仕事のアウトプットする量をカウントすると
デザイナーのアイディア数にはかなわない。
だが数ではく、
クリエイションにどれだけ貢献しているか?見ておく必要がある。
機械加工の波が押し寄せる近年のジュエリー製造現場において、
職人の価値を見直すことが必要である。
職人はデザイナーに比べて圧倒的に弱者になりやすい傾向にあるから。
職人が100人いた場合に、
磨きが得意な仕上げ職人
石留職人
原型職人
特殊な専門技巧を持ち合わせた職人
など工程、各分野ごとに専門分野のスペシャリストを作ったりする傾向にもあるが、専門分野という言葉にしばられたり、憧れを抱いてしまったらアウトだ。
もし専門分野を決めたがる場合は、質よりも量を目標にしてしまうだろう。
大半の人の未来がそこで決まってしまう。
もしジュエリー職人を目指し、将来独立を考えている人がいるならば
なおさら専門分野・スペシャリストといったキーワードは注意が必要。
ジュエリー職人の本当のスペシャリストは
“ なんでもできる ”と胸を張って言える人だ。
残念ながら
今の日本のジュエリー業界の
職人の専門分野・スペシャリストの先に未来はない。
(100人のうち1人だけ生き残る世界ではダメってこと。もちろんそのうちの1人を目指すのは良いと思うけど・・・そのほかの99人を失わないための職人の在り方や育成方法は真剣に考えないといけない)
要は原理原則をちゃんと理解することが出来れば、
すべての技術で高いレベルでモノを創る能力があり、クリエイションにも精通していける人材を増やせるかがメーカーでは課題となる。
職人としての価値を見直すきっかけにもなると思う。
(さらっと言ったけど、「そんなんでは現場はまわらないよ」は自分都合。
その先を見て話しており、日本のジュエリー業界において職人の価値を高め、クリエイションの現場を活性化させ、日本のジュエリーの歴史を少し変えるのが目的だ)
手先の器用さだけや精度の高さの質を求めているのではない。
クリエイションの一員ではなく、クリエイションの創造者になれるかどうかだ。
はじめからクリエイションの創造者を目指して、全ての職人を育成する。
もちろん技術を身につけていく時間の中に、ふるいにかけられてしまったり
ある段階で自分の器量を知り、目指す在り方を変える必要もでてくるであろう。
そしたら、また準備が出来た段階で挑めばいい。
日本のジュエリー業界が衰退していく傾向にある根本的な理由は
商品づくりに専念することにあり、作品創りではないことが理由だ。
機能や目的設定なんてこの際、完全に無視したらいい。
極端だけど、そういった発想で創作活動が許される現場をもっと増やさないと日本のジュエリー業界に未来はない。
企業のトップやデザイナーだけでなはく、クリエイションの重要な役割を担う職人をクリエイターやアーティスト化していくことがもっと求められる。
職人という肩書に縛られることなく、目指す姿をもっと具体的に想像した方が良い。
素晴らしい能力をもった日本の職人の価値を高めるなら今だ。
日本のジュエリー業界において職人は弱者にある傾向があると伝えたが、
機会加工の波が押し寄せるだけでなく、日本の職人よりも安い工賃で
作業担う海外に目を向ける経営者やメーカーも多いのが実情だ。
海外でつくっているジュエリーはある意味、
聞こえを良くしてブランディングしているジュエリーメーカーはめちゃくちゃ存在する。
一時の経営的には良いけど、
本当の競争力は身につけれないことだけ理解しておく必要がある。
ざっと書いたが、補足が必要な内容ばかりでどのように捉えて
この文章を理解できるかは、あなた次第。
UK