変わっていくもの。
フィレンツェ行く度に訪れていた「大聖堂博物館」私がそこに行くようになったのは、ある人に会うため。
ドナテッロ作「マグダラのマリア」
私は初めて会った瞬間、彼女から目が離せなかった。布とも髪ともとれる衣装を纏って、贖罪を乞うようなマリアの目線の先には磔にされたイエス様。その場の空気が変わった感じがしました。
しばらくして、改装により近代的な技術でより見応えのある博物館になったと友人からの連絡が。
だけど「マグダラのマリア」はあの時のマリアじゃない。展示方法も変わってしまったと。そして友人は「本来のマリアに戻っただけよ」と言いました。
早速HPで見てみると修復されて以前より顔の表情がハッキリとした感じで、変わってしまった姿に正直ショックを受けてしまった。
日本の神社や大仏様も本来は煌びやかな色を纏っていたと言う。それが長年かけて剥がれ落ちた姿を私たちは見ている。それに侘び寂びを感じ、心に安らぎを感じる。本当は色を纏っていたことを忘れて。
変わっていくもの。でも変わらないもの。
思うように飛び回らなくなってしまった今。次に訪伊できるのはいつだろう。でも次回はフィレンツェに行って彼女に会いに行こう。「変わったように見えて変わっていないのよ」と言われそうだけど。