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民設民営の学童クラブは今後さらに増える?今後の展開について確認してみた

 今回は学童クラブ/プレディに関して、先日の委員会において質問した内容についてまとめます。今回質問したのは以下の3点。

  1. 特認校へのプレディの展開はどうなってる?

  2. 今後の民設民営学童の設置の計画は?

  3. 現在の利用状況と、その認識は?

 今回は、2つ目の今後の民設民営学童の設置の計画について書きます。最後の方では、現在の全体としての利用状況への認識についても触れます。

 なお、1つめの特認校へのプレディの展開についてはこちら。


どういう問題?

そもそも民設民営学童って?

 まずは「民設民営学童クラブ」ってそもそもなんじゃい、というところから。

 中央区における学童クラブは、3つの種類に分かれます。

 「児童館学童クラブ」は児童館、「学校内学童クラブ」は小学校の中で運営される学童クラブ。これは名前のとおり。

 一方の「民設民営学童クラブ」はその名が表すとおり、施設は「民設」。つまり学校や児童館などの公的な施設以外の場所。そして、さらに「民営」ということで運営も民間事業者によって行われている施設。

 ただし、民設民営とはいえ施設の開設や運営にあたって行政の補助を受けていることから、申込みなどの情報が中央区のWebサイトや学童クラブの利用案内に記載があります。また、料金も補助が入っている分だけ安価です。

 これは、一切行政の補助などが入っていない、いわゆる「民間学童」とは異なる種類。いわゆる民間学童について最近書いた記事はこちら。

現状どういう施設がある?今後の展開は?

 この民設民営の学童クラブの仕組ができたのは2023年4月で、月島に「ベネッセ学童クラブ月島」が開園しました。さらにその翌年の2024年4月には晴海に「ベネッセ学童クラブ晴海」が開園。

 そして、2025年4月に向けて今年度も誘致の計画があって事業者選定を行っている旨の報告を受けています。 こちらは2024年6月の委員会資料。 

民間学童クラブ運営事業者の募集について

 こちらにあるとおり、今回の対象は「日本橋地域または月島地域」。ただ、月島地域にはすでに2施設あって近年日本橋地域での待機児童が増えている傾向にあることから、日本橋地域への提案を優遇する旨の答弁がありました(2024/06/17子ども子育て・高齢者特別委員会)。


 このように、次年度に向けた動きはあるのですが、気になるのは今後の展開。一旦これで打ち止めであるのか、さらに追加で設置していく見込みであるのか。特に現状ではまだ晴海フラッグの最寄りである晴海西小で強いニーズがあるところです。

 この今後の展望への考え方として、見つかったのが現在策定中の計画「(仮称)中央区こども計画」の中での目標設定。

(仮称)中央区こども計画 p.113

 こちらの中に、令和11年度(2029年度)までに「クラブ数:8」という目標値がありました。これを現状の実績と並べてみるとこんな感じ。

※ なお、この「クラブ数」という考え方がややこしくて、施設数とイコールではありません。だいたい30-40人くらいを1クラブとカウントしていて、ベネッセ月島が定員40で1クラブ、ベネッセ晴海は85で2クラブというカウントになってます。

民間学童クラブの誘致数の計画と実績(2023-2029)

 具体的な目標数が定められていること、そして現状の数字に対して多少開きがあることから、その今後の展開のスケジュールについて聞いてみることにしました。 

今回のやり取り

問:今後の民設民営学童の設置の計画は?

質問

 民設民営学童クラブの誘致について、令和5年度実績では「1」、これに対して令和11年度の目標値では「8」となっています。これについては今後さらに誘致を進めていくということかと思いますが、その今後の計画について見通しがあればお示しください

回答

  • この箇所で示している数字は「クラブ数」であって施設の数ではない

  • まだ待機児童が多い地域もあるので、そういった待機児童の状況等を勘案しながら必要なところに必要な対策をとっていきたい


 今後の誘致計画の具体的なスケジュールや場所については発言なし。さらに突き詰めて確認しても良かったのですが、時間の都合もあって今回はそこまではできませんでした。

 ただ、今年度実施中での誘致計画では「3クラブ以内」とあるので、最大「3」でも現状の「3」と足して「6」。したがって、今年度で誘致は一旦おしまい!ということではなく、さらに誘致しようという思いがあるという点については確認できました。

 晴海西小のエリアは今後タワー棟の入居も始まることからさらなる人口増加とニーズが見込まれますので、これは期待したいところです。

最後に

 今回は、民設民営学童の設置の計画について書いてきました。今後もさらに誘致の方向性ということです。ここで少し気になるのは現状での空き状況。こちらは4月時点での空き状況。

中央区の学童クラブの利用状況(2024年4月時点)

 児童館による学童は程度の違いはあれどこも待機が出ている状態ですが、一方で晴海西小を除く小学校学童、そして民設民営学童には空きがあります。この傾向は直近の時点でもほぼ同じ状況。

 この点についても今回区としての認識を確認したところ、帰ってきた答えはこちら。

  • 特に小学校学童において現状でも空き状況があることは認識

  • プレディプラス実施の場所ではプレディと学童クラブを一体的に運営。それぞれの中身の違いを各家庭で判断した上での結果ではないか

 要するに、プレディで需要は満たされているので学童クラブとしての利用は高くないのではないかという見方です。学童クラブの方だとおやつが15時過ぎに出ますが、他方でその準備は保護者の会が担う必要があるので、そもそもおやつが不要、もしくは保護者がその対応が大変という家庭であればプレディに流れるというのは理解できるところです。

 一方で、今年度は小学校内での学童クラブができて初めてのタイミングであったことから、これまでの実績のある児童館学童に流れたという面も無視できないのではないかとも考えております。

 どういった点によってこれらの施設に空きが出ている状態なのかという点については引続きしっかりと分析した上で今後の展開に活かしていただきたいと考えております。 


 最後の最後に、次年度に向けて追加される民間学童クラブの運営事業者がしれっと公開されていたのでそれについても書いておきます(Xで教えていただきました、委員会でも報告されてなかったので…)。

中央区Webサイト- 民間学童クラブ運営事業者の決定

 こちらを見ると1クラブで30人。文中に書いた計画表に追記するとこんな感じ。

 地域のニーズを十分に捉えて、今後のさらなる展開に期待したいです。


 今回の記事についての感想や、その他ご意見などあればぜひお聞かせください。

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