教師時代の特別支援教育とカウンセリング論 (いじめや不登校の原因?)②
かがみの孤城から発展した話ですが。 教員時代に家庭訪問したおりに,理容店の保護者から質問されたことがあります。いじめはなぜ起きるのかと。
要するに利用者の多い理容店の主人は耳学問と新聞やテレビなどのマスコミに詳しい方が多いので,私を困らせてやろうという魂胆が見え見えでした。でも 私ははっきり「いじめ」に原因はないと言い切りました。 理容店(保護者)の主人は,鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていました。
いじめでも不登校でも、ほかの事例でもみんなそうですが。 家族療法や短期療法、認知行動療法などを学んでいる心理士ならば。 「原因はない」と答えるでしょう。
こういう人と人との関わりは相互作用であり、これはいろいろな要素が悪循環になっている可能性が高いので,原因即結果であり,原因を取りされば治るという外科手術のようなものではありません。
物事には必ずきっかけがあるではないかという反論があると思いますが,そのきっかけも何かしらの結果であり,次の原因になります。その次に起こったことも結果なのですが,また、その次の原因になっていきます。つまりぐるぐると原因と結果はつながって回っているということになります。このような考え方を円環的因果律といいます。
このようにして事例はどんどん悪くなっていくことはよくあります。