人材紹介業特化生成AIを活用したCAハイパフォーマー分析✕業務量改善「MENDAN」を正式リリース
こんにちは、Zen office岩瀬です。この数ヶ月人材紹介業のお客様の課題に向き合い続けていた中で生まれた「MENDAN」というサービスの特徴、開発背景や生成AIの可能性について書きたいと思います。
MENDANとは?
MENDANとは、人材紹介業特化にて、求職者面談を担当するキャリアアドバイザー(CA)のハイパフォーマー分析と業務量改善をするサービスです。CA/RAの両面/片面と組織体制は企業様にもよりますが、多くの会社様ではCA1人あたり20-40面談/月程度を実施しています。
この面談内容について音声データを取得し、生成AI活用により、ハイパフォーマーの方々がなぜハイパフォーマーなのか?を分析し組織全体の教育へ活かすこと、また面談後の様々な書類作成業務を自動化するというものがMENDANというサービスです。
既卒者向けかつCA人数6名以上で特に価値を発揮します。
主な機能と利点
主な機能としては、下記となります。
<業務量改善>
・職務経歴書自動生成
・推薦文自動生成
・求人票自動生成
<教育改善>
・ハイパフォーマー分析
業務量改善については、実績として約2/3の業務量を改善できることが目安となります。仮にCA一人当たり40面談/月をしており、面談あたり1時間の業務があるとします。40時間のうち26時間を自動化し改善可能です。160時間/月の労働時間に対して、26時間を改善すると134時間となります。この改善された時間を新規面談キャパシティや求職者コミュニケーションに充てることで、一人当たり生産性を向上します。
こちらについては、パーソルキャリアさんが同様の事例を発表しています。私共がサービス開発していた時期と被っており、改善結果も同等のイメージとなっています。生成AIのモデルのアップデートタイミングなども考慮すると、おそらく現時点ではパーソルキャリアさんと当社以外の類似事例はないのではないかと推察されます。
ハイパフォーマー分析については、音声データを活用し、ハイパフォーマーがなぜパフォーマンスが高いのか?を言語化します。コールセンターなど100%電話音声のような業界ではCTIなどのサービスが古くより存在しています。コロナによりコールセンター以外の営業商談や、CA/RA業務もオンライン化したことで可能になりました。また生成AIのテクノロジーの高度化によって分析コストが低価格になった領域です。
職務経歴書自動生成
同様の単一サービスはいくつかあるようですが、MENDANの機能ではユーザーからの入力を求めるものではなく、音声データから生成することが特徴です。また、普段利用されている自社のフォーマット書式に完全に合わせて出力可能です。
推薦文自動生成
求職者様の特徴によって、推薦文の有無や質などが重要なファクターとなります。医療系特化、デジタルマーケター特化、薬剤師特化など様々な特化領域がありますが、専門情報をお客様に合わせてカスタマイズし抽出します。書類通過率を重要視されている企業様ですと、3%程度の改善効果の事例もあります。
求人票自動生成
スクレイピングして求人票を作成するサービスはありますが、こちらも追加でヒアリングした音声データから生成することが特徴です。RA業務での音声データを活用することで、RAハイパフォーマー分析も可能となります。
ハイパフォーマー分析
音声データを活用した分析について、米国では「Conversation Intelligence」という分野で発達している領域です。面談内容がブラックボックス化しており、マネージャーが面談同席を全員に対してすることは時間制約から現実的ではありません。定量的な数値の評価ではなく、なぜハイパフォーマーはパフォーマンスが高いのか?を言語化し教育へと展開します。
お客様の声
複数のお客様のご支援をさせていただいておりますが、お客様の声を一部ご紹介させていただきます。
求職者様の層によって、重要度や出力形式のこだわりが変わりますが、人材紹介業への深い理解とお客様に合わせたカスタマイズにより良い評価をいただいております。
開発背景
MENDANの特徴などを書いてきましたが、開発背景についても書いてみたいと思います。実はMENDANというサービスについては、意図的に開発をしたのではなく、顧客課題に向き合い続けてきたところから生まれたサービスなのです。
わたしたちZen officeの特徴としては、お客様の課題を可視化し、ツールニュートラルに成果を上げるためのソリューションをカスタマイズして実現するというところがあります。これはこの10数年間様々なお客様へSaaS導入などのサポートをさせてきていただいておりましたが、SaaSを導入するだけではビジネスが伸びないという永遠の課題があります。
その課題を解決するために重要なことが、お客様に合わせた設計という点、組織全体にデジタル浸透をいかにさせるかという点だと感じています。
MENDANというサービスについては、固定化されたプロダクトではなく、お客様のシステム環境、セキュリティ要件、出力形式、ユーザータイプなど様々な要素を考慮して、完全カスタマイズして価値提供をするサービスとなります。
また、現時点ではサービスとしてver4.0程度の段階ですが、ver10や20などに引き続き顧客課題に向き合い続けアップデートしていく予定ですので、またアップデートタイミングでnoteに書いてみたいと思います。
MENDANにご興味がある方がいらっしゃいましたら、お問い合わせフォームかfacebookメッセンジャーにてお気軽にお問い合わせください。
・facebookアカウント
https://www.facebook.com/yukihiro.iwase
生成AIの可能性
現在、様々な生成AI活用におけるサービスが登場していますが、ほとんどが教育や活用などまだまだふわっとしたサービスであるように感じています。
MENDANにおいては、人材紹介✕音声データ✕AI✕書類と、具体の具体まで掘り下げたサービスです。
サービスが開発された転換点として大きな要素が、生成AIの進化です。特にGPT4oやClaude3.0 Opusあたりから急激に進化した感覚があります。またNVIDIAチップが世界中に大量に展開され、テック企業大手が自社開発チップを開発しているという状況では、さらにモデルの進化やコストの低減、テキスト→画像→音声→動画といったようにメディアの対象範囲が拡張されていくことが予想されます。
インターネットが登場した時、モバイルが登場した時、SNSが登場した時、テクノロジーが様々な形で進化し続けてきました。その時に、自社でも何か使えないかな?といったふわっと流行りにのるのではなく、具体的かつイシュードリブンで自社へ実装するということがビジネス成長に寄与し競争力を高めるポイントだと思います。
テクノロジーの進化が年々早すぎるため、半年後にはこのnoteの内容自体が古くなっていると思いますが、お客様の課題解決をすることが主であり、生成AIはひとつのツールと捉え、進化を楽しみに、価値貢献していく所存です。