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②ZINE『わたしの移住歳時記』より「地芝居」
二〇二一年の秋、高松市香川町にある舞台「祇園座」へ地芝居の歌舞伎を見に行った。香川県の登録無形民俗文化財である「祇園座の農村歌舞伎」は、約二〇〇年前の江戸時代から、神社への奉納として上演されているという。地元の小学生なども加わって、台本、衣装、小道具、化粧など、全てが住民の手作りだ。
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当日は近くの小学校の校庭に集合し、会場まではシャトルバスで向かう。道が狭く、駐車スペースも殆どないので、複数の一般車両が現場付近まで乗り入れることは困難だからだ。一〇分ほど山道をのぼってバスを降りる。坂道の上には「平尾八幡神社」があり、その手前の広いスペースに「祇園座」の舞台があった。上演に合わせて屋根が掛けられ、沢山のパイプ椅子も並べられていた。
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午後の部の演目は「菅原伝授手習鑑」、寺子屋の段。少し肌寒い日ではあったが、子役がたくさん出てくる演目とあって、会場は何度もあたたかい笑いに包まれていた。中には「あれは○○くんちのお父さん!」とか「○○ちゃん、緊張してるなあ」とか、地元の方にしか分からない笑いもあったのではないだろうか。
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町内の福祉施設で生産されているもの
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銀座の歌舞伎座や、京都の南座でやっているような、本物の歌舞伎俳優が出てくる歌舞伎と比べたら、確かに拙い。けれど、本場から遠く離れた四国の山の中で、歌舞伎に親しみ、歌舞伎を愛し、自分たちだけで同じようにやってみようと思い立ち力を合わせた人たちの情熱には並々ならぬものがある。自分たちは自分たちなりに、できるところまでやってみようじゃないか、そして楽しもうじゃないか。地方で愉快に生きてゆくことのヒントの一つは、地芝居にある気がする。
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ZINE『わたしの移住歳時記』が完成しました。
ZINE『わたしの移住歳時記』完成しました‼️
— ごまヲ (@yukigomao) June 28, 2024
今夜文学フリマ香川のWebカタログも公開です pic.twitter.com/ewbDUuzHBg
季語をめぐるショートエッセイが60本ほど収録されています。また、これまで発表した俳句をそのところどころに添えています。
7/28の文学フリマ香川にて販売します。また、その後も様々なイベントで販売予定ですので、よろしければ手にとってみて下さい。
なお、文学フリマ終了後はこちらのサイトで通販も予定しています。
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