ストイックすぎる糖質制限は危険!
近年、「糖質制限」「糖質オフ」というワードが注目されていますよね。
糖質の取りすぎは肥満や高血糖などの原因になるので、甘い物やスナック菓子を控えたりするのはいいことですが、
中にはストイックになりすぎて、普段の食事からごはん、パン、麺などの炭水化物の主食を完全に抜いてしまう方もいるようです。
これはちょっとやりすぎというか、管理栄養士としてあまりお勧めできません。
糖質は、脳の唯一のエネルギー源となる「ブドウ糖」のもとになります。ブドウ糖は、食事からとった糖質を腸で分解、吸収することで体内に取り込まれます。
ブドウ糖が不足して血糖値が下がりすぎると、ひどい場合には脳へのエネルギー不足から意識低下や昏睡に至る場合があります。
低血糖は身体にとって危険な状態なので、そうならないために人間の体には血糖値を一定に保つ仕組みが備わっています。
① 食事からとった糖質を消化吸収する
② 肝臓や筋肉に蓄えられているグリコーゲンを分解する
③ 筋肉中のアミノ酸などからブドウ糖を合成する「糖新生」が起こる
このような働きのおかげで、私たちは短期的に糖質が不足しても、普通の生活を維持することができるのです。
しかし、長期間にわたって過度な糖質制限をすると、日常的に糖新生が起こり、筋肉が減って、代謝が落ち、痩せにくい体質になってしまいます。
糖質制限ダイエットでは、体重が落ちて一見やせたと感じても、実は筋肉や水分が減っただけで脂肪はあまり減らないので、体重は正常でも体脂肪率が高い「隠れ肥満」になっていることも。
もし、皆さんが「糖質=体に悪い」というイメージを持っていたとしたら、毎日適量の糖質をとる方が健康的だということを知ってくださいね。