Future Energy / 未来のエネルギー
Oxford Bookworms の Future Energy。
今後のさらなる人口増に対応するために、どのようなかたちでエネルギーを生産し、どのように人々に供給していくのか。これまで使用されてきた、地球環境を壊し汚していく化石燃料や石油には頼らずに、どのようなかたちで新しいかたちのエネルギーを生産し使っていくべきか。今現在、どのように模索され研究されているのか。どのようにそれが実践されていくのか。
地球規模の手の届かない大きな問題だと考えてしまいがちですが、あらためて考えさせられたことが多くありました。
まさに今、集中豪雨で苦しんでいる方々に思いを馳せ、今後、それらの新たな取り組みが、このような異常気象災害を防ぐきっかけになることを心から願う気持ちで読み進めました。
地球温暖化防止のための取り組みが世界各国で議論され、たびたびニュースでも取り上げられ、日々冷暖房を使い、石油がもととなっている燃料で動く乗りものに乗り、どのような食材でも求めればいつでもすぐに手に入れることのできる大変恵まれた生活を当たり前のように送っているわたしたちが、一個人でどうにかできるような問題ではないかもしれませんが、自分たちひとりひとりが少しずつでも、たとえ小さなことでも心掛けていくこと、取り組んでいけることがあると再認識する良いきっかけになりました。
石炭や石油、天然ガスが発掘された歴史から、事故による危険性や環境汚染、地球環境への影響、このまま掘り続ければどのくらい先に枯渇するか。また、わたしたちの生活において、車に乗ることによって、いま現在食べているものや、捨てているもの、暖房や冷房の付け方やテレビを見ることによって使われるエネルギーを、世界各国で具体例を上げて、それらをどのように抑えていくかをあらためて考えさせられました。
そして、原子力発電について。
原子からどのようにエネルギーが生み出されるのかというところから、難しい専門用語は辞書を引きながら読み進めました。チェルノブイリの事故はなぜ起きて、周辺の国々にどのような影響をもたらしたか。当然のことながら福島についても触れられていました。
原子力発電に関しては賛否両論ですが、未来に向けて、核分裂では無くより安全で効率の良い核融合というかたちでエネルギーを生成していくためにいろいろ研究されているとのことでした。核融合に関しては初めて知りました。そのため日本語で情報を調べてみました。メリットとデメリットがあるようですが、これまでの方法と比べて格段に安全性が高くなることは明確な事実で、かなりこの分野の研究開発が進んでいるとのこと。近い将来に実現されることを願っています。
風力発電や水力発電を得るためのダムの建設方法では、世界各国で日本では一般的ではない方法で電力を得る工夫がされていることがとても興味深く感じられました。
また、海の波の力を利用したり、海水温の温度差を利用している国もあることを知って驚きました。それぞれの土地の地形を活かしながら、効率良く効果的に得られた自然エネルギーでわたしたち人間たちが生きていくことのできる世の中になることを切に願います。
日本は豊富な急流河川に恵まれているけれど地形が複雑なため水力発電のためには利用しづらいようですが、周りは海に囲まれている島国という地形を活かして、もっと海の力を利用して発電することができたら良いのにと思います。
自分たちひとりひとりにできることとして挙げられているもののひとつとして、地元で作られた農作物を買うこととありました。なぜなら輸送する際のエネルギー消費が大きく抑えられるからです。
もちろん地球環境のために地産地消に協力したい気持ちは大いにありますが、現実問題、身近なスーパーに売っている果物、たとえば毎日食べているバナナはフィリピン産だし、夏場のゼスプリキウイはニュージーランド産で、国産の葡萄はあまりにも高級すぎて手が出ないため中南米産のものを買っています。国産の桃も梨も同様、りんごだけは唯一気軽に買うことができる貴重な国産の果物です。輸入コストが入っているにも関わらず、これほど金額に差が出ることに驚かされます。果物は毎日食べたいものなので国産のものはなかなか買えませんが、しかし食べもの以外で、月や年に数回程度買うものに関しては、なるべく国産のものを選んでいきたいと感じました。
また、日常生活においてとても基本的なことですが、
・ ものを長く大切に使うこと
・ 痛んだり壊れたりしたものはできる限り直して使うこと
・ 無駄なものは買わないこと
・ なるべく中古品でものを買うこと
・ 購入した食材は無駄を出さずに計画して使い切ること
・ 移動手段は可能な限り徒歩や自転車を使うこと
・ 冷暖房は最小限に工夫して使うこと
・ ゴミを拾うこと
書き出したらきりがないのでこのあたりにしておきますが、あらためて日常の過ごし方を考える良いきっかけとなりました。
これらのことを英語で読みながら考えさせられたことは、出版がイギリスなので外から日本を眺める感覚としてあらたな気づきを生み出しました。ますます今後、海外の著者が著した書籍を英語で読んでいきたい想いが強くなりました。