見出し画像

しゅわしゅわ初体験

「はじめて炭酸を飲んだときのエピソード」と言えば、我が家では絶対に娘の話である。

本人はあまりにも言われ過ぎて嫌だろうが、もうあれは絶対忘れられない。

かつて愛媛県西条市には、アサヒビール四国工場があった。

残念ながら閉鎖されてしまったのだが、そこでは工場見学ができたので、子どもたちの夏休みの自由研究に使わせていただいたり、見学後の試飲もあったので、親せきが遊びに来ると観光がてら連れて行ったりした。

工場自体も見ごたえがあったし、試飲できるビールは最高だった。当然ながら運転手は飲めないので、親せきを連れて行ったときは飲めなかった。

そして当然、子どもも飲めないので、代わりにジュースがもらえるのだが、炭酸飲料のみだった。

その日はたしか、私の母と伯母たちが遊びに来ていて、娘はまだ幼稚園に入ったかどうかくらいだったと思う。

娘はまだ一度も炭酸飲料を飲んだことが無かった。

炭酸しかないけど、まあ飲んでみようか、と娘に渡した。

娘は炭酸飲料を口に入れ・・・た瞬間、驚きと恐怖と困惑の混じった何とも言えない顔をして、飲み込むことなく漫画のように前方を向いたまま口を開けて出してしまった。

ぶわああああ!

一瞬の出来事だったが、大人たちは慌てるより何より大爆笑。

後始末は必要だったが、たいした量を含むことなくすぐ出してしまったので、さほどの被害にもならず。

あのしゅわしゅわに驚いたのだろう。

これがトラウマなのか、娘は成人した今もあまり炭酸が得意ではない。

笑ってしまったのがまずかったのか?

一方の息子は、まったくその日を覚えていないほどすんなりと、はじめての炭酸飲料を受け入れ、今も大好きである。

私自身の炭酸飲料との出会いはまったく覚えていない。

あの時の娘の顔を思い出すと、きっと私もそれなりの衝撃を受けたに違いないのだけれど、記憶にないし、すっかり日常に溶け込んでいる。

つい最近も、私が1か月以上入院して帰宅すると、夫と息子が炭酸飲料を箱買いしていた。

この世ではじめて炭酸飲料を飲んでみようとしたひとって誰なんだろう、と考えて想像してみる。




#炭酸が好き

いいなと思ったら応援しよう!

枝本 幸
いつもスキやコメントありがとうございます♪いただいたチップは、闘病中の自分へのご褒美の一服に使わせていただきます!

この記事が参加している募集