薬膳とは、「薬になる食べ方」のこと
体に良いといわれる「薬膳」は、少し難しいイメージがありますが、毎日の生活に薬膳があることとは、日々の体調や病状に合わせて、「薬になるように食べる」ことです。
沖縄の方言で「クスイムン」という「食は薬」という言葉があります。
中国から伝わった「薬食同源」という考え方で、食材の持つ力を使って、漢方のように食事に活かしてきたという時代背景があります。
薬が手に入りにくい時代、琉球の食事は自身や家族の健康維持だけでなく、「薬」の役割も担っていたのですね。
食材の持つ五味・五性の作用を知り、体調管理の目的に合わせて食材を選びお料理をする。これがいわゆる「薬膳料理」であり「食べ合わせの知恵」ということになります。
伝統的な琉球料理には、この薬膳の食べ合わせに沿ったものが多くあります。
例えば、クーブイリチー(昆布の炒め物)は、「痰湿」の症状がある方にとても良い琉球薬膳料理といえます。痰湿とは、体内にたまり過ぎた不要な「水」と「熱」が、気や血のめぐりを邪魔して、様々な不調が起こっている状態です。昆布に含まれるフコイダンが痰湿を取り除くのに最適とされていて、柔らかく調理することで、腸からの吸収を良くしています。沖縄の湿気の多い気候に適した食材と調理方法といえる、昔ながらのクスイムン料理です。
身近にある琉球料理が薬膳料理とは知らずに食してきた方も多いのではないでしょうか。
薬膳とは、漢方などで良く見かける珍しい生薬やスパイスが必ずしも必要ということではありません。
旬の食材そのものの持つ力を正しく組み合わせながら調理し、味も効能も最大限に高めう「食べ合わせの知恵」を知っていれば、食べ物を「薬」のように活かすことができるのです。
毎日の中に、「薬膳」という「食の知恵」を取り入れて、美味しく、賢く、心身をメンテしていきましょう!