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コラム

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勤務する世界線と私

勤務する世界線と私

7月の最終週は、子どもが体調を崩しててんやわんやしていた。

幸い(?)コロナではなかったものの、仕事を抱えながら看病を続けるのは思ったよりもつらい。何より、子どもがしんどそうなのを見るのは堪える。

仕事が忙しい時は病児保育に預けるのも選択肢の一つだが、これも悩みどころで、普段通っていない保育士の方々と体調不良の時に子どもが打ち解けられず、泣きまくって悪化するのではなかろうか、と二の足を踏んでし

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誰に向けて書いてるの?

誰に向けて書いてるの?

よーし書けたぞ、と思った時に、現れる一言。

「うんうん、で、それは誰に向けて書いてるの?」

私がかけた時間も、思いも、誰かがわざわざ時間を割いて読んでくれる保証にはならない。

先日、文学フリマに行った。子どもから老人まで、まさしく老若男女問わずいた会場。初めて見た賑わいに心躍るものの、初対面の相手の本を買うのはハードルが高い。正直、どれを買えばいいのかわからなかった。しかも、横目に通り過ぎる

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看病しながら仕事をする

看病しながら仕事をする

育児において、パートナーに取ってほしいのは育休だけではなかった。

子どもが突発性発疹となり、5日間熱を出した。初めての高熱に私もずいぶんと慌てふためいた。
病院では「コロナの可能性は低い」と言われたものの、念のためPCR検査=陰性。喉も赤くなく、熱だけが出ている様子から「たぶん突発性発疹でしょうね」と言われる。
突発性発疹は、高熱が出た後に体に発疹が出る病気だ。発疹を見て初めて「ああ、やっぱり突

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AIが記事を書いたってニュースを見るたびにドキッってする(後編)

AIが記事を書いたってニュースを見るたびにドキッってする(後編)

前編はこちらから

読者にとって、AIとライターが書いた文章に大きな差はないだろう。「情報を伝える」という目的が果たせれば、それでいいのである。いつの日か、取材した素材をぶち込んで、AIがさくっと記事を作って、それをライターが編集する未来がやってくるかもしれない。

結局、そんな世界で生き残っていこうとすると、ファン層を増やすしかないのだろうな。
初音ミクが出てきて、ボーカルも演奏者も必要なくなり

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AIが記事を書いたってニュースを見るたびにドキッってする(前編)

AIが記事を書いたってニュースを見るたびにドキッってする(前編)

AIがキーワードをもとにニュース記事を書く。

以前から騒がれていたが、2022年3月に改めて話題となった。

似たような話題が出るたびに、私はいつも気が重くなる。

ライターも校閲も、AIがするようになるのか。編集者は、AIに置き換わらないのかな。ふわふわとした不安が、心に巣くっている。

以前、「ライターなんて、AIが発達したらなくなる職業の一つですよ」と面と向かって言われたことがある。「そう

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子の1歳の誕生日を考えながら

子の1歳の誕生日を考えながら

もうすぐ、子が1歳になる。つまり、それは我が家から乳児がいなくなるということ。幼児へのカウントダウンだ。

これからの日々がとても楽しみで、赤ちゃんからの卒業がとても寂しい。

生まれたての頃は、ずいぶんと気を張ってきた。産後ドゥーラの手は借りたものの、1歳になるまで、本当に夫婦だけで乗り越えた。それは私たちにとってかけがえのない時間だったけれど、今考えると、もう少し人に頼ってもよかったんじゃない

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フリーランス×育児×料理

フリーランス×育児×料理

料理を作っている暇がない。

赤子が1歳に近づくにつれ、育児と家事、仕事の両立がいよいよ難しくなってきた。子の離乳食は1週間に1度か2度、作り置きをするものの、自分たちの食事まで手が回らない。鍋いっぱいに野菜たっぷりのみそ汁を作って肉を焼いたり、カレーや肉じゃがなどの煮物料理で2日持たせたり。「料理を楽しむ」より、「腹にたまる」「体にいいもの入ってる(野菜)」「子を見ながら温める」のルーティン。正

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0歳児とフリーランスライターの一日

0歳児とフリーランスライターの一日

フリーランスの人って、どう子育てしているんだろう。

産後は仕事と育児の両立に悩んだ。私の周りには同業で同じ年くらいのお子さんがいる方は少なく、なかなか相談できない。

一人悩んで本も購入した。

けれど、結局はオリジナルのやり方に落ち着いていくもので。今はこんな生活をしている。

生後9か月となった今、捻出できる仕事時間は平日で4時間~5時間ほど。子の朝寝で1時間、昼寝で1時間、それから夜に寝た

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"シェアハウス"夫婦から"同僚"夫婦へ

"シェアハウス"夫婦から"同僚"夫婦へ

夫婦って、どんな関係に例えられるだろうか。

子どもが生まれる前は、シェアハウスの住人に近かったと思う。互いに目標と仕事があり、友達や同僚など夫婦以外に属するグループがある。2人が家に集うのは、楽しく酒を飲みかわす時だ。相手の領域を侵さず、宴を共有できる。

子どもが生まれると、”シェアハウス”夫婦のままではいかなくなった。共通の「育児プロジェクト」を通して、家事の分担、病院の同行などをしなければ

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子育ての第二フェーズへ

子育ての第二フェーズへ

子育てのことばかり書いて申し訳ない。日常が「子ども」と「仕事」しかないので、仕事の進捗を除けば、子育てだけが残る。

ずいぶん前のことだけれど、児童館デビューを果たした。周りには生後2カ月でデビューした子もいて出遅れを感じたが、引っ越しなどがあったので仕方がない。

不安になるも、わくわく、どきどき。胸を高鳴らせて参加して、近所に住むママたちと話した。通っている小児科のこと、離乳食のこと、保育園の

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昭和のまま

昭和のまま

「昭和に生きているのではないか」と思う瞬間がある。

乳飲み子を抱えて平日の昼間に一人で病院に向かう時、それから、保健師から「赤ちゃんの首が据わればおんぶして料理できますよ、お母さん」と夫ではなく私の目をのぞき込んで言われた時ーー。

「仕事を辞めて、母親に専念しなさい」と言われている気がして、心にさざ波が立つ。反発するのは、子どもを見てくれる人を手配しないと、仕事ができないからかもしれない。私が

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