心にギャルを飼う
会社に行けた。
朝、会社行かなきゃと思って身体を起こしたけど、お弁当を作りながらやっぱり行かなくてもいいのではないか、と何度も思いを巡らせた。
普段在宅勤務の夫が今日は出社だったので、同じ時間に家を出た。駅のホームで電車を待ちながら、不安な気持ちを隠すように線路にある石のような物体を「豚の角煮みたい」と言ったりした。それでも、これから行くオフィスの風景が頭によぎると涙が出てきた。夫は心配そうな顔で私を見てくれていた。
直属のマネージャー含め3名に面談をしてもらい、同じように泣きまくった。今の職種に向いていない、仕事ができないのが辛いと鼻をすすりながら訴えた。もう半分以上辞める覚悟が決まっていたから、どう思われても構わないと思えた。おそらく、今の悩みは職種に依らず必ずどこかでぶつかるビジネスパーソンとして乗り越えるべき壁であり、職種を変えることが根本の解決策にならないかもしれない、と。
今抱えている仕事を少し剥がしてもらうことになった。それもあって、朝よりもだいぶ気持ちが落ち着いた。私は完璧主義で、人に頼るのが苦手だ。完璧主義は悪いことではないけれど、今回のように自分の首を絞めることになる。何が正解かわからない仕事ばかりだから、4割くらい自分で考えたらその時点でマネージャーや聞ける人に意見を求めにいこうと思う。
一旦は今の仕事を頑張ることに決めた。そして一番頑張ることは、頑張りすぎないこと。人を頼ること。とりあえずこれで進もう。
帰り際、同僚と「心にギャルを飼おう」という話をした。辛くなりかけたら、心のギャルにウケると笑ってもらうことにする。
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