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後ろ前だっていいじゃない

4歳の長女は何度言ってもインナーを後ろ前に着てしまう。わかりやすく首下にリボンがついていても、だ。
「リボンがついている方が前だよ。」
これはもう毎回間違えて着る度に言っている。それでも間違えて着てしまう。

1歳2ヶ月になる次女も同じこども園に通っているので朝はいつもバタバタで、今朝も園について車を降りてから初めてインナーが襟からはみ出ていることに気付く。
「また後ろ前に着てるよ。なんでいつも言ってるのに間違えるの?」

思わず言ってしまった。着直しをさせ、教室へ送り届け、会社へ着いてデスクに座り一息してからふと思う。

「なんであんな風に言っちゃったんだろう。もっと優しく言えばよかった。先生へのあいさつはいつも立派に笑顔でしてるのに。娘には得意なことと苦手なことがあるんだ。良くできてることをもっと褒めてあげたらよかった。」

でもこれは落ち着いてから思うこと。朝は余裕がなくいつもギリギリ。早生まれの長女は、1歳3ヶ月で保育園に入園してから常に4月生まれの子たちより1年近く遅れているので早く自分の身の回りのことができるようになってほしいという思いが強く、その思いが空回りするように朝の身支度はスローペース。

「時間を伝えるといい」「身支度ボードを使うといい」いいと言われるあらゆる方法は試しているが、それでも相変わらずスローなのだ。

「準備が早くできたら、登園まで時間があるから好きなことができるんだよ。だから先に済ませようね?」
「次は何をするんだったかな?」
なるべく優しく声かけをしているつもりだが、ありとあらゆる声かけのバリエーションを駆使しても歯磨きの前におしゃべりが始まったりなんとなくテーブルの上にあるもので遊び始めたりようやく歯ブラシを持ったので歯磨きに辿り着くと思ったら次はトイレ(起きたらすぐトイレ行こうねと声かけはしてるが行かなくてここで行く)、ととにかく回り道ばかり。いつも結局早く終わることはあまりなく、あっという間に登園時間。

そんな長女だけど、今朝車の中でこう言った。
「今日メラニー先生の英語の時間だよ。」
そう、今日は火曜日で週に1回の英語のクラスがある日。
「あ、そうだね。よく今日だってわかったね。」
家で全く明日の園での予定など話していなかったのに、もしかしたら前日に園の先生が明日の予定のことを話していて思い出したのかもしれないけれど、いつのまにか曜日感覚がついてきているんだとハッとした。

そして今週からは、6時45分から7時までの15分、毎日英語絵本を音読するZoom音読会に参加し始めた。
平日の朝はなかなか自分から起きてこない長女、始まる前はこの時間に参加できるのか?と思ったけど、なんと2日目の今日からは自発的に6時20分頃起き出し、先に朝食を済ませ参加できた。どうやらこの会が楽しみらしい。まだ2日目だけど朝目が覚めた時に「今日も音読会があるから参加したい」と理解してるからこそ起きられるんだろう。

毎日毎日同じことの繰り返しの日々で、乳児期とは違い目に見えた成長は見えなくなっているけど、当たり前だけど、ちゃんと成長してるんだ。

あと10年もしたら思春期で高校受験の年。親が煩わしくなる年ごろ。私自身もその時期は親が煙たくてしょうがなかった。反抗期だった私は中学の卒業式に母が来てくれた時ですら、気恥ずかしさと反抗心でちゃんと接しなかった。

10年後には、長女はもう私を今のように必要としなくなっている。そのとき、私はこんな風に悩んでる時期のことがたまらなく懐かしく、愛おしく思うに違いない。片付けても片付けてもリビングがおもちゃで溢れかえってロボット掃除機に吸い込まれないよう必死に床から床上に上げるだけしか余裕のないあの頃に戻りたい、と思うのかもしれない。

そう思ったら、何度も後ろ前にインナーを着ちゃうことなんてどうでもいいじゃないか、まだまだ私が必要とされてお世話できるかわいい時期なんだと思えた。

そんな気持ちで、今日も風邪で40℃近く熱を出している次女を病児保育に迎えに行き、長女を園に迎えに行った。

長女は2日続けてお味噌汁をこぼしたと上下の洋服を着替えていた。まだまだお世話しがいがある長女に朝よりも余裕のある気持ちで笑えた。

#子育てエッセイ #エッセイ #おうち英語 #姉妹育児 #ワーママ

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