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”かもめ”が翔んだ日 〜その1〜

「かもめが翔んだ日」と言えば、渡辺真知子さんが歌ったこのヒット曲。

1978年リリースということは、高校3年生の頃。今思えば、多感な年代だったんだろうなあと遠い目をするしかない。

一方、今回話題にする「かもめ」はこちら。

「かもめが翔んだ日」が発売された1978年の新幹線は、「ひかり」と「こだま」だけ。「のぞみ」や「やまびこ」「とき」も、まだ走っていないんだよね。

2022年9月。北は新函館北斗から南は鹿児島中央まで伸びた新幹線網に、新たな路線が加わった。佐賀県武雄市の武雄温泉から長崎県長崎市の長崎までを結ぶ西九州新幹線。

いろんな事情があって、既存の新幹線とは接続していない離れ小島として開業した。将来は、九州新幹線の新鳥栖と武雄温泉の間がつながる計画ではあるけれど、いつになるかは全くわからないのだ。

そんな状況ではあるけれど、日本の鉄道完乗をモットーとしている身としては、一刻も早く駆け付けねばならない。開業から約2ヶ月後、満を持して西九州へ向かったのである。

11/16(水)、早起きして6時前の東海道新幹線新横浜駅ホームに到着。乗車するのは、2番目に見えている「のぞみ79号」博多行き。

乗り鉄として、敢えて陸路選択で九州入りするのだ。と言えばカッコいいかも知れないが、実態は飛行機が苦手なだけ。

新横浜から博多まで、たったの4時間半ってすごいよね。

無事、定刻に到着。ちょっと早いけど、かしわうどんで腹ごしらえ。

西九州新幹線を目指すには、博多からの在来線特急「リレーかもめ」に乗って武雄温泉まで行くのが王道。なんだけど、ひねくれ乗り鉄の私は、ちょっと遠回り。

鹿児島中央行きの「さくら」に、お隣の新鳥栖まで一駅だけ乗車。

九州内は、こちらの「ハロー!自由時間ネットパス(北部九州)」。60歳以上限定の超割引きっぷを活用させてもらおう。

新鳥栖で乗り換えたのは、佐世保行き特急。白い車体だけど、列車名は「みどり」なのだ。

県庁所在地佐賀を通り抜け、下車したのは江北(こうほく)駅。ちょっと前までは、肥前山口駅と名乗っていた。西九州新幹線開業を機に自治体名と合わせ改名したという次第。

JR最長片道きっぷというのがあって、今まではこの旧肥前山口駅がゴールだった。NHKの番組で放映された記念碑が建っている。ところが、西九州新幹線開業で、このゴール駅が変わってしまったのだ。でも、せっかくの思い出だから、このまま残してほしいよね。

次の下車駅は、肥前鹿島。西九州新幹線開業前は、在来線特急「かもめ」が多く停まっていた。ところが、武雄温泉行きとなった「リレーかもめ」は、この駅を通らないのだ。それでは困るということで、博多方面からの肥前鹿島行き在来線特急「かささぎ」が新登場することになった。

特急終着駅としては、小ぶりなホーム。この先の長崎方面へ、もう特急は走っていない。やって来たのは、普通電車の肥前浜行き。

肥前浜は、肥前鹿島の隣駅。ここで、長崎行きディーゼルカーに乗り換えとなる。これまでは全区間電化だったが、特急が走らないのに電気を通すのはもったいない。というわけで、肥前浜から先は電車が走れなくなったのだ。

車窓に有明海を望みながら、のんびり走る。新幹線「かもめ」が翔ぶのは、はたして何時になるのかな?
                   〜つづく〜

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