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日記「私の人生ちょっと振り返ってみた」

八月の末、娘に背中を押され初めてネイルサロンでネイルをしてみた。娘は一年程前からネイルサロンに通っている。でも家事ってのは手を酷使するものだからと躊躇っていたが、ネイルはそう簡単に落ちないよと言うので思いきって行くことに。結論ネイル最高!綺麗!

空とか海とか山とか森とか自然の美しい風景を見ていると悲しくなる時がある。特に空と海は一分一秒たりとも同じことはない。快晴の空の色、流れる雲、移動し続ける太陽、朝昼晩もとい時の流れ。空の色を映す海面、押し寄せる波。風景の一部に身を置くと「私」は私の中にいるわたし達だけで構成された「私」ひとりきりなのだなぁと思う。誰かと繋がる時に泣いてしまうのは確かな感触と結ばれた実感。とにかくコンプレックスの不格好な爪を綺麗にしてもらって美しい風景の感触を手に入れた気持ちがする。この歳になってもまだまだ初めての体験に心躍ることがあるのだ。兎角、手は何をするにも目に入るので綺麗にしてもらった爪は私の気持ちを豊かにしてくれる。

10代が終わる頃までは「私」というものを構築する時間だったように思う。子供時代の家族という組織の中で形成された「私」は学校という組織の中でどういう立ち位置なのだろうか、他人と比べてどうゆう人間なのだろうか、という世界だった。大きな夢を抱えた子供から現実的な世界へ身を流すしかない挫折も味わった。時代には逆らえない。団塊ジュニア世代、就職氷河期世代、と呼ばれる世代に生きた私はある意味ごく一般的な人間になった。大きな夢からささやかな夢をも諦めて時の流れに身を任せるしかなかった。

20代をざっくり纏めると仕事と恋愛と後半は結婚出産、ごく普通が幸せなのだという価値観を植え付けられてきたせいか、ごく普通に幸せだったのだと思う。つらい出来事もあり精神的にきつい時期もあった。それでも29歳と10ヶ月で娘を出産したことで全ての悪いことが身体から流れ出たように思う。流れ出たものの中には大きな光があってそれは30代へ向かう希望となった。

30代は自分のことよりも家族の為に生きているようなものだったが幸せだった。子育ては大変で泣いている娘を放置したこともあるし声を荒らげたこともある。それでも娘の成長を見守る喜びと幸せでいっぱいだった。環境にも恵まれたくさんのママ友ができた。そんな大変な時期、夫は仕事で帰りも遅く飲み会も多くおまけに休日は友人とフットサルを楽しむという、いわゆるワンオペ育児だった。それでも子育ての悩みや大変さをママ友と共有できることでママ友にはたくさん救われ、苦労したと思うことはないし夫を憎んだりしたこともない。

40代になると娘も手がかからなくなり自分のこれから先の事を考えるようになった。仕事を始めるママ友も増え、もれなく私も事務仕事に就いたが二年程で辞めてしまった。何かが違う。自分のこれから先の人生をこの仕事にするには全く不向きだった。我が家は一人っ子で贅沢をしなければ夫の収入だけで生活できる。だからすっぱりと辞めた。そしてある人と出会って文章を書く喜びに改めて気がついた。元々中学生の頃から日記を書く習慣があり文章を書く事が好きだった。今はSNSで自分が書く文章を簡単に公開できる。コメントやいいねを頂くようになると更に文章を書く事が楽しくなった。そして現代詩に出会い今や詩人と名乗るようになっている。いつか詩集を出す夢と目標ができ、現在奮闘中。

ざっと振り返ってみるとそんなに悪い人生でもなかったなと思う。鏡を観れば皺は増えたしシミもあるし中年太りのだらしない体型になった。肌を撫でてみる手の爪が綺麗に輝いていて、私の中にいるわたし達だけで構成された「私」を大切にしたいと思わせる。最後にもう一度だけ書いておこう。結論ネイル最高!綺麗!娘よありがとう。

九月も時期半ばに差し掛かる。もうすぐ運転免許証の更新のお知らせが来るはずで、私の新しい年代が始まろうとしている。

#日記
#ネイル
#人生振り返り

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