日記「夜明けの雨はミルク色」
昨日は日暮れがやけに早いなって思っていたら、窓から雨の音がして窓をあけたら雨の香りがした。久しぶりに雨だなって思って雨の香りをかいでいると、雨の音って何だろう、雨の香りって何だろう、ふと考える。雨の一粒と一粒がぶつかったら音がするのだろうか。多分、雨が屋根や木々に落ちた時の音だ。雨に香りはあるのだろうか。雨に濡れたアスファルトや庭の土の匂いだ。だから正確には、雨が落ちた時の音がして、雨に濡れたアスファルトや庭の土の香りがした、だ。
私を底辺として
涙は蒸発し、
雲になり、
我々を溶かす酸性雨と成る
三角みづ紀さんの詩の一文をふと想う。雨はアスファルトや土だけでなく人の感情を吸い上げ降らせ全てを溶かしてしまうのだ。
辻征夫さんの「雨」という詩を読みたくなり雨のひとつぶを見ようとする。この詩の中には妖精がでてくる。大好きなユーミンの「雨の街を」この歌詞の中にも妖精がでてくる。雨の一粒一粒に妖精がいるのかもしれない。ちいさなわたしという妖精。
誰かやさしくわたしの肩を抱いてくれたら
どこまでも遠いところへ 歩いてゆけそう
ユーミンの「雨の街を」の一節。雨降りでも閉塞感は感じない。自由だ。今朝の早朝お散歩ではこの歌を歌いながら。私はわたしという妖精と相合傘をしてどこまでも歩いてゆけそうだった。傘に落ちる雨音のリズムに乗りながら。