仔猫と私
生後4ヶ月の子猫を迎えてから、
もう1ヶ月程経つでしょうか。
新入り猫は、先住猫と遊んでくれそうな、
茶目っ気のある、人懐っこい猫です。
先住猫の時も同じくらいの頃の子を迎えました。
ギリギリまでお世話をして出社して、
出来るだけ早く仕事を切り上げて帰宅しお世話する、
とサイクルで育てました。
でも、今回は
「私がずっと家にいる」という点が異なります。
休み休み、家事をしながら、
2匹のお世話をし、適度に遊び、寝かします。
思っていたよりも寂しがり屋で甘えたがりの
新入り子猫は、よく鳴きます。
それはまるで、
(先住猫が悠々とゲージの外を歩いているのに!)
と言っているように思えるほど強烈に。
だから、3回に1回は抱っこして、
暴れ始めたらゲージの中に戻します。
ひと依存症にならないように注意しながら。
そんな日々の繰り返し。
不意に事件が起こりました。
台所で旦那と料理を作っている間、
2匹で遊ばせていました。
すると、
料理を運んでいった旦那がなにやら叫んでいます。
(ん?)と思ってもう一度聞くと
「助けて!」と言っています。
直感的に(やばい!)と思いました。
駆けつけると子猫の首にコードが巻きついています。
「切って!窒息するかもしれないから切って!」
でも私の力では切れません。
選手交代で、私が子猫を抱え、
旦那がコードを切りました。
抱きかかえている私からは子猫の顔は見えません。
でも数秒後、元気に走り出した様子を見て安堵。
重い沈黙のなか、ご飯をモリモリ食べました。
色んなことが頭のなかを駆け巡ります。
(猫ですら危険に晒してしまうなんて)
(やっぱり専業主婦で、
ずっと(将来の)子供に付いていた方がいいのかな)
(生きててくれて良かった)
(猫にとって住みやすい空間には程遠い部屋)
(別居婚で子供と猫2匹って想像つかないな)
わちゃわちゃの頭の中を、
クールダウンすべく、熱いお風呂に浸かります。
それでも、それでも、わぁーわぁーです。
この前届いた仁尾智さんの本に、
「幸福前借り理論」という言葉が出てきます。
猫を迎えたその瞬間から、
私たちは幸せを前借りしているのだ、と。
その借りは最期まで看取ることで返すのだ、と。
我が家が前借りしている2匹からの幸せ分を
返す日がどうか先延ばし、先延ばしになりますように。
その為に出来ることをしてきたつもりが、
全然違った。
気を抜いてしまった。
生命を迎えるということは、
その生命を健やかに全うさせるという義務を負う、
ということだと改めて深く胸に刻みました。
文章にすると、なぜ、落ち着くのでしょう。
少しざわざわが引っ込んだ気がします。
一晩寝た後読み直しても、
まだざわざわしている私です。
これは、私自身の備忘録のために。
イラストは、よしま2号さんの描かれた絵を
使わせていただきました。
とい。