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修学旅行で気付いた想い

僕はLGBTトランスジェンダー。

女で生まれたが今は戸籍を変えて男として生きている。

そんな僕の修学旅行の思い出は・・・

確信に変わった「女の子が好き!」だという気持ち

小学生の修学旅行。地元が愛知県の僕たちは京都だった。

京都のホテルに一泊。その夜の事。

女は女部屋。4.5人でひとつの部屋だったように記憶している。

隣の部屋の子も遊びにきたりして終始ワイワイモード。

LGBTあるあるでいうと、修学旅行のお風呂が嫌だったという意見が多いが、僕はそれに関しては「仕方ないもの」と思えた方だったので、あまり気にならなかった。

僕が性別違和に気付いたのは幼稚園の時だった。

髪が長くてかわいい女の先生の事を好きになった。

「?」

子供ながらにそれを言ったらダメなような気もしていた。

そこから、小学生になりやっぱり好きになるのは女の子。

でも小学生の時は周りもまだ恋愛という感じでもなかったので部活に打ち込んだりしてあまり性別違和について深く悩んだりすることはなかった。

でもやはり何となくだけど、自分はきっとやばい事になる。とどこかで感じていた。

小学校の修学旅行はそんな自分の気持ちをうやむやにしていた頃だった。

そして話は戻って、修学旅行のその夜の事。

消灯でみんな布団に入った。のもつかの間・・・興奮気味の友達たちとゲームをしたり話をしたりしていた。そんな時、見回りの先生の足音。

慌てて布団に戻るとき。ある女子が僕の布団に入ってきた。二人で布団をかぶって先生をやり過ごす。

そんな、ものの何秒の時間が僕をドキっとさせた。

胸のドキドキが止まらなかった。

そこからその子を意識するようになった。

もちろん、その思いは伝える事もなく終わっていったけど、僕の中にハッキリと「女の子が好き!」という気持ちがある事を確信した出来事だった。

その瞬間の景色は、41歳になった今でも鮮明に覚えている。

これが男の子の思い出なら何もおかしくない。初々しい青春の思い出だけど、僕が女だったから一気におかしくなる。

これが僕を悩ませることになる心と性別の違いである。

ハッキリしたらその後に恐怖心が襲ってきた

女で女が好き。同性愛。それは漫画か何かで見て知っていた。でも、ぼくはそれでもない。

男の気持ちで女の子が好き。

「レズビアン」と「FTM」を一緒だと言う人も居るがそれはだいぶ違う。

レズビアンは女として女が好き。だから自分も女で良い。女であることに違和感はない。

僕は女だけど、男の気持ちで女が好き。
だから自分を変えないと何ともならない。それがトランスジェンダーの辛い所。 

どんなことをしても、女として存在する自分を好きになることが出来ない。

しかし、身体を変える事が並大抵のことではない事も幼いながらに想像していた。

そこからは「恐怖」だった。
ハッキリした自分の気持ち。
でもそれに向き合えば、僕の身体も僕の家族も大変な事になる。

小さな心には重すぎる荷物だった。

そんなドキドキと未来への不安が同時にやってきた修学旅行の切ない思い出。


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