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僕は女から男に戸籍を変えて生活をしているFTMトランスジェンダーの鈴木優希。41歳。

仕事は地元名古屋で同じ性別違和。主に僕と同じFTMの子を雇用したBAR Venusを経営している。いわゆるオナベバーと呼ばれる店。
Venusのスタッフとは月一のミーティングを必ず行っている。
特にレギュラーと呼ばれるうちの店で生計を立てている毎日出勤メンバーに伝えていることを今日は書いていこうと思う。

人間には「頑張り時」がある。

一生、一時もサボらずに頑張る!・・・なんてことは出来ない。
楽したいのが人間だし。辛い事はない方が良いに決まっている。

オナベバーの仕事もそう。

女から男。それは「男扱い」されることとなる。もちろん、それを望んではいるけど、元々女として育てられ生きてきた僕たちだ。体力的にもメンタル的にも中々にシンドイ。(笑)

水商売では、女の子の時給と男の子の時給は全く違う。

水商売は「稼げる」というイメージがあるかもしれないが、
Venusも未経験の子は時給1000円からのスタート。
これは労働時間、内容的にも高給とは言えないだろうがこれが相場。

女の子の店なら未経験でも3000円スタート。店によっては5000円スタートの店だってある。
ニューハーフのお店もこのような高給の女の子時給だと聞いた。

オナベは男扱い。 

ホストと同じ。お客さんがつかなければ、いつまでたっても毎日働いても
月に20万稼ぐのがやっとというところだろうか。
多くの人が想像している「大金が稼げる華やかな世界」とはかなり程遠い。

その割には仕事は拘束時間も長いし、ハードである。
夢を持って入店してきても心が折れて一ヶ月も続かない子がほとんど。

根性で続いているメンバーでも実際の暮らしは大変な子が多い。

でも絶対にこの努力が効いてくることを僕は知っている
ずっと永遠に辛い時間は続かない。

錦で50年以上店をやられてるママが僕に教えてくれたこと

経営が上手くいかなくて悩んでいたVenus開店当初。そのママのお店にお客様と伺う機会があった。席についてくれたママは
「いくつ?」
「26です」
「じゃあもっともっと頑張れ。寝る暇なく、努力しな」
それだけ僕に言ってくれた。

何とか軌道に乗った30代。
僕を見たママが言った。
「いくつになった?」
「38です」
「じゃあもうちょっと頑張れ!」

「もうちょっと?」と僕が聞くと、
もうちょっと全力で頑張ったらそのうちに自然とお客様が許してくれるようになる。

そうしたら、自分の良い加減で仕事が出来るようになるからと。

「私みたいにね。」そう言って笑った。

そのママは好きなビールを一杯だけ。後はお客様から熱いお茶を頂いて飲んでいる。無理に飲まされることもないし、無理を言うお客様もいない。それでいてママが飲むお茶にお酒と変わらないお金を払うお客様が大勢いる。

自分の加減..僕にはまだ到底わからない。

全てはお客様のペース。お客様が求めることに敏感でいること。そしてそれに必死でしがみつき何とか毎日を全力で越えている。

いつかそのママのように、自分のペースで仕事が出来るようになるんだろうか。
まだわからないけど、「今が頑張り時」折れそうな時こそ、そう思ってやってきた。

41歳のオナベバーオーナーの中間報告

としては

努力をしなければ始まらない。そして努力の貯金は出来る。

ということを体感した。

まずは努力は必ず報われる..
わけではないけど、努力しないと報われるチャンスさえも貰えない。ということ。
スタート地点にも立てない。

努力の貯金とは「頑張った事・辛かったことは必ず自分の身になっている」ということ。
サボっていた人はサボったなりの結果。
確実に経験を重ねてきた人の方が圧倒的に強い。

努力の貯金はピンチの時、必ず助けてくれる。

その貯金を使う時はすぐにではないかもしれない。もしかしたらその頃には仕事の業種さえ変わっているかもしれない。

けれど確実にいつかの自分の為となる。

だから若いうちから貯金をしよう!
歳を取ったってその気になれば何でも始められるけど、体力的にも気力的にもどんどん厳しくなるのは事実。チャンスの数も少なくなる。

若いうちの苦労は買ってでもしろ。若さは一瞬。時は戻らない。

いつかやろう。そう思ってる人は、やらない。

さぁ将来の自分の為に、お金だけじゃない。努力の貯金を始めてみよう!

※2021.3.12(土)LGBT社会人交流会「BRUSH UP」第6回無事終了。沢山のご参加ありがとうございました!

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