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ないモノだけを見ないで。僕らにもあるものがある!あるものに目を向けた生き方~LGBTトランスジェンダー鈴木優希~
僕はLGBT、性同一性障害、トランスジェンダー、FTMです。
生まれた時の性別は「女」で、今は性別変更を経て、戸籍も「男」として生活しています。
歳は昭和55年生まれの40歳です。
トランスジェンダーFTM・20代の頃の思考
若い時は、ないものばかり見ていた。
男との違い。気持ち的なモノ身体的なモノ全て。
ない事がコンプレックス。だから、いつでも自信がない。激しい劣等感。
何をしても「男」に負けている気がした。
そして無理をした。見栄を張って、ないモノを人工的に作ろうとした。
気持ちの部分では、「強がってみたり」「オラオラして悪ぶってみたり」
身体的には、大人のおもちゃを駆使したり、ペニスバンドをつけたり、下半身のプロテーゼ、下半身を作る手術も考えていた。
なんなら大人のおもちゃなしではSEXが出来なかったほどだ。
胸を取る前は、彼女と一緒にお風呂に入るときも、ナベシャツを着てパンツ(男物のボクサーパンツ)を履いたまま入っていた。
もみあげも生えてこないので、眉毛描きのペンシルでもみあげを描いていた。
今思うと、その方がどうかと思うことだらけだけど(笑) 本人はいたって真剣だった。
それほどまでに、「男」にあって自分にないモノばかりを気にかけていた。
30代の自分
そんな強がっていた僕が歳を重ねるたびに自然と変わっていった。
ないモノはいくら性別適合手術をしても「ナイ」
ただ、僕にも「あるもの」はある。
それをつかえばいい。生かせばいいんだと。
気持ちの部分も無理に男ぶらなくても自然の僕で良い。女脳で何が悪い?
鈴木家の次女の英理子。えりちゃんで育てられてきたんだから、男らしさがわからない。女っぽくても仕方ない。
そこが可愛いとか言ってくれる彼女が出来たり。
女だったからわかることもある。
例えば、「生理痛のしんどさ」
そんな事がわかる彼氏は居ないだろう(笑)
好きな色がピンク色でもお花が好きでも、雑貨やが好きでも、言葉遣いが優しくても、それが自分。
ある日、経営しているオナベバーVenusに来店されたお客様に言われた、「やっぱり女の子だね。」と。
何のことかわからずにキョトンとしていると、
「この店はトイレがとても綺麗。ピンク色で可愛くてアメニティーも充実していて清潔感がある。男の子の店にはない事よ。とってもいいわ。」
と続けた。
そっか。女の感性だからプラスな事もあるのか。お客様が喜んでくれることがあるのか。と勉強になった。
SEXだって、下はなくても「舌」はある。(笑) 手がある。指がある。愛を伝える言葉がある。
あるものを駆使して、ないモノを補う。なんなら、ある人には考え付かないような、僕らにしか出来ないことをすればいい。
無理するよりもずっといい。自分も周りも。
自分が自分らしくいられたら、自然な笑顔、自然なSEXが生まれる。
それでいいんじゃない。いや、それがいいんだ。
僕が一番ないモノを気にして、勝手に無理をして辛くなっていたけど、僕の周りにいる人はそんな事欠片も気にしてなかった。
ない事に劣等感を感じないで、自分らしく。
なんなら生まれてきた性別「元女」だから出来る事。をフルに活かして生きていこう。
そしたら、性同一性障害「元女」で生まれてきた事も、嫌な事だけじゃなくなるかもしれない。性同一性障害が自分にしかない「武器」になる。
今自分にあるもの、持っているものに目を向けてみて。
ないモノだらけの自分を好きになろう!
鈴木優希のセミナー活動、LGBTについてのコンテンツを掲載しているオフィシャルサイトも是非見て頂けたら幸いです。