男性器のない男
僕はLGBTのTにあたるトランスジェンダー。女から男に戸籍を変えて生きている鈴木優希41歳。
性別を変えるには性転換手術と昔は言われていたが、今は性別適合手術というものを受けなくてはいけない。
心は変えられないからリスクはあるが致し方ない。男になりたい!という気持ちの方が強かった。
戸籍を変えていると言うと、
よく「下は付けたの?」と聞かれるが僕は付けていない。
男になる方法
性別適合手術といっても、FTMならば女の機能をなくすことが目的なので子宮卵巣の摘出をすることであり尿道を延長させて男性器に似たものをつけることは必須ではない。
僕は「男性器」というものは元々持ってなかったものだし、子供が生まれる機能、興奮によって、立ったり快感がある機能であれば欲しかったがその機能はなく、外見的にそれっぽいものなら要らないと考えて作る選択はせずに未だに下半身は女のままでいる。
ないものも沢山あるけれど、僕は恵まれている。
男性器もなく男としての機能もない。この状況の自分を卑屈に思った時もあるが、40歳を超えて今思う。それは、
僕は恵まれている
自分らしく働き収入を得られる「居場所」がある。
思ってくれる家族がいる。
認めてくれる人がいる。
十分に恵まれている。
僕たちのような少数派は「人と違う」ことで、どうしても卑屈になってしまいがち。
その気持ちもわかるけど、せっかく一度きりの人生。口角を上げていこう!
40だからわかること
僕は心と体があべこべで生まれてしまったけど、この両親のもとに生まれて良かったと思っている。
僕の存在のせいで、たくさん悩ませてしまったし、この歳になってもまだ心配の種だと思う。「なんで僕ばっかり..」「なんで男に産んでくれなかったの?」と自分に圧し掛かった障害を受け入れられず荒れた時期もあった。
でも、ちゃんと生まれるより、この家に生まれることが優先順位だったんだと今は感じている。
若い頃はこんな風に思える日が来ることなんて想像も出来なかった。性同一性障害を抱えた僕に明るい未来などないと思っていた。
この歳だから見えてくるものが沢山ある。
だから「今」自分の心のこと体のこと。
生き方に悩んでいる人がいたとしても状況は変わる。自分だって変わる。
だから、幸せを探そう。
肝心なモノがなくても大切なモノをたくさん持っている。感謝して笑顔で生きていこう。
※2022.5.21(土)LGBT社会人交流会「BRUSH UP」第8回無事終了。沢山のご参加ありがとうございました!
次回、第9回「BRUSHUP」は2022.6.11(土)名古屋にて開催決定!
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