ら:ライトブルーにあこがれて。
パーソナルカラー診断というものがある。
無料のものを何度か受けたことがあるが、私は「オータム」らしい。
大人っぽい色合いであり、なんだか地味だなと思って、あまり「オータム」ということを素直に喜べなかった。イエローベースなのは確かだが、「スプリング」でなく、「オータム」なのか、と思った。私の好きな色は「スプリング」に多く含まれており、「オータム」だと好きな色ではないかな、と少し敬遠していた。
とはいえ、診断結果に沿ったほうが、かわいくなれるかもと安直に思い、それ以来、メイクや服装、身に着けるものに関して、「オータム」を意識して選んでいた。服・メイクで悩んだ時も「こっちのほうが自分に似合うのかな?」とオータム系の服・メイク道具を集めるようになった。そうしてだんだんと、クローゼットに秋色の服が多くなったが、反比例するかのように、今一つこの服を着たい!と思える服を失っていった。
身に着けるものに関して、どういう判断基準を持つのかは人それぞれだが、私の場合、「似合うもの」を中心に選ぶとどうにも服が着たくないと思ってしまうらしい。「似合うもの」には他人の評価が入っているような気がするし、好きでない場合が多く自信をもって着ることができない。「似合うもの」の中から中途半端に「好きなもの」に近づけようとするから、余計におかしくなってしまう。
我が強い私には、「自分らしいもの」から「似合うといってもらえそうなもの」を探していったほうが、丁度いいらしい。
「オータム」の呪縛から解き放たれてから、本来好きだった「グリーン」や「ライトブルー」のような服も改めて買うようになった。お店の鏡の前で合わせながら「似合ってない?」みたいな疑問が頭によぎりつつも、「きっと似合っていると思ってくれる人もいるだろう~」と軽く考えて、えいっと買ってしまう。
「似合うもの」「好きなもの」論争や「できること」「やりたいこと」論争は終わりを見ない。
他人軸で生きるか、自分軸で生きるか、というのは、そう簡単に判断できることでないし、人生の場面ごとに、自分の軸を変えたほうが要領よく生きられるのではないかと思う。竹馬みたいに、両足でゆっくりバランスをとっていないと、人間そう簡単に生きられない。やりたいことをできることに消化したり、好きなものを似合うものに消化させられたらパーフェクトなのだが、その上級者の道はまだ遠い。
「ライトブルー」の服はまだ上手に着こなせないけど、だんだんと好きな服を似合わせる術を学んで、楽しく生きられる未来を夢見ている。