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「光る君へ」ファンミーティング@NHKホール
今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」、毎回楽しみに見ています。
(どうしても留守にする時は録画したり、土曜日の再放送を見たりしていたので、欠かさずに見ているはず。)
まひろと道長の関係や政(まつりごと)のあれこれ、宮中の行事の様子などに引き込まれたり、
「源氏物語の一節が、こんなふうにドラマの地の物語に生かされるなんて」
と嬉しくなったり。
俳優さんたちの演技も素晴らしく、毎回飽きることがありませんでした。
その「光る君へ」のファンミーティングがあることを知り、
「平日夜か‥」
と一瞬怯んだものの、
「ドラマも12月には終わるのだし、出演者の皆さんと会える機会なんて、
これきりだし・・・」
と申し込み、ありがたいことにチケットを入手することができました(倍率18倍だったとのこと‥)。
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仕事の後に会場へ。
ロビーには撮影セットや、ドラマで使用されていた小道具が展示されていて、見学したり撮影する人たちの長蛇の列ができていました。
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中宮彰子がいらっしゃる藤壺の主座廻りのセットにはあの和歌をあしらった屏風も。
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藤壺の「松藤」の藤は「砂ずりの藤」という名前の通り、大きな花房が重たげに下がっています。
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まひろが初めて道長に源氏物語の原稿を提出した場面で使われた「桐壺」の原稿や「曲水の宴」で登場した羽觴(うしょう)、まひろの衣装などの展示もありました。
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指定された席は3階席でしたが、運良くかなり見晴らしのいいところ。
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流石に肉眼では厳しいなと思っていましたが、ステージには大きなモニターがあり、助かりました。
出演者は、
吉高由里子さん(まひろ・藤式部役)、
柄本佑さん(藤原道長役)、
町田啓太さん(藤原公任役)、
塩野瑛久(一条天皇役)、
見上愛(藤原彰子役)。
そして司会は
ファーストサマーウィカさん(ききょう・清少納言役)と
金田哲さん(藤原斉信役)、
という豪華な顔ぶれ、
もう、楽しみでしかない!
役者さんの登場、特にまひろ役の吉高さんの登場の際は会場から凄まじい拍手。
事前に参加アンケートで「もう一度見たい名場面」や「質問したいこと」を記入していたので、その集計結果の名場面ランキングでは役者さんたちの撮影当時の様子も聞けました。
ランキングのトップ10には最近放映された道長の出家シーンもランクイン。
この場面は撮影三ヶ月頃に柄本さんが
「もし出家するシーンがあるなら自分の髪を伸ばして剃りたい」
と話したところ、それが実現したそうです。
役者さんたちも
「言わなければ、あのシーンなかったかも」
「あっても特殊メークになっていたかも」
と話していて、そうだったんだ、とびっくり。
また、剃髪シーンを撮影する時は柄本さんは自分が剃られている様子を見ることはできないのですが、剃られた髪が手の上に落ちたときに色々なことを感じたとか。
また、剃髪する道具も平安時代の道具を模したものなので剃るのにも時間がかかったと聞き、なるほど、と思いました。
剃る方もやり直しのできない1度きりの勝負の撮影ですから、緊張したでしょうね。
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5位にランクインした打毬(馬に乗って行う球技)のシーンで、公任役の町田さんがこのドラマで初めてアドリブで
「いい試合だったね〜」
などと言ってしまい、平安時代にはそんな言い方はしないので、その部分のセリフは同じ内容のことを平安の言葉に直してアテレコすることになったそうで。
とっさに平安言葉でアドリブなんてできないですよね。
また、4位の「望月の夜」の回の道長が「望月の歌」を詠むシーンで周囲もこの歌を唱和するのですが、何パターンか試したそうです。
立って唱和するパターンは卒業式のコール&レスポンスのようで、道長が卒業生代表みたいでやめた、とのこと。
美しいシーンを撮るには様々な苦労があるのですね。
2位はわたしも投票した源氏物語誕生の場面でまひろに物語のアイディアが降りてくるように色とりどりの紙がひらひらと空から降ってくる印象的な場面。
あの紙はスタッフさんが手動で降らせていたと聞いてびっくりしました。
吉高さんは
「見ていてもワクワクするシーン」
と言いつつ、源氏物語を書き出すと毎回筆を持って物語を書く場面があるのでこの場面では
「やめてくれよー、降ってくるなよー」
と思っていたと笑って話していました。
役者さんたちは様々な番組関連イベントで各地に行っているのですが、柄本さんは宇治が印象的だったそうです。
宇治には道長の別荘があり、晩年を過ごした場所でもあるのですが、
宇治川を挟んで彼岸と此岸、という考え方もあるようで。
柄本さんが宇治川を渡った時、
「本当にあの世とこの世をつなぐ川」
と感じたとのこと。
道長を演じた方だからこそ感じたのでしょうか。
出演者への質問タイムでは
「まひろにとって一番幸せな瞬間は?」
という質問が。
まひろとしての吉高さんの答えは
「(母の)ちやはが亡くなる前の幸せな時間と
書くことに出会えたこと」。
「道長と過ごした時間じゃないんだ」
と意外でもありましたが、
「書くこととの出会いはそれだけ大きなことだったのだな」
と納得。
町田さんは「みやびな話」と聞かれて、(F4と言われる藤原4人衆)はよく集まって庭を見ながら飲み食いしつつ話しているのですが、
「松など植えてあるものが季節によって変わって行くのがみやびだった」
とのこと。
確かにセットも素晴らしかったですよね。
また、一条天皇役の塩野さんには
「御簾で外が見えない中で相手に沿った演技をするのが難しくなかったか」
という質問があったのですが、実は暗い御簾の中から明るい外は見えているのだそうです。
逆に御簾の外にいる人たちからは御簾の中の帝が見えないのだとか。
そのため、リハーサルは御簾なしで行っていたのだそうです。
御簾の中の帝は撮影の合間の皆さんの会話にも入れず
「みんなの目がないから不安になる」
と、なかなか孤独感もあった模様・・・。
そして、まひろの父親役の岸谷五朗さんのビデオメッセージもありました。
出演者の方からは最後に一人一人メッセージがありましたが、とにかく仲の良い、あたたかい現場だったとのこと。
吉高さんも
「愛のある現場だった」
「たくさんの経験をさせてもらった」
「この作品を通して皆さんの人生の関係者になれたのが宝物」
と話していました。
最終回まであと2回、楽しみに見ようと思います。
なお、この日は1時間半ほどのイベントでしたが、45分の番組にまとめたものが
12月14日(土)17:05からNHK総合で、
12月15日(日)10:30からBSで
放送予定とのこと。
興味がおありの方は、ぜひ。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
✳︎それにしても、ファーストサマーウイカさん、司会もお上手でしたが、とにかく面白かった。
清少納言役もピッタリだったなあ‥。
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