英国・ギルフォード大聖堂を見学できなかった理由
わたしは文章を書いているうちに
忘れていたことを思い出すことが良くあります。
1997年に英国で過ごしていたときのことを
書いていても、
すっかり忘れていた記憶が
むくむくとよみがえって
くることもあります。
わたしが当時ホームステイしていた家は
イングランドのサリー州にありました。
その中心都市ギルフォード(Guildford)には
ギルフォード大聖堂という、
20世紀半ばに(1936ー1961)に
建てられた、英国国教会の大聖堂があります。
(写真は大聖堂のホームページからお借りしています)
さっき調べていて知ったのですが、
1976年の映画「オーメン」に登場する
大聖堂が、ここだったそうで。
(わたしは見ていませんが、
「ああ、あそこか!」
と頭に浮かぶ方もいらっしゃるのでしょうね)
「丘の上の大聖堂」などとも紹介されているこの大聖堂、
モダンだけれどもステンドグラスなどが
美しいと知り、
探して行ってみることにしました。
当時はスマホもGoogle mapもなかったので
わたしは英国で人によく道を聞きました。
(わたしが道端で地図を見ていると
よっぽど頼りなく見えたのか、
「この人、わかってなさそうだな」
と声をかけてくださる方も
少なからずいらっしゃいました)
この時は自分で声をかけたのか
かけられたのか忘れたのですが、
ゆっくり歩いていた
買い物帰りらしい高齢の男性に
道を聞くと、
「連れて行ってあげるよ」
というのです。
みるからにゆっくりゆっくり
歩いていらっしゃるし、
お買い物帰りで申し訳ないので
丁重にお断りしようとしたのですが
「いいからいいから」
と言って、お話ししながら
大聖堂まで連れて行ってくださいました。
そこでお礼を言ってお別れしようとすると
「ちょっとお茶を飲んで行かないかい」
と言って、大聖堂のカフェで紅茶を
ご馳走してくださいました。
お一人で暮らしていらっしゃること
若い頃は従軍して
アジアに行ったことがあることなど
様々なお話を伺い、
1時間以上お話ししていたと思います。
気がつくと、もう大聖堂が閉まる時間。
慌てて見学に向かったのですが、
残念ながらもう中に入ることは
できませんでした。
残念ではありましたが、
「まあ、その分、あの方とお話できたから、
よかった」
と思いました。
初めて出会った日本人のわたしに
親切にしてくださった紳士は
「You are such a lovely companion.
(君は本当に素敵な話し相手だ)」
と言ってくださり、別れ際には
うっすら涙ぐんでいたのですから。
その日ホームステイ先に帰宅して
「こんなことがあって・・・」
と話すと、ホストマザーや
オーペア(住み込みのベビーシッター)の女性も
「おじいちゃん、きっと寂しかったのね。」
「ユキが話し相手になってくれて、
嬉しかったんじゃない?」
とニコニコしていました。
その方とは住所も交換したので
わたしがハガキを書いて送ると
「Sapporo, Yukimatsuri。。。」
など、わたしが書いたことを
思い出して書いてくださいました。
何度かのハガキの往復の後
それきりになってしまいましたが、
あの時、話し相手になっていただいて嬉しかったのは
わたしも同じだったのです。
つくづくと、様々な場面で
いろんな方のお世話になっていることを
ありがたいなあと思います。
今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
*「人生よかったカルタ・こども編」
今回は、「ふ」、
「服がよごれてよかった」。
どんな理由でも良いので、
(フィクションでもいいので、)
「よかった」理由を考えて見てくださいね。
わたしの解答例は
「やっぱり好きな服は大事にしよう
と思えたからよかった。」
あなたはどんな「よかった」理由を考えますか?
ぜひ、聞かせてくださいね。