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飲み会のお留守番

先日、夫が言いにくそうに
「今度、学生時代の部活の飲み会があるんだ。
アメリカに住んでる先輩が毎年このくらいの時期に帰国するんだけど、そのタイミングで飲み会するんだよね。」

「え、行けばいいじゃない」
「でも、場所が実家の方だから。
もし出たらその日は実家に泊まることになるからさ。」

彼の実家は横須賀だ。
夜遅くまで久しぶりの飲み会をするなら、そのまま実家に泊まった方がいい。

「えー、いいよいいよ。
せっかくだから行ってくればいいよ。
去年も出てないんでしょ?」

夫は去年の1月下旬に手術を受けた。
一昨年に腫瘍が見つかった時の彼の体重では、麻酔が危険な量になるとのことで、昨年の今頃は彼は絶賛ダイエット中だった。

飲み会は全て欠席し、とにかく節制した生活をしていた。

「うん‥でも、1人にしちゃうからさ。」

ああ、それを気にしてくれてたのか。

「大丈夫、気にしないで。
せっかくだもの、楽しんでくるといいよ。」

わたしがそういうと、夫はほっとした顔で
「じゃあ、お言葉に甘えて言ってこようかな。」

夫は、わたしがあまり1人で出歩いたり、友達と会わないことを気にしていて、
「僕ばっかり出歩いてるみたいで、申し訳ない」
のだそうだ。

わたしは彼が友達付き合いを大切にしているのはいいことだと思うし、彼が周りの方に愛されているのが嬉しい。

今日の夕方出かける彼には、わたしから彼の実家へのお土産を預けた。

「楽しんできてね。
お母さんと弟さんによろしくね」
と夫を送り出した後は、勉強しながらお風呂にお湯を張り、ゆっくり湯船に浸かった。

夕飯は録画していた番組を見ながら、残り物で済ませた。

たまにはこんな日もあっていい。

彼は2年ぶりに会ったお友達と、どんな話をしているんだろう。
楽しんできてほしいな。

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櫻木 由紀 Yuki Sakuragi
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