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そもそもフォニックスって何故そんなに大事なの?

こんにちは。Little Readers Clubという屋号で活動しているユウキです。

大変今更ながら、フォニックスが何故そんなに重要なのか?を記事にすることをすっかり飛ばしてしまっていました💦

今回は、最近日本でも良く聞くようになった「フォニックス」について、ご紹介したいと思います。


フォニックスの基本

フォニックスとは、英語の文字(アルファベット)と音の関係を体系的に学ぶ方法です。文字を見て音を予測し、音を聞いて文字を予測する能力を養う学習法です。

英語には26文字のアルファベットがありますが、実際の発音は40以上もあります。これは、文字の組み合わせによって音が変化するためです。
日本語は「あ」と書いていれば「あ」としか読まず、また、「あ」という音も一種類しかありませんが、英語には過去の投稿にも記したように、「a」にも複数の音があり、且つ連続する子音や母音の影響で音が変化します。

これが、英語学習者が英語を難しく感じる特徴の1つです。
フォニックスは、この複雑な関係を整理し、効率的に学べるようにした方法なのです。

英単語にはルール外の単語もありますので、どうしても暗記せざるを得ない場面が出てきますが、基礎単語の7-8割をカバーすると言われていますから、小学生や中学生の間にフォニックスを習うことの意義は大きいです。

フォニックスの重要性

1. 確実な読み書きの基礎を築ける

フォニックスが重要なのは、英語の読み書きの基礎を確実に築けることです。文字と音の関係を理解することで、初めて見る単語でも正確な発音で読めるようになります。例えば、「cat」という単語を見たとき、フォニックスを学んでいれば、/k/+/æ/+/t/と音を組み合わせて読むことができます。これは、英語の読解力を大きく向上させる鍵となります。

2. 自信につながる

フォニックスを学ぶと、新しい単語に出会ったときも、音を手がかりに読み方を推測できます。この能力は、英語学習に対する自信につながります。「わからない」から「なんとなく読める」に変わるのです。

出典を失念しましたが、中学校で英語につまづく子どもには、「①英単語の読み方を授業で習っても忘れてしまう→②忘れてしまったから家で自習できない→③次の授業からついていけない」という負のスパイラルが存在するようです。

3. スペリング力の向上

フォニックスは読む力だけでなく、書く力も養います。音と文字の関係を理解することで、正しいスペリングを覚えやすくなります。

フォニックスの学び方

フォニックスの学習は、通常以下のような順序で進みます:

  1. アルファベットのフォニックス音(A→ア、等)を学ぶ(この時に、アルファベット音(A→エイ、等)と大文字・小文字をワークシートなどで学習すると効率がいい)
    ※英国で有名な Jolly Phonicsでは発音しやすい順に以下画像の通りに教えていきます

  2. 音のブレンディング、セグメンティングを学ぶ
    ブレンディング:個々の音を組み合わせて単語を形成することを指します。例えば、/k/, /æ/, /t/ という音を聞いて「cat」という単語を認識する能力です。
    セグメンティング:ブレンディングとは逆の過程で、単語を個々の音に分解する過程です。例えば、「cat」という単語を /k/, /æ/, /t/ という3つの音に分けることを指します。

  3. 2連続音、3連続音、Magic Eなどのより複雑な音のパターンを学ぶ
    Magic E:単語末のeが直前の母音の発音を変えるルールです。例えば、「bit」→「bite」で/ɪ/が/aɪ/に変化します。

  4. サイトワードを学ぶ
    頻出単語でフォニックスルールに当てはまらない単語を学びます。これがスムーズなリーディングにとって、とても重要だと言われています。

この順序に沿って学ぶことで、徐々に複雑な単語も読めるようになっていきます。

(出典:https://www.jollylearning.co.uk/jolly-phonics/)

フォニックスの実践例

実際にフォニックスを使って単語を読む例を見てみましょう。

  • 「cat」→ /k/ + /æ/ + /t/

  • 「dog」→ /d/ + /ɒ/ + /g/

  • 「ship」→ /ʃ/ + /ɪ/ + /p/

これらの例からわかるように、フォニックスを使うと、単語を音の要素に分解して読むことができます。

フォニックスの課題

1. 例外がある

英語には例外的な発音の単語が多くあります。例えば:
「love」→ ルール通りなら /loʊv/ と読むが、実際は /lʌv/ 。
「one」→ ルール通りなら /əʊn/ と読むが、、実際は /wʌn/ 。

2.「学習」っぽい

フォニックスは幼児期から学ぶ必要のあるものですが、どうしても勉強感が強く、幼児が興味を示さない可能性があります。

ここに注目したのがJolly Phonicsで、子どもたちが体を動かして、ストーリーを学びながら体感でフォニックスを学べるように工夫されています。
このYouTubeチャンネルなどを参考にされるといいかと思います。

※Jolly Phonicsは英国で開発されたものなので、Jolly Phonicsを教える動画は英国英語が多いかもしれません。

3.本当の意味での「リーディング」には不十分
過去投稿をご参照ください。

日本の英語教育とフォニックス

日本の英語教育においても、フォニックスの重要性が認識されつつあります。
文部科学省が公開している英語教育に関するビデオでは、アルファベットのフォニックス読みの重要性が言及されています

以下埋め込み動画の21分あたりで、直山視学官が、英語の読み書きを習得するうえで、以下の2点が重要と述べています。

①英単語を「かたまり」として認識できること
②英語にはアルファベット名称以外の「音」があると理解できること

②についてはまさにフォニックスのことですが、小学校ではフォニックスの指導はされていないという認識です(一部自治体では導入している様子?)。
文部科学省は重要性を認識しているけれども、その指導方法を先生方に指導しておらず、導入されていない?
私は子どもがまだ低学年なので、小学校英語の実態が良く分かりません・・・。どなたか分かる方がいれば、ぜひ教えてほしいです💦

まとめ

フォニックスは、英語の読み書きの基礎を築く強力なツールです。文字と音の関係を体系的に学ぶことで、英語学習の効率を大きく高めることができます。
日本の英語教育でも、フォニックスの重要性が認識されつつありますが、まだ広く普及しているとは言えません。今後、より多くの教育現場でフォニックスが取り入れられることで、日本の英語教育がさらに充実することを期待しています。

英語学習に悩んでいる方、お子さんの英語教育に関心がある方は、決して難しくないので、ぜひフォニックスについて詳しく調べてみてください。

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