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日本での英語教育のハードルの高さ・・・誤った3つの思い込み
こんにちは!ユウキです。
私は、英語圏で広く実施される「ガイデッド・リーディング(Guided Reading)」という、絵本を使った英語のリーディングの指導法を日本での教育に取り入れるべく活動を行っています。
多くの保護者のみなさまと会話する中で、英語教育のハードルの高さをひしひしと感じることがあります。そして、それはまざまな誤解や思い込みから来ているのでは・・・と思うこともあります。
勿論、何でもそうですが、完璧にマスターするのであればそのハードルは高いです。例えばプロのピアニストとして大成することを目指すのであれば、幼少期からそれ相応の教育が必要でしょう。
英語にしても、ネイティブスピーカーを目指すのであれば、幼少期からの留学やインターナショナルスクールへの入学などが必要になるかもしれません(←この点については、決してネイティブを目指さなくとも良いという記事を書きました)。
多くの人にとって、英語教育のハードルは本来高いものではないのですが、誤った認識により過度に上がっているのであれば、このハードルを下げたいと思っています。何故なら、高い(と誤認されている)ハードルが、英語教育の家庭間や地域間の格差として表れてしまうのではないかと危惧しているからです。
今回は、英語教育に関する3つのありがちな誤解について考え、私なりの意見をお伝えしたいと思います。
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1. ネイティブスピーカーから教わるべきという思い込み
「英語はネイティブスピーカーから学ばなければならない」と考える方が多いですが、これは必ずしも正しいとは言えません。重要なのは「英語の何を習うの?」という点です。
確かに、ある程度英語が分かっている学習者であれば、スピーキング力強化のためにネイティブスピーカーとの英会話を習うことは有益です。自分の表現力や発音を改善できるからです。
しかし、もしほぼ何のインプットもしていないのであれば、ネイティブから英会話を習うことの効果は激減するでしょう。学習者が、相手が何を言っているのか理解できないからです。
こういう私も小さいころに英会話教室に通ったことがありますが、覚えている単語は一つもありません。唯一の思い出は、「ひよこ」をChicken babyと表現してアメリカ人の先生に笑われたことくらいです。。
反対に、日本人の教師の方にもできることが多くあります。特に私が推進している、リーディングの指導であれば、むしろ日本人の英語教師の方が向いているとすら思います。
学習者の母国語である日本語を理解しているため、文法や表現の違いを効果的に説明できる。
日本人特有の英語学習上の課題を理解し、適切なアドバイスができる。
自身も英語学習者として成功した経験があり、効果的な学習方法を共有できる。
英文の「深み」を日本語で理解し、伝えることができる。
ネイティブスピーカーと日本人教師、それぞれの長所を活かしたバランスの取れた学習が理想的です。重要なのは、教師の国籍ではなく、その指導力と経験です。
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2. 高額でないと英語は身に付かないという思い込み
高額な英会話スクールや留学プログラム 、海外移住やインター通いが英語習得の近道だと考える方は少なくありません。
確かに、英語環境に身を置くことは言語習得に大きな効果があります(短期留学などは、参加者全員が日本人だったりもするため、一概には言えませんが、、)。しかし、これらの選択肢は多くの家庭にとって、残念ながら現実的ではありません。
また、お金をかければ必ずしも英語が上達する訳でもありません。英語習得に不可欠な要素は以下の通りで、これは決して高額な投資を必要としません。
英語学習への尽きない興味(一番重要!)
強い動機付けと目標設定
自分に合う学習方法で、継続的に学習すること
本やオンライン教材/アプリなどを活用して、日常生活の中で英語に触れる機会を増やすことで、効果的な英語学習につなげることもできます。反対に、インターに通っていたのに、発音だけは良いものの中途半端な英語を話す子どもは残念ながら実際に存在します。
重要なのは、自分に合った学習方法を見つけ、継続的に取り組むことです。自主的な学習習慣を身につけることが長期的な語学力の向上につながります。
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3. 幼少期から始めていないと遅いという思い込み
「言語習得には臨界期がある」という考えから、英語学習は早ければ早いほど良いと考える人が多いです。確かに、幼少期からの英語教育には利点があります。しかし、幼少期を過ぎてからの英語学習が「遅すぎる」ということはありません。ある程度の年齢を経た後の学習には、以下のような利点があります。
母国語として日本語を理解しているため、その知識を活かした効率的な学習が可能
明確な目標設定と強い動機付けがある
自己管理能力が高く、計画的な学習が可能
実際、こちらの投稿で記載したように、私も英語を本格的に勉強し始めたのは高校を過ぎてからですが、世界トップレベルの英国大学大学院(LSE)で修士号を取得していますし、イギリスで仕事もしておりました。
この程度なら、高校以降のスタートでも十分です。
勿論、幼少期だからこそ得られる能力(特に音の違いを聞き分けるリスニング力)は得ていません。従い、私には例えばCoal / Callの違いを通常のスピードの会話で聞き分けるのは至難の業で、耳をすませないと聞き取れません。
しかし、世界には圧倒的に非ネイティブの方が多い中で、この違いを聞き分けられないために仕事や生活に支障が出るということはありません。
まとめ
多くの保護者の方と話す中で、英語教育に対する「特別感」もしくは「見えない敵感」=ハードルを感じることが多々ありますが(特に英語で苦労した保護者の方の場合)、それらはもしかしたら幻想かもよ、、?という視点で書きました。
これらの誤解を解くことで、多くの人々にとって英語学習のハードルを下げることができれば、お子さまにとっても保護者のみなさまにとっても英語がもっと身近な存在になるのではないかと期待しています。
お子さま・保護者さま自身のペースで楽しみながら英語を学んでいくことこそが、ネイティブに習うこと / 高額の費用をかけること / 幼少期からスタートすることよりも、最も効果的な学習方法であると信じています。