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祈りの音楽・あたたかな光に包まれて【クラシックピアノを聴いて感性を磨く】


こんにちは!yukiです。

今日は、
「クラシックピアノを聴いて感性を磨く」
シリーズの8回目です。

クラシックに馴染みのない方も、
気軽に楽しめるように書いていきます!

今回のテーマは、
「祈りの音楽」です。

バッハの、
心が透き通っていくような
素敵な作品
を紹介しますね。

楽しんでいただけますように!


アリア


さっそく、聴いてみましょう。

J.S.バッハ作曲、
《ゴルトベルク変奏曲》より、
「アリア」です。


透明感がすごいですよね!

教会のステンドグラスからさしこむ光や、
祈りの姿が目に浮かぶよう。

個人的には、
朝にぴったりだと思っています。

あたたかみと幸福感に
溢れていますよね。


今でこそピアノで弾かれますが、
もともとチェンバロのために作られた作品。

チェンバロの演奏は、やはり素敵です。



このnoteでは、これまで、
「実在する何かを題材にした作品」
を紹介してきました。

一方、この「アリア」は、
実在するもの・しないものを含んだ、
大きなハートを持った音楽です。

極めてシンプルで洗練されており、
いつでもどんな時にも寄り添ってくれる。

無人島に1曲だけ持っていくとしたら、
僕は迷わずこの曲です!笑



「アリア」とは、
超簡単に言ってしまうと、
“独唱するような楽曲”のことです。

超有名なアリアは色々あります。

J.S.バッハの「G線上のアリア」、




モーツァルトの『魔笛』から、
「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」。
「夜の女王のアリア」ともいわれます。

1分くらい聴くと「あ!これか!」ってなるかと!





フィギュアスケートでよく使われている、
プッチーニ『トゥーランドット』の
「誰も寝てはならぬ」も、アリアです。

パヴァロッティ↑、
かっこよすぎ…ラストやばいですね…


バッハから
だいぶズレてしまいました汗

戻りますね!

バッハの多面性


J.S.バッハは、略さないと、

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ

です。

なぜイニシャルがついているかというと、
彼の息子たちもまた、
音楽家として活躍したから。

W.F.バッハは、
ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ。

C.P.E.バッハは、
カール・フィーリップ・エマヌエル・バッハ。

などなど…

J.S.バッハ(以下、バッハとします)は
「音楽の父」と呼ばれ、
ほとんど神格化されていますが、
20人も子どもがいるビッグダディでもありました。

性格は、情熱的かつ挑戦的

自分の信念のためなら
権力者にも反発していくタイプでした。

1か月、仕事の休暇をとって旅に出て、
それを勝手に4か月に延長する自由奔放さも。
(普通にクビですよね笑)


教会で神に捧げるための音楽を
メインに作曲したバッハでしたが、
今回の『ゴルトベルク変奏曲』
ちょっと異なります。

宗教的ではあるのですが、
やや軽めな雰囲気なんですよね。

この作品は、

「毎晩眠れなくて辛い〜」

不眠症に悩む貴族が眠れるように
作曲したといわれています。

つまり!
催眠効果がある…かも。

寝てられないほど
素晴らしい曲ですが…笑


“繰り返し”の指示に従って弾くと、
1時間をゆうに超える巨大な作品です。

構成は、先ほどの「アリア」と、
30の変奏曲(1つのテーマを変化させていく曲)。

「アリア」は、
作品の冒頭と最後に置かれています。

つまり、
「アリア」から始まって、
「アリア」で終わるということです。

なんだか象徴的ですよね。

バッハは、
作品構成にも象徴的な意味合い
含めるような人でした。

『ゴルトベルク変奏曲』も例外ではありません。

けっこうマニアックですが、
例として書いておくと、

30の変奏曲は、
3曲ごとにセットになっていて、
3の倍数に「カノン」が置かれています。

カノンとは、「かえるの歌」みたいに、
同じ旋律をズラして歌うものです。

西洋音楽でのカノンは、
“厳格さ”や“法”の象徴。

3×3×3=27曲目でカノンは終わります。

作品全体で、
3曲×10セットに分割できると同時に、
10曲×3セットというグループや、
15曲×2セットというグループでも、
意味が生まれるように作られています。

「なぜ、3なの?」

というところですが、
「3」がキリスト教において
神聖な数字だからです。

つまり、三位一体さんみいったいの3ですね。

三位一体とは、

  1. 父である神

  2. 神の子であるイエス・キリスト

  3. 聖霊

の三つが一体であるという考え方です。


うーん、
普通に聴いても気づきにくいところに
仕掛けを施すのがすごいですよね。

ただでさえ作曲は大変なのに…

こういった要素は、
あくまで“神様に捧げるため”
だったのでしょうか。

ちなみに、ジャズミュージシャン
バッハを好きな方は多いらしいです。

ジャズピアニストの上原ひろみさんも、
バッハが好きでよく弾かれるのだそう。

コルトレーンのソロも、
ゆっくりにするとバッハっぽいと
言われています。

・・・キリがないので、今日はこの辺で!笑

心を落ち着かせたいときや、
気持ちの良い朝などに、
ぜひ今回の「アリア」を流してみてくださいね。




最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

それでは、今日も良い1日を!



(今回のカバー写真は、
 ウクライナ・キーウの教会でした。
 平和が訪れますように…)



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