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第170回 “ビジネスの素人”“お金の素人”は、50万円を渋ったせいで、入ってくるハズだった100万円を捨ててしまっていることに気づかない

相場を知らない素人同士の仕事は、予算をすごい勢いで溶かす!

西野亮廣が「プロはお金がかかる。自分でやればタダ」という考えを持つ大多数を一刀両断!

今日は【『自分がやればタダ』という考えを捨てなさい。】です。


素人同士で仕事をすると、結果的に事故が多発して高くつく

密着ドキュメンタリー『BackStory』で公演の裏側(上手くいっていないところも含む)を流すと、お客さんから本当にたくさんのご意見やアドバイスなどを頂戴するのですが、ことビジネス回りの話になるとビックリするぐらい的外れなご意見(というか思考)に出くわします。

中でも最新話の「プペルバレエ回」で、それが目立ちまして…動画の中で僕が言った「興行を打つならキチンとプロを入れてください」というコメントに対して、「いやいや、お金が無いからプロを雇えないんでしょ」という意見がありました。

もしかしたら、そのコメント通り、プペルバレエの代表の関さんもそう考えておられたかもしれないし、この記事の読者さんの中にも「プロはお金がかかる。自分でやればタダ」という考えをお持ちの方が結構いらっしゃると思うのですが、これはビジネスの捉え方というか、お金の使い方が根元から間違っています。

まず、素人同士で仕事をしてしまうと、そもそも「モノの相場」を知らないので、予算をものすごい勢いで溶かしちゃう…というのが一点。

「そこにそんなお金をかけなくても、Aと同じ効果は、Aよりも半分の値段のBで出せます」ということだらけで、これは【センス】で割り出せる答えじゃなくて、【経験値】で割り出せる答えです。

僕ら去年の幕張メッセのイベントは1億6000万円ぐらいで作ったのですが、あれ、普通の人が作ると、どれだけ少なく見積もっても3億円はすると思います。

僕らは安く頼めるところを知っているし、その繋がりも持っているし、予算の正しい削りかたを知っているし、何より、かぎられた予算の中で演出効果を最大化させる知識を持っていますが、素人はこれら全てを持ち合わせていない。

これは全ての会社の社長さんや役員レベルの人が今ごろ首を縦にブンブン振っておられる内容になるのですが、会社でも、お金を勢いよく溶かすのは社長や役員レベルの人間ではなく、まだ社会を知らない(相見積もりの経験もない)新卒の子達です。

節約に命を燃やしている専業主婦からすると信じられないかもしれませんが、プロの経営者から見た専業主婦というのは「無駄遣いの激しい人」であり、「お金を溶かしていることに気がついていない人」です。

ていうか、働いて稼いだお金を銀行に預けている時点で、財産の全てを日本円に投資しているわけですから、日本人の99%は投資に失敗して、お金を溶かしています。

そして、自分達が投資をしていることにも、投資に失敗してお金を溶かしていることにも気がついていません。

これが素人です。

少し観点を変えて話すと、「お金でたくさん失敗した(損をこいた)人の経験を、お金で買って、大事故を回避する」んです。

「その方法、僕も以前試しましたけど、メチャクチャ事故りました」という経験談を貰うんです。

そして、そっちには進まない。

素人はこれをやらないので、「素人同士で興行を打つと結果的に事故が多発して高くつく」というのが現実です。

「損して得取れ」ができず、「安物買いの銭失い」を繰り返す

次に、素人は「お金を作ってくれる人(プロ)をお金で買う」という発想がゴッソリと抜け落ちている。

要するに「月に150万円作ってくれる人を、月に50万円で雇えばいいじゃん」という話なんですけども、この50万円を出すことを渋ったせいで、「入ってくるハズだった100万円」を捨ててしまっている。

そして、その100万円は元々手元になかった100万円なので、これまた「失った自覚」や、「100万円を溶かしてしまった」という罪の意識を持てない。

「0が0になったんだから、プラマイ0でしょ?」という絶望的な算数をしてしまう。

ここから、すごく有料級の話をします。

朝からおめでとうございます。

「お金を作ってくれる人をお金で買う」という考え方は、チームでクラウドファンディングをやる場合などにその効果が顕著に出ます。

たとえば、クラウドファンディングをやったことがない素人同士でクラウドファンディングをすると、リターンの設計のミスもさることながら(ここでもお金と時間を溶かしまくる!)、そもそも「クラウドファンディングをやったことがない素人」のまわりには「クラウドファンディングにログインしている人」が少ないので支援の集まりが悪い…というのがある。

さらには、「クラウドファンディングで高額の支援をしてくれるのは、どの属性の人か?」という問題があって、皆さん、お察しのとおり「経営者層」なんですね。

ここでお聞きしたいのですが、「経営者の知り合い」って、そんなにいます?

まぁ、ほとんどの人が「いない」というか、そもそも「どこで出会うか分からん」といったところだと思います。

ただ、現在、お金で買うかどうか検討している「お金を作ってくれる人」のまわりには経営者が結構いるんですね。

劇団員だけでクラウドファンディングをやっても、高額の支援は集まらないんです。

なぜなら劇団員の知り合いに経営者がいないからです。

だから劇団の代表に「チームにビジネスマンを入れなさい」と言っているんです。

その人がもたらす二次三次の影響まで考えなきゃいけない。

ていうか、この分野の話に関しては、素人が千人、万人集まって話し合って答えを出したところで、脳内お花畑の机上論理想論で終わりなので、少なくとも2024年においては「西野亮廣のアドバイスをそのまま聞く」が正解です。

僕は経験でしか語っていないので。

ちなみに、ブロードウェイでは「投資家(数億円を出してくれる人)を引っ張ってきてくれるスタッフを月額数百万円で雇う」ということをやっていたりします。

ビジネスリテラシーが低い人は、総じて「損して得取れ」ができていなくて、そのかわりに「安物買いの銭失い」を繰り返しているので、貧しくなる一方です。

興行を打つ場合はキチンと興行の知識があるプロを入れることが大切です。

宣伝になっちゃいますが、CHIMNEY TOWNは「CHIMNEYイベントサポート」というのと「クラファンサポート」というサービスをやっているので、気が向いた時にご活用ください。
※こちら

結果的にメッチャやすくつきます。

西野亮廣

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