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第78回 会社の悩みって、9割が「集客」「売上」に関することですが…

新規事業での一発逆転、その前に「ちょっと待った」

今日は、地味で面白くなくて、だけど大切な話をさせていただきます。

「そんなことは言われなくても分かってるよ」というような内容です。

僕『ニシノコンサル』と称して会社のコンサルなんかをやらせていただいているんです。

「西野の分際で何を」という話なのですが、でもまぁ、需要があるので毎月10社ぐらい、年間120社ぐらいのコンサルをヌケヌケとやらせていただいております。

会社の悩みの9割が「集客」「売上」に関することなんですけども、年間120社も見ていたら結構同じような躓き方をしていることが分かってくるんですね。

まず「あるある」でいうと「デザインが糞ダサイ」というミス

デザインが糞ダサイというか、本人的には経費削減のつもりで「社長自らホームページやパッケージのデザインをしてしまっている」というパターン。

あるいは売れていない友達のデザイナーに頼んでしまっているパターン。

「社長が自分でデザインする」は勿論論外で、加えて「売れていない友達のデザイナーに友達価格でお願いする」も論外

で、これはやっぱり厳しいようですが、売れていないデザイナーには売れていない理由があるわけで、キチンと売れないものをデザインしてくるんですね。

そうして売れないパッケージを作っちゃうから「販売コストがベラボーにかかっちゃって、首が回らなくなる」という地獄モードに突入しているパターンが少なくありません。

「ダサイはお金を溶かす」と覚えておいた方がいいと思います。

たぶん、こう聴いて、ギクッとしている経営者さんが結構いると思います。

しかし今日皆さんにお話ししたい「地味で面白くなくて、だけど大切な話」は、これじゃなくて…

もっとツマラナイ話なんですけども、コロナで経営が傾いた会社って少なくないんですね。

僕ら(CHIMNEY TOWN)も飄々とやっているようですが、

それこそ新作歌舞伎『プペル~天明の護美人間~』なんかは公演中止になりましたし、デカ箱でやるイベントに関しては客席制限がかかっていましたし、『映画 えんとつ町のプペル』の公開の時なんかは「コロナが流行っているから、夜8時か9時以降の映画館の営業は中止」という謎規制がかかって(あれは一体、なんだったの?)

平日は壊滅的な状況だったわけで、コロナの打撃は勿論受けたんですね。

エンタメ業界も本当に大変だったんです。

旅行業も、ニュースでは「今、かなり回復してきている」と報じられていますし、実際、外国人観光客の方も本当に戻ってきて、場所によっては盛り上がっていますが、それって少人数の旅行がほとんどで、「団体客向けのサービス」を展開していた会社さんとかは、まだまだ苦労が続いていたりします。

メインの収益源が打撃を受けて、「どげんかせんといかん」ということで、新規事業助成金なんかを利用して新規事業を立ち上げて「一発逆転」を狙う会社さんも少なくないのですが、その気持ちは死ぬほど分かりますが、その前に

「ちょっと待った」なんです。

追い込まれた時は「ランニングコストをトコトン見直す」

僕は、これまで本当にいろんな事業を立ち上げてきましたし、サロンメンバーさんは更にご存知だと思いますが、今も尚「次はコレにチャレンジしま〜す」みたいな感じでポコポコとスタートさせています。

というか、「そのスピードで新しい事業を立ち上げているから、オンラインサロンが続いている」というのもありますよね。

なので、自分にとっては「新規事業の立ち上げ」というのは、すごく身近なものなんですけども、新しいプロジェクトって、大体最初は上手くいかないんですよ(笑)。

今、軌道に乗っているプロジェクトって「ねばり勝ち」みたいなものがほとんどで、改善して改善して改善して、ようやく形になったものばかりです。

それには、当然、改善して改善して改善するだけの体力が必要なんですね。

具体的にいうと、モノになるまで持ち堪えるだけの会社の軍資金です。なので、新規事業の立ち上げは「余裕がある時」にやっています。

逆に、追い込まれた時にやるのは「新規事業の立ち上げ」じゃなくて、「ランニングコストをトコトン見直す」という作業です。

個人の場合だと「生活コストの見直し」です。

めちゃくちゃ分かりやすいけど「生活レベルを下げる」というのは、意外と皆できないんですね。「家賃の見直し」とか。

部屋の広さが本当にそれぐらい必要か? 
本当にそこに住まなきゃ、本当にそこに会社がなきゃダメ?

見栄やプライドが邪魔している場合があって、そこで毎月5万円削ることができれば年間60万円の利益は出るわけじゃない?

600万円の借金があったとしても、たった「家」や「オフィス」を引っ越しするだけで10年ローンで確実に返せるわけでしょ。

新規事業を立ち上げて、スマッシュヒットさせるよりも、遙かに確実です。

なんでこんなことを言っているかというと年間120社を見させていただいている中で、追い込まれて新規事業を立ち上げている会社のほとんどがランニングコストの見直しが甘いんです。

「ココを削っても、あなたの会社のパフォーマンスは変わらないのに、なんでココを削らないの?」というのが多いんです。

新規事業の立ち上げを否定しているわけじゃなくて、「優先順位が違うぞ」という話をしています。

頭の悪い人って、借金を博打で返そうとするじゃないですか?
それに近いことを経営者がやっちゃってるパターンが少なくない。

なので、つまんない結論で申し訳ないですが、今、ちょっと厳しい環境にある方は「借金は一気に返そうとしない」「見栄を捨てて、ランニングコストを見直す」ということを徹底されるといいと思います。

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西野亮廣

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