第179回 「今いる“村(=場所)”から動けない」はリスク。今いる“村”がずっと存続する保証なんて1つもないし、「よその“村”の文化(テクノロジー)と掛け算できない」というのはキビシイ!
お前誰やねん?という「よそ者状態」は、若いうちに経験しておけ!
西野亮廣製作総指揮。コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』が、アカデミー賞ノミネートを待つ!
今日は【よその村に入る力】です。
今回もまた「ゼロからのコミュニケーション」
コマ撮り短編映画『ボトルジョージ』が第97回アカデミー賞の短編アニメーション部門のショートリスト(15作品)に選出されまして、先日は堤監督がロサンゼルスで関係者向けの試写会に参加してくださって、かくいう私も、関係者の方々へのご挨拶を兼ねてニューヨークに行ってきました。
※米アカデミー賞ノミネートの発表は日本時間の【2025年1月24日22時半~】です(LAの大火事の影響でノミネートの発表が延期になりました)。こちらのチャンネルで発表されます。
ミュージカル『えんとつ町のプペル』の顔合わせミーティングがニューヨークで入っていたので、ちょうど良いタイミングでした。
さて。
それにしても(関係者の方々へのご挨拶も何も)、向こうからすると「お前、誰やねん」なわけで、今回もまた「ゼロからのコミュニケーション」になります。
あらためて自分の活動を振り返ってみると、キングコング西野亮廣の活動というのは、
芸人から絵本作家コミュニティーに顔を出して、
その数年後に、起業家コミュニティーに顔を出して、
その数年後にアニメーションコミュニティーに顔を出して、
その数年後に日本のミュージカルコミュニティーに顔を出して、
その数年後にブロードウェイコミュニティーに顔を出して、
その数年後が今回です。
自分でもビックリするぐらい「ゼロからのコミュニケーション」の連続で、たぶん、転校を繰り返している子って、こんな気持ちなんだと勝手に思っています。
どの現場に行っても「お邪魔してる感」があって、「ホーム」のようなものは無く、「なんか、すんません」を繰り返しているんですけども…まぁ、居心地はあまり良くないし、お邪魔する先で「俺たち若い時からずっと一緒にやっている仲間なんだよ」みたいな関係を見た時なんかはすっごく羨ましくなったりもします。
1度目がブロードウェイ村だったら…
ただ、こうして振り返ってみると、おかげ様で「転校生の強み」は身についている気がします。
それこそブロードウェイ村に入るのって、コミュ力(懐に入る力)が異常に高くないと難しいはずで、1度目の転向がブロードウェイ村だったら、たぶん上手く行ってなかった。
想像してみてください。
1度も引っ越したことがなくて、1度も転職をしたことがない40代男性が、いきなりニューヨーク・ブロードウェイのコミュニティーの中に入り込むのって、どう考えたって無理ゲーです(笑)
言語が違うだけじゃなくて、文化もルールもノリも何もかも違う上に、どこかで「日本人に何ができんの?」と思われている。
初手でココはハードモードすぎるでしょ。
でも、ここに来るまでに僕は、
絵本業界の人に「お前に何ができるの?」と思われ、
起業家コミュニティーに「お前に何ができるの?」と思われ、
スタジオ4℃の皆さんに「大丈夫っすか?」と思われ、
日本のミュージカル業界の人に「芸人でしょ? ミュージカルとか作れないでしょ?」と思われ、
その先々で生き延びる為に、「1つずつ疑いを晴らしていく」という作業をしてきたので、
ブロードウェイ村でもそれをやればいいし、今回もそれをやればいいだけ。
これまで繰り返してきた「疑いを晴らす作業」は確かに手間だし、毎回胃が痛くなるような思いもします。
でも、振り返ると、それが自分の強みになっているのは間違いないんですよね。
常に「よそ者」であることで、常に“ゼロからのスタート”を繰り返してきたことで、「どうやって信頼を築き、成果を出すか」の型が自分の中でできている気がします。
おかげで、今となっては「ゼロからスタートする不安」よりも、「どうやって信頼を得てやろうかしら?」というポジティブな感覚の方が強いです。
早いうちに「全然違う村に入る訓練」をした方がいい
僕の場合は狙ってこうなったわけじゃなくて、流れに身を任せていたらこうなっちゃったパターンなので、あまり偉そうなことは言えませんが、ただ、自分のまわりの人達を見ていると思うのが、なるべく早いうちに「全然違う村に入る訓練」だけはしておいた方がいいかもしれません。
年齢を重ねてからだと、これ、絶対に無理なんで。
アラフィフになってくると…いや、もうアラフォーあたりで、「それまで動いていなかった人」は今いる場所から動けなくなっています。
理由は「怖いから」です。
イイ歳になってくると、ココから新たに「なかなか仲間に入れない経験」をするのが皆怖くなっちゃうんです。
「自分の村から動けない」というのは本当にリスクで、今いる村がずっと存続する保証なんて1つもないし、「よその村の文化(テクノロジー)と掛け算できない」というのは結構キビシイ。
2025年は始まったばかりですから、なんなら今年の目標を「1回、よその村に行ってみる」「1回、知らない土地に行ってみる」とするのも良いかもしれません。
手も足も出ない経験はなるべく若いうちにしておくことをオススメします。
いつも応援ありがとうございます!
西野亮廣
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