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第112回 「売るべきではない商品」を商品棚から外して、世界観を統一していかないと、ブランドにはなりえない。「なんでも屋」はブランドにはならない。
どの業界も、今は「単価を上げる努力」が必須! 「ブランド作り」に大切なこととは?
今日は『“煙突掃除屋の”グッズショップを作る』というテーマでお話ししたいと思います。
「おみやげ」を狙え
売れっ子絵本作家への道を模索していた頃、最初にバチコンと決まった打ち手は「おみやげとしての絵本」でした。
絵本を「絵本」として届けようとすると、なかなか届かなかった(売れなかった)のですが、どっこい、『西野亮廣絵本原画展』や『えんとつ町のプペル 光る絵本展』の「おみやげ」として販売した時に、そりゃあもう飛ぶように売れたんです。
この「おみやげ戦略」は、テレビから軸足を抜いてから始めた活動の最初の成功体験でした。
最近だと、元インターン生で、僕の高校の後輩でもある「モリゴン」が『西野亮廣講演会』の公演後にCHIMNEY COFFEEのカフェオレベースを“おみやげ”として販売しており、大きな成果を出しております。
これもコーヒーを「コーヒー」として販売するのではなく、「講演会のおみやげ」として販売する「おみやげ戦略」で、ここはCHIMNEY TOWNのスタッフおよび講演会の主催者さんはキチンと向き合った方が良いと思います。
#僕ならビジネス書を出版社から8掛けで買って講演会ロビーで販売する
僕としては社内の人間が勝とうが、社外の人間が勝とうが、どっちでも構いません。
ヤル気がある人を応援するだけです。
ブランドを作る
最近は「グッズ開発」に充てる時間が少し増えてきました。
理由はやはり『えんとつ町の踊るハロウィンナイト@幕張メッセ』で、「一つの世界観に9000人が集まるというインパクトを無駄にしてなるものか!」とスタッフ一同、鼻息を荒くしております。
#手持ち提灯とかさ
【えんとつ町の踊るハロウィンナイト公式グッズ】
商魂たくましいバンドザウルスも、ここを商機として捉えていて、現在、『ジャングルカチューシャ』と『ジャングルリーフ』と『ジャングルTシャツ(糞ダセーやつ)』の3つのグッズを開発中で、来週放送の『毎週キングコング』の西野に着させて、宣伝する予定です。
#商機に確実に噛みつくザウルス
→そして今週、こちらは、バンドザウルスの公式グッズ『カチューシャで草』『ピンで草』『デビューTシャツで草』として販売がスタートしました。
『えんとつ町の踊るハロウィンナイト』では、CHIMNEY TOWNの公式グッズ売り場が出る予定ですが、バンドザウルスの公式グッズは「Tシャツは、もっとダサくて、恥ずかしいデザインの方がネタになって良いだろ!」というコンセプトで作られたりしているもんですから、CHIMNEY TOWNの他の公式グッズと明らかに毛色が違ってきます。
そう考えると『CHIMNEY TOWNの公式グッズ売り場』でひとまとめにするのではなく、CHIMNEY TOWNの公式グッズを並べた『CHIMNEY TOWN 公式グッズ売り場』と、バンドザウルスの公式グッズを並べた『肉活屋(仮)』は分けた方が良さそう。
一つのおみやげ屋さんに集約するのではなく、おみやげ屋さんがいくつも並んでいるイメージです。
今日の話の“キモ”はココで、こうしてグッズショップを分ける(世界観ごとにグッズ売り場を設ける)というのが、どうやら凄く凄く大事で、
こうして分けて、「売るべきではない商品」を商品棚から外して、世界観を統一していかないと、ブランドにはなりえない。
ありとあらゆるグッズを取り揃えている「なんでも屋」はブランドにはならない(商品単価を上げられない)わけですね。
すっごく細かいところだけれど、だけど、すっごく大切なところです。
そう考えると、ミュージカル『えんとつ町のプペル』のグッズショップもまた、「ミュージカル『えんとつ町のプペル』のグッズブランド」を新たに作るべきで、昨日、プロデューサー陣と、デザイナーの「かんかんサン」と打ち合わせをして、ミュージカル『えんとつ町のプペル』のグッズブランド『Chimney Sweep』を作ることが決まりました。
「煙突掃除屋さんが出しているグッズショップ」という設定です。
そこに並べる全商品をゼロから開発するのではなく、「ゼロから開発する商品」もあれば、「すでにニーズが確認されている(生産ラインが整っている)CHIMNEY TOWNのグッズの“黒ラベル”バージョン」を作ったりして、とにもかくにも「世界観」を統一することを念頭にグッズショップをデザインしていきます。
煙突掃除屋さんが手掛けるグッズショップなので、「汚れにくい」「ダンディー」なイメージで、色や素材もソッチに寄るでしょう。
文字面だけでイメージしていただくのは少し難しいとは思うのですが、『CHIMNEY TOWN 公式グッズ売り場』と『肉活屋』と『Chimney Sweep』が3店舗並んだ時に、「あー、なるほど! 西野が、しつこく言ってたことはこういうことね 」となると思います。
どの業界であろうと、今は「単価を上げる努力」をしていかないといけません。
なので、今日のような「何をすればブランドになるんだっけ?」「何をしたらブランドになれないんだっけ?」という話がメチャクチャ大事になってくると思います。
参考までに。
現場からは以上です。
西野亮廣
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