文学フリマ東京38へ行ってきました。
先日、初めて文学フリマへ行きました。今回は参加した経緯や、当日の日記や感想を短く書きたいと思います。
1.経緯
文学フリマへは以前から参加してみたいと考えていました。理由としては、自分が寄稿した冊子が手売りされる現場であること、そして同じように趣味で小説を書いている方が拘りをもってその物語を販売している場所に一度は足を運んでみたかったからです。
ちなみに、私が寄稿したのは俺ガイル研究会による俺ガイル考察本、『レプリカ「Vol.2」』でした。
寄稿自体は昨年の話になります。きっかけはお誘いをいただいたからでした。同冊子のなかで他に原稿を書かれている方々とは鑑賞会や感想会などを目的としたお話をさせていただく機会があり、私にとっては寄稿もその一環だったと思います。フィクションで好き勝手に書くことが大半だった私にとっては難しい作業でもありましたが、他の方々のご協力もあり無事に寄稿できました。実際どのように売られているのか気になるのは必然だったかもしれません。あとはやっぱり一度ご挨拶もしたかったです。
またそれらとは別に、文学フリマとはなんぞや、という気持ちでしばらく気になってもいました。自らの文章に自ら装丁を依頼するというのも興味はあって、そういったことをする人たちが大勢いる場所に行きたいと思っていたからです。
こうしていろいろな興味や気持ちが重なり、前日に急遽参加することを決めました。
2.当日の日記
早朝に起きてカーテンを開けると薄暗い外を走る一人の男性を見ました。毎朝このあたりをランニングしている男性で、眠気眼でも活発に動くこの男性を見て目が覚めてくるのが最近の日課です。
東京までは多少距離があります。私の場合、バスを用いて最寄り駅へ行き、新幹線が開通する駅まで出てからようやく東京へ行けます。調べると、東京駅から会場までも乗り換えがあるらしいので早く家を出ることに越したことはありません。(後々アクシデントが起こるので、結果として始発のバスに乗り込んだのは正解でした。)
新幹線の待合室には出発の40分前に着きかなり余裕がありました。普段あまり外では本を読みませんが、今日に限っては読もうと持ってきた本に夢中になっていると、あっという間に出発5分前に。慌ててホームへ向かい新幹線に乗り込みました。東京駅までなにをしようか決めていなかったので、車内でも待ち時間と同じように本を読むことに。ちなみに原りょう作『愚か者死すべし』です。しかし乗り物酔いをしやすいので、ものの数分で本を閉じ目をつむっていました。まぶたの裏を眺めながら、「駅弁買わなくてよかった~」とか、「寝たら乗り過ごすかな。あ、東京終点だっけ」とか、「目を開けたら全然違う車の中だったら面白いな~」、と考えていたらあっという間に着くはずもなく、回復しては少しずつ読んでまた目を閉じるのを何回も繰り返していたらようやく東京に着きました。
ここでアクシンデト発生。切符に関係したごたごただったのですが、駅員さんの迅速な判断によりなんとか事なきを得ました。アクシデント自体はよくあることらしいのですが、如何せん東京駅構内が広いこと、そしてなにより私が方向音痴だったことにより駅構内で一時間ほど使いました。山の手線で浜松町駅まで向かい、そこからモノレールで流通センターへ。文フリには毎年結構な数の来場者が訪れると耳にしていたので、会場には開場時間の一時間くらい前に着くよう移動していたのが幸いしました。
モノレールでは危うく空港快速に乗って会場を通り過ぎてしまうところでしたが、なんとか会場に着きました。だいたい正午過ぎだったので、早く家を出て良かった~と思っていると長蛇の列がすんなり進んであっという間に会場の中へ。開場時間を過ぎてから並ぶと小一時間かかるかな…と思っていたので驚きました。
3.いざ文フリ会場へ
いざ会場へ入ると、そこは親切だな~と感じることが多い場所でした。カタログは入り口近くに置かれ、その側にPixivさん配布のトートバッグが置かれていたのはかなりありがたかったです。
手首に巻くテープに苦労しているあいだに人の波に流されて、気づくと目当てだった奥田亜希子さんのブース前に。私は、というか多くの方がそうかもしれませんが、事前にカタログで欲しい配布物を決めていました。奥田亜希子さんの本はそのひとつです。通常がどのような販売の流れになるのか分かりませんが、購入にあたって本の感想を直接に伝えられたのは嬉しかったです。
以降も様々なブースで本を購入しましたが、多くのブースで談笑のような時間がありました。売り手と買い手が言葉を交わしながらやり取りされた本を読むというのは、また特別な意味合いが生まれるのかもしれないです。そんなことをどんどん思い始めていました。
また、すべての方とはいきませんでしたが多くの方にご挨拶出来ました。(突然の訪問にも関わらず応対してくださった皆様ありがとうございました)。勿論、自分の原稿が売られているところもしっかり目にすることが出来ました。
最初にざっと見てからもう一度購入するために見て回っていたらあっという間に帰りの新幹線の時間が迫っていて、どれを買おうか迷って買えなかったブースがあったり、第二会場まで回れなかったのが心残りではあります。帰りの新幹線で気づきましたが、迷うくらいなら全部買えばよかったです。とはいえゆっくり見て回ったことで素敵な出会いもあるはずなので、これから読むのも楽しみです。
最後に、購入した本の写真を。
これからゆっくりと読ませていただこうと思います。訪れたことで出会った本をきっかけとし、自分のなかで新しい良さが文字から見えれば嬉しいなという想いを込めて。
SNSのIDが印刷された名刺をつけてくださった方も多く、もしかしたら感想を改めて送らさせていただくかもしれません。そういえば装丁のみなずら、フリーペーパーにもかなりの拘りをもって配布している方が多かったです。立国宣言の染よだかさんが配布されていたテスト用紙はかなり面白かったです。アイデアって本当に大事ですね。
そんなこんなで満足しながら帰りました。玄関を閉め忘れていたようで、帰宅したら鍵のかかっていない玄関の前で誰もいないよな…とおそるおそる部屋へ入りました。家に帰るまでが遠足という話を実際に耳した記憶はないけれど知っています。じゃあ遠足の始まりはどこからなのかと考えると、家を出た瞬間から始まってるのかもしれないな、とそんなことを思いました。私のとって文フリの始まりはおそらく前夜にカタログに目を通していた時からなので、終わりは購入した本を読み終えた時なのかもしれません。これからの時間も楽しみです。また機会がありましたら訪れたいと考えています。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。