MiiTelユーザー会に登壇したのでまとめ。
株式会社スマートドライブの今野です。
2月18日(木)に第一回の開催となったMiiTelオンラインユーザー会にゲスト登壇をさせていただきましたのでその内容をまとめようと思います!
当日は「- MiiTel活用の4つのステップ -」というテーマで約25分お話をさせていただきました。資料を作っている中で驚いたのはMiiTelを3年以上利用(β版から使わせていただいておりました)しており、これまでの社会人人生の約半分はMiiTelと共に過ごしてきたということと、もしかしたら日本で1番長くMiiTel使ってるかも!ということです!w
スマートドライブのMiiTel導入事例はこちらです!
MiiTel活用の4つのステップ
MiiTelの活用を4つのSTEPとしたときに、
STEP 1:現状の把握
┗データ活用のための準備
┗現状把握のためのデータ取得
┗現状の把握と目標値の設定
STEP 2:課題の改善
┗課題に対するアクションの決定
┗他ツールとの連携
┗ヒートマップの活用
STEP 3:育成の仕組み化
┗新人育成の仕組み
※STEP1/2の内容を活用
STEP 4:他部門連携
┗営業との連携
このようなステップに分類をしました。
STEP 4:他部門連携の部分はマーケティングやイネーブルメントとの連携などもありますが、まだ完全に形にできていないため今回は省略をしてます。
また時間の関係で黄色枠内のSTEP 1と2の内容を中心に当日はお話をさせていただきました。
STEP 1:現状の把握 -データ取得のための準備- 各項目の良し悪しを決める
自社に合った適切な通話時間を把握する
扱っているサービスやお客様によって適切な通話時間は大きく変わります。
人事部の方に採用サービスの話をするのと、経営企画の方にモビリティーデータ活用の話をするのでは情報伝達、状況ヒアリングに要する時間が大きく異なります。
3秒以上の「沈黙」をどう捉えるか
MiiTelのスコアリングルールでは「沈黙」はデフォルトで−1の設定になっていますが、スマートドライブでは+1としています。
これは相手が思考するいい質問ができている(SPIN話法の示唆質問)際やアポイント日時の打診がしっかりとできている際にも起こり得るからです。
「被り」をどう捉えるか
「被り」をデータだけで判断するのは非常に危険です。相槌をしっかりとしていると「被り」の回数も多くなりますので、相槌がしっかりできている「被り」なのか、焦って相手の話中に「被せて」しまっているのかは実際の音声データを確認する必要があります。
STEP 1:現状の把握 -データ取得のための準備- 応対メモの設定
MiiTelを活用する上で1番大事なのは応対メモだと思います。
MiiTel Analyticsでのデータ抽出は基本的に応対メモで行うためです。
そのため応対メモを設定する際は、どんな条件のデータを抽出したいかという視点で考えます。
スマートドライブの場合は、「アポイント獲得」や「つながったけどアポイントにならなかった」はもちろん、「大型案件で営業連携の必要性あり」や「リスク可能性あり」も抽出できるように応対メモを設定しています。
大型案件/営業連携:
車両台数が30台以上の場合はBigDealになる可能性があり、営業にISの電話を聞いて事前準備に生かしてもらうため応対メモを設定
リスク可能性あり:
10分以上会話は質問に答え切れていなかったり、情報をすべて営業に引継ぎ切れないケースがあるため、データを確認できるよう応対メモを設定
応対メモを設定する際の注意点としては、応対メモの入力に時間がかかってしまうことや選択漏れや選択ミスが起こらない設計をしなければならないという点です。選択漏れや選択ミスが起こると正しくデータが抽出できません。
応対メモを設定する際は、以下4点を意識していただくといいかなと思います。
・どんな条件のデータを抽出したいかという視点
・応対メモの選択に時間を取られない設計→2秒以内で処理できる
・選択漏れや選択ミスが起こらない設計→最大選択数は3つまで
・誰でもわかるワードで使う
STEP 1:現状の把握 -データ取得のための準備- データはどのくらい必要か
各メンバーの現状を把握する上で一定数のデータを蓄積することが必要ですが、サンプル数が少ないとスキルとデータに齟齬が生まれてしまいます。
毎日データを確認する中で、目安は数値のブレがなくなってきたタイミングですが、「つながった」けど「アポイントにならない」データは100件件前後、「アポイント獲得」のデータは30件くらいのサンプルが必要かなと考えています。※経験での数ですので根拠はありません。
各メンバーの課題を的確に把握するためにもサンプル数が一定数溜まるまでは根気強く待つ(とても歯痒いですが)ことも大事です。
STEP 1:現状の把握 -データ取得のための準備- スコアリングルールの変更
スコアリングルールを決める際は一気にハードルは上げず、四半期や半期のタイミングでスコアリングルールを見直して徐々に全体のレベルを上げていくことがモチベーションマネジメントの観点でもいいと考えています。
どんなに頑張っても50点とか60点だと少し悲しくなります…w
スコアリングルール設定や変更のタイミングでは「なぜ」の部分をメンバーに説明することを忘れないようにします。
STEP 1:現状の把握 -データ取得のための準備- 現状値の把握/改善点の把握/目標値の設定
現状値や改善点の把握をする際に絶対やってはいけないことは、データだけで判断することです。「沈黙」や「被り」の部分でも少し触れましたが、スコアは低いけど「いいコミュニケーション」をしているケースも存在します。
データドリブンの思想ではあるものの、データがすべてではなく、改善まではできないので必ず音声データもセットで確認が必要です!
STEP 2:課題の改善 -課題に対するアクション決定- 課題に対する改善案の立案/実行
改善アクションを考える際のポイントは、「xxはいいんだけど、xxのスコアが低いな。」みたいな形で2つの項目を掛け合わせてアクションを考えることです。イメージしにくいと思いますので以下の図がSampleになります。
この図はTalk:Listen比率と通話時間を掛け合わせたSampleなのですが、
Listen比率高い×通話時間長い
┗モデルケースになる会話の可能性あり
→音声データを保存して育成に生かす
┗お客様の長話に付き合わされている
→会話の切り替え方、切り上げ方のトレーニング
Listen比率高い×通話時間短い
┗お客様から一方的に何かを言われている
┗電話のタイミングが悪く、迷惑をかけてしまった
→Why you Why nowを考えさせる
→アイスブレイク、目的の伝達のトレーニング
┗連絡頻度の間隔が狭く、煙たがられている
→CallとMailの割合を確認
┗サービス知識が乏しく、主導権がお客様になっている
→ロープレ(Product Learning)
Listen比率低い×通話時間長い
┗端的にサービス紹介ができていない
┗課題抽出がうまくできていない
→ロープレ(Quick Roleplaying)
┗質問に対し的確な回答ができていない
→FAQシートの確認と再インストール
Listen比率低い×通話時間短い
┗状況確認のみで終話してしまっている
┗御用聞きな内容になってしまっている
→仮説構築トレーニング
→ロープレ(Hearing)
┗サービスの紹介のみで終話してしまっている
→質問の種類の理解
┗何を話せばいいか整理できていない
┗話す内容がまとまっていない
→トークスクリプトの作成
このような形で改善アクションが全く異なります。
STEP 2:課題の改善 -課題に対するアクション決定- 工数をかけない仕組みを考える
MiiTelは様々なツールと連携をしておりますので、連携によってオペレーション工数を減らしたり、コミュニケーションコストを下げることが可能です。
スマートドライブではSlackとSalesforceと連携をさせています。
SlackにはMiiTelに関するチャンネルが7つあります。
miitel
┗MiiTelに関する情報や質問、不明点などを集約するch
miitel_data_share
┗教育用の音声データをストックするch
miitel_missed_call_cs
┗CS番号宛に相手から電話がかかってきた際通知されるch
miitel_missed_call_is
┗IS番号宛に相手から電話がかかってきた際通知されるch
miitel_sql_10minutespassed
┗SQLで10分以上会話したデータが通知されるch
miitel_sql_30ormorecars
┗SQLで車両台数30台以上だったデータが通知されるch
miitel_todays_sql
┗SQLを獲得した際に通知されるチャンネル
注意しているポイントは1人わからないことは全員わからないのでオープンチャンネルでやり取りすることや誰でも見れる(聴ける)状態を作っておくことです。
miitel_todays_sqlのチャンネルに通知がたくさんある日は営業メンバーから「今日のISやばいっすね!あざす!」みたいな連絡がきます!w
インサイドセールスだと在宅勤務をしている方も多いと思います。Slack連携を活用すれば受電の対応or未対応や取次、引継ぎも数秒で完結することが可能です。
STEP 2:課題の改善 -課題に対するアクション決定- 音声フィードバックはリアルタイムで行う
MiiTelを活用して音声フィードバック(FB)をしている企業様は非常に多いかと思います。FBをする際は、極力リアルタイムで実施することをおすすめします。ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウス提唱の「記憶の忘却曲線」によると、人間は20分後に42%、1時間後に56%、9時間後には64%忘れてしまうそうです。
これはあくまで経験則ですが、インサイドセールスの莫大な業務をしながら音声データを聞き直す時間をつくるのは正直難しいと私は思っているので、記憶が薄れないうちにリアルタイムでFBすることをおすすめしています。
あとは、FBの内容を他のメンバーが見れる状態にしておくことや、良かった点もFBしてあげることも重要だと感じています。
STEP 2:課題の改善 -課題に対するアクション決定- 生産性の低い時間の把握
MiiTelのヒートマップ機能は非常に便利です。生産性の高い/低い時間帯が把握できるのでスケジューリングの際に参考にしています。
ヒートマップ機能を活用する際のポイントは、
ヒートマップは複数の条件を照らし合わせて確認する
アポイントが多い or 少ないだけで判断せず、「コール」「コネクト」「アポイント」を並べて判断しないといけません。
判断するには3ヶ月〜6ヶ月分のデータが必要
1ヶ月だと「緊急事態宣言が出た月」「業界の繁忙期」「業界の閑散期」「期末」など季節要因や外的要因の影響で正値ではない可能性があります。
このような感じでオレンジの時間帯にCall数を増やすとつながる可能性が高いことが分かりますので、月曜PMと火曜木曜9:00−10:00にCall数を増やそう!といったコミュニケーションをチームでとっています。
STEP 3:育成の仕組化 -新人育成の仕組み- カテゴリー別にデータを分ける
スマートドライブではトップパフォーマーの音声データを、「サービス」「課題」「単価(規模)」「部署役職」といったカテゴリー別で蓄積しています。
「いい音声データがあれば共有よろしくね!」みたいなルールだと全然データが溜まらなかったのでw、導入初期のタイミングでは半強制的にデータが蓄積されるよう、月xx本みたいに決めてデータを溜めていました。
スマートドライブの場合ですと、このあたりの条件に一致するデータが新しくジョインするメンバーやインターンメンバーにとって良いSampleの可能性が高いため、時間があるときにSample探しもしています!w
育成についてはSTEP 1〜STEP 3が必要になるため、育成の仕組化は本資料ではSTEP 3としています!ぜひSTEP 1、STEP 2と組み合わせて仕組み作りの参考にしていただけると幸いです。
STEP 4:他部門連携 -営業との連携- 営業に共有すべきデータの決定
営業メンバーに共有する音声データの条件は営業メンバーに決めていただくのが良いと思います。スマートドライブの場合は、営業メンバーが丁寧に各社毎の提案書を作ってくれますので、事前準備の際に活用してもらえるように音声データを共有しています。
Positiveな理由
・早期クロージングが狙える案件
・提案金額が大きな案件
・決裁者が商談相手の案件
・ネームバリューの大きな案件
Negativeな理由
・興味関心度合いのまだ低い案件
・会話時間が長く情報共有の必要な案件
・懐疑的な状態で獲得した案件
・過去にクレームなどが発生している案件
STEP 4:他部門連携 -営業との連携- データ共有の方法とポイント
スマートドライブの場合は、Slackチャンネルに通知されたデータはアカウント保有者(ISとCS)しか聴けないため、営業メンバーにはSalesforceの商談にデータファイルを添付して共有しています。
※アポイント取得をした際に商談を作成して営業へのパスが完了するオペレーションです。
本当は営業メンバーにも聴くだけのアカウント(たしか980円/月?)を付与したいのですが、聴くことに工数がかかるとなかなか聴かないかなと思いまして、そこは検討中となっています。w
今後はマーケティングやイネーブルメントとの連携も強化していきたいと考えています!
最後に…
最後までご覧いただきありがとうございました。
次回は、最近インサイドセールスのロープレ設計をする機会がありましたので「インサイドセールスのロープレ」について書こうと思っています!
昨日、スマートドライブのトップインサイドセールスメンバーの記事が公開となっておりますのでお時間ある際にぜひご覧ください!
少枠ですが一緒に働く仲間も募集しておりますので、ご興味あればぜひDMください!