見出し画像

不登校の要因分析調査の衝撃〜不登校要因を科学的につかむ革新的な調査 前編〜

不登校児童生徒数が過去最高を更新しています。
R4年度の調査では、不登校児童生徒数が5万人増加という衝撃の発表もありました。

年々増加の一途を辿る「不登校児童生徒数」

 インスタでも投稿しましたが、この不登校の要因分析調査が公表されました。
 文部科学省委託事業 「不登校の要因分析に関する調査研究」です。

 この調査研究を担当したのが、公益社団法人「子どもの発達科学研究所」です。ぜひHPものぞいていただければと思います。
 こちらの研究所では、科学的手法をしっかりと用い、分析を行いエビデンスを出されています。
 所長で主席研究員の和久田学氏は私が勝手にですがセカンドメンターとして尊敬している先生でもあります。

記者会見にもなりました。引用:ABEMA Mornigより

 特にこの調査のすごいところは、「調査対象者数」の大きさです。
 調査報告書には、
令和4年度に小学3年生から高校1年生(中学3年生を除く)であった児童生徒(19,005名)とその保護 者(12,140名)、および令和4年度当時の担任教師等(児童生徒24,935名分)

と示されています。科学的研究調査では母数は大切な要素なので、この調査対象者数は過去に類を見ないほどの数と言って良いと思います。

さらにこの調査では児童生徒の対象者として
不登校の主たる原因が「無気力・不安」と回答した子供達
に絞っています。 

 そして、
子どもたち、教師、保護者の三者の回答を科学的に分析し、比較する
ことで
「不登校の要因を明らかにしようとする」
ものなのです。

 下記の写真がその調査結果の概要です。HPにPDFもありますので大きく伽藍になりたい方は、ぜひ上記のHPからご覧ください。

引用:文部科学省委託事業 不登校の要因分析に関する調査研究 結果の概要 2P

 青:教師・児童生徒とともに不登校との関連が見られた項目
 赤:教師のみで関連が見られた項目
 緑:児童生徒のみで関連が見られた項目
 となっているとのことです。
 やはり注目すべきは、
「教師と子供の意識のズレ」
ですね。
教師が不登校の原因はコレ!」と思っていていることと、
「子供が不登校の原因はこれだった」と思っていることが

ズレているのです。
 
インスタの投稿を下記に再掲します。

いじめは不登校要因として大きいのに先生方はそう思っていない?
先生が不登校の要因となり得ている・・・

 これらの「ズレ」を学校の先生方は真摯に受け止める必要があると思っています。
   

これらの分析調査結果から、子どもの発達科学研究所は不登校支援の方向性への提言として以下の5つをまとめています。

1 いじめ被害及び友達とのトラブルの予防
2 教師の行動、学校風土の改善
3 授業改善、学習支援の充実
4 児童生徒の体調、メンタルヘルス、生活リズムの注目
5 背景要因へのアプローチ

次回の無料記事で、これらに私なりの見解もしたいと思います。

(続く)

いいなと思ったら応援しよう!