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「鏡の国」を読んだ話。

今回の感想本は、
つい先日読んだばかりのミステリ小説

岡崎琢磨さんの
「鏡の国」です。

もしかすると、ネタバレに抵触しておるかもしれません。どうぞ御自衛くださいね。

装画担当のイラストレーターorieさん
好きなのです…


アアアアア  一気読みしてしまった


面  白  い  ッ  ッ ! ! !


終盤はもう「ハァ…ハァ……」とちょっと興奮が抑えられんよみたいな息切れをかましながら読んでしまいました。ヤバ。


作中で描かれる『鏡の国』という物語の内容だけでも読み応えがたっぷりなのに、
本作の主題としてはその『鏡の国』作者の意図をめぐっての謎、がテーマなのだから、ストーリーの組み立てがすごすぎるなあ。
物書きの方の「筆力」ってこういうことかと、
物語の引力に抗えず思いきり引っ張られながら
ドキドキしっぱなしで読了。

こんなん…実写化待ったなしやん……


ルッキズム
身体醜形障害
相貌失認
更にミステリ
と、
モチーフだけ並ぶとこれどうやって組み立てるんだ…?と思ってしまいそうな盛りだくさんの内容を、ストレスなく且つ続きが気になって止まらないように仕立ててあります。ヤバ。(ニ度目)



そして読んでいると、何かと登場人物たちの台詞や表記に「……ふーーーー……」と考え込んでしまうことしばしば。



医師の言葉のひとつ、

『いつかは失われるもの、いつかは失われるとわかっているものに、決して自分の一番の価値を置いてはいけないのです』


ルッキズムへの反論でなくとも、この言葉は生きていると何にでも当てはまる気がするなと思う。

自分の中でのわかりやすい認識や
形あるものばかりに価値を置きがちな自分への、
心のお守りにしたいと感じた言葉。


またはこちらの
とある人物の述懐


正しさなんてなんの救いにもならない。


これは、本当にそう……

SNSが空気のように日常に溶け込んで
「他人が持つ正しさ」が容易に可視化されるようになってからこっち、

正義とかいう危うさとか
そもそも正しさって何だよ?


という自問とずっと向き合っている……
答えは勿論ないまま、
なんだかずっと ずっと考えているままでいる。

答えはないけれど
結局”正しいこと“なんてその人の中にしかない正義なのだし、概念的な正しさというよりも
「自分」が、その「人」やその「物事」に
「どう」対面しているのか、どう感じているのか
を知ること

本当にもう、シンプルに、そうすることでしか、
きっとなんにもなんにも出来やしないのだ…
ということはいつも思っている。




あとは読みやすいのもよかったなあと。
人物たちの動きがほぼ福岡内だったことも、
以前福岡に住んでた身としては情景が浮かびやすくてラッキーでした。

ところで作中に「離合」ってワードが出てくるんですけど…

“離合というのは九州や中国・四国地方の方言で、車どうしがすれ違うことを意味する。”

という説明表記があって、素で
「…はっっっ????」
となったのですが……?

「は?離合って方言?
え、全国共通じゃない…だと……?」
とめちゃくちゃ驚いたりなどした。
まさかの地方あるあるがこんなところで判明。


それにしても読み終わったあと、

あああああ〜〜〜ミステリが好きだ〜〜〜ミステリを生み出してくれる作家様方本当に本当にありがとうーーーー!!!!

という気持ちが爆発しましたね!ニコ!

こちらの本「鏡の国」は発売当初に書店で見かけてからずっと気にはなっていたのですが、
私の現在の「エンタメ最高⭐︎」なモチベーションのタイミングで読めてよかったと本当に思います。
ミステリは、エンタメ。(と思っている)
エンタメは、最高。

こちらぜひとも読んでほしい一冊です!



主観しかないレビューにお付き合いいただき感謝します。

ここまで読んでくださりありがとうございます。

それでは!

「鏡の国」を読んだ話。

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