悪との距離 «我們與惡的距離»(英語:The World Between Us)
出演:賈靜雯(アリッサ・チア)、吳慷仁(ウー・カンレン)、陳妤(チェン・ユー)、溫昇豪(ウェン・シェンハオ)、周采詩(チョウ・ツァイシー)、洪都拉斯(ホンデュラス)、曾沛慈(ペイチー・ツェン)ほか
監督: 林君陽(リン・ジュンヤン)「あすなろ白書~Brave to Love~ 」「茶金」
脚本:呂蒔媛(ルー・シーユエン)
台湾放送:2019年3月 公視、HBO Asia
尺:50分×10話
精神疾患を伴った無差別殺人事件の被害者家族・加害者家族・弁護士家族・精神疾患を患い事件を起こす男の家族、それぞれの視点から「犯罪」が与える影響を描いたドラマ。
非常に秀逸なドラマでいろいろ考えさせられたドラマでした。脚本も役者の皆様の演技も素晴らしく、細かいところでリアリティがあったと感じました。
特にリアリティがあったと思ったシーン
・應思聡(イン・スーツォン)が精神を病んでいるのに精神鑑定を拒んだり「ちょっとストレスがたまっているだけ」と思いたい家族の気持ち
・王赦(ワン・シャー)が奥さんに自分が精神疾患者などの弁護をしているのかを感情をこらえながら語るシーン
・子育ての合間に子供から離れて一息つきたくなる瞬間(そしてそのせいで事件に巻き込まれてしまい、自責の念に駆られる気持ち)
特に3番目に関しては子育て真っ只中の自分にとっては突き刺さるものでした。そんなこと実際に起きたら怖いと思いながらも、一息つきたくなる気持ちもめちゃくちゃ分かるし、自分もやるだろうな、と思ってしまう。
本当に自分が彼らの立場だったら…と様々な視点で事件や報道について考えさせられてしまうくらい登場人物の描かれ方が丁寧かつリアルでした。こういうのをNHKで放送して欲しいけどなぁ。
ちなみに最後にお腹の子供に対して「小強(シャオチャン)」と話しかけていた王赦(ワン・シャー)。日本語字幕だと伝わりづらいですが、「小強(シャオチャン)」は台湾ではゴキブリの別称で、だから奥さんが「やめてよ〜」と言っていたのですね。ま、それくらい強い子になって欲しいってことよね〜。何気に糞から始まりゴキブリで終わる王赦(ワン・シャー)さんでした。