アーティストステートメント
「親切な作品」
私は、何年かに一度のペースで個展を開催してきました。発表する作品が、来場される方にとって、少しは意味のあるものであることを、いつも願っております。今、noteで書いている内容もなるべくわかりやすく書きたいと、努力していますが、それは、コチラが一方的に思っているだけで、他人からすれば、なんだこりゃ!と思われているのだろうなぁ、と想定しています。
今から、もう20年ぐらい前になりますが、米国のアートシーンでは、展示をする時に、A4に収まるぐらいのステートメントを準備をして、作品と一緒に展示をするという情報を得ました。内容は、自己紹介的なニュアンスもありますが、現代美術や抽象系の作品に対しては、そのバックグラウンドだったり、コンセプト的なものが中心になります。確かに、それは、展示の要素として必要不可欠だなと理解しました。
それ以降は、毎回、アーティストステートメントを熟考し、作品を感じてもらう装置的な役割として、必ず、貼り出しております。読んでくれる人の中には、「深いねー」などといって、そのあと、哲学的な対話に発展したりと、興味深い展開になることもあるので、それがない展示には戻れません。
しかし、全ての人に読んでもらえるわけでもなく、作品だけを観て、帰っててしまう方も多いのが現実です。「ちょっとこれも読んでくださいませ」とは、切り出しづらく、少し残念ではありますが、そこまでしつこくするものでもないかと、あくまでサブ的なものですので、まぁ、いいかと自分に言い聞かせております。
そもそも、言葉など、作品には必要ない。
と感じることもしばしばありますが、なんだこりゃ!の人への親切心として言葉を添えているつもりでもあるのですが、そういう人に限って、率直に「なんですか、これは?」と口に出していただけるケースも多いように感じます。
あと、ステートメントを書くことは、自分自身や作品に対する考えを整理することに役立ち、様々な背景を自分なりに分析し言葉にしてみることで、自分自身や作品についての洞察を深めることができるので、とても意味があることではないかと思います。
今日は、「親切」というシンクロテーマから、展示をする時のアーティストステートメントについて書いてきました。ギャラリーなどに行かれた時に、たまに、みかけることもあると思いますので、そのような時には、是非とも読んでいただけると、嬉しいです。きっと、楽しめるハズです。
あぁ、でも、難し、言葉、であります。
今日も、ありがとうございました。
では、また