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【詩】静かに交差する影
私たちの生活は、見知らぬ人との偶然の出会いによって織りなされている
街角での一瞬の眼差し
電車の中での無意識の肩の触れ合い
カフェでのふとした笑顔
これら全てが、私たちの物語の断片であり、運命のいたずらかもしれない
そんな「私とあなた」の隠された交差点について、考えてみよう
カフェでの遭遇
ある冬の午後、私たちは同じカフェで温もりを求めていたかもしれない
あなたは窓際の席で、街の喧騒を眺めながらコーヒーを楽しんでいた
一方私は、壁際のテーブルで、執筆のインスピレーションを求めていたのだった
私たちの間には、ただの数メートルしかなかった
あなたがページをめくる音、私がキーボードを叩くリズム、それが静かに空間を満たしてただけだった
お互いに一言も交わすことはなかったが、私たちの時間は、その場所でほんの少し重なっていたことはまちがいない
エレベーターでの静かなる共演
オフィスビルのエレベーターでの出来事は、もっと奇妙な偶然を私たちにもたらした
あなたは、大切なプレゼンテーションに向かう途中だったのか、緊張した面持ちで階数ボタンを押した
私はその日、面接のために同じビルを訪れていた
エレベーターの中で、私たちは互いに目を交わし、微笑み合った
言葉は交わされなかったが、その瞬間、私たちはお互いの存在を認識し、そして心の中で応援し合っていた
空港、遅延という名の縁
旅は、未知との出会いの連続だ
空港での遅延が、時に予期せぬ出会いをもたらすことがある
私たちは、世界のどこかで同じ便に乗るはずだった
あなたは電話で忙しそうに話していたが、その声が私の耳に心地よい旋律として響いていた
私は壁にもたれ、旅の疲れを癒やすために小説に没頭していた
遅延のアナウンスが流れるたび、私たちはため息をつきながらも、同じ運命を共有していると感じていたに違いない
私たちは普段、どれだけ多くの「もしかしたら」を抱えて生きていることか
偶然を抱えて生きていることか
そしてその無限の偶然のほとんどを、特別意識すらすることなく見過ごしていることか、忘れていることか
私たちの日常は、予期せぬ出会いと別れに満ちている
私たちが過去にどこかで会っていたとしたら、何かの縁なのかもしれない
もしかしたら私たちの物語は、あるいはこれから始まるのかもしれない
今日も私たちは、新しい「私とあなた」の物語を探し続ける
【📻📢】
今日のラジオでは、「Giver(与える人)」についてお話ししてみました。
よろしければご移動時間などに聞いてみてください。
【ゆきふるのクロストリラジオ📻】
クロストリ (Close-Tri)は
「Close to Thirty」の略。
20代後半である私が、30歳も見えてきたこの年齢なりに雑多に思ったことを配信していきます。
大人になるにつれ、人生の主語は
自分だけではなくなっていく。
それは会社であったり家族であったり。
その過渡期を過ごす今だから言葉にできること。
時には自分本位に、時には背伸びしてみたり。
そのカオスの中に、20代という事象がある。