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No No Girlsがいかに新しいオーディション番組なのか説明させてほしい

No No Girlsがすごい。

前提としてまずエンターテイメントとしてめちゃくちゃおもしろすぎる。

そして、なんだか、わたし、癒されてる。
大興奮してると同時に、癒され、励まされてるのを感じる。
それも、わたしだけじゃなく結構みんな。

オーディション番組でそんなことある?
割と異例の感情なのではないか?もはや日本へのヒーリング魔法なんじゃないか?
語彙を失ってしまった。

この記事では、前提としてオーディション番組って最強であり最悪なんだという話と、No No Girlsがどう「オーディション番組的なモノ」を覆して私を癒すに至ったのかを書いていきたい。


No No Girlsとは

  • ちゃんみながBMSGとタッグを組み、プロデューサーを務めるガールズグループオーディションプロジェクト

  • 身長、体重、年齢は不問。Noをつきつけられてきたあなたの声を聴かせてほしい、がコンセプト

すでに来年のトレンド予測にランクイン

2024年12月現在、最終メンバー決定はまだだが、すでに盛り上がりに盛り上がっている。

以下の徳力さんのnoteによると、すでにZ世代の2025年トレンド予測に入っているそうだ。

こんだけ盛り上がってたら、結成したグループは間違いなく売れるだろう。
そう、売れる。メインストリームで売れる。それはいろんなパワーを絶対に持つはずなのだ。

最強であり最悪なエンタメ。それがオーディション番組

前提として、これまでのオーディション番組の話をしたい。

ガールズ・ボーイズグループのオーディション番組は、特にここ数年、エンタメ界に旋風を巻き起こしまくってきた。

直近だとなんといってもプデュことPRODUCE101だろう。
昨年開催された日本ガールズ版から、今年デビューしたME:Iはそうそうに紅白出演も決まり、飛ぶ鳥を落とす勢いだ。

わたしもロッキンに観に行きました!雨やばい

オーディション番組は悪魔的におもしろい!

なぜオーディション番組はこうも私たちを熱狂させるのか?

楽曲、パフォーマンス、候補者たちの魅力が高いのももちろんある。まさにエンターテイメント。

しかしそれだけではない。

とにかく「社会的動物ヒト」の感情をゆさぶる設計としかけに満ちてるからだ。
もはやおもしろいのは本能。踊らされている。

リアリティショーの一種と言ってもいいかもしれない。
そもそもリアリティショーは人間の本能的な噂話欲をかき立てるというか。
ただでさえ、あいつが最高、イケてる、あいつのあれはよくない、と井戸端会議的に言いたくなるし、それができるのがおもしろさのひとつでもある。

それに加えて、オーディション番組は、ときに、視聴者が誰をデビューするかの投票すらできる権力がある。先に述べたプデュがまさにその設計だ。

となれば誰に投票すべきか?を大手を振ってあーだこーだ討論する権利と大義名分を得られるわけだ。SNSを中心に、ダイレクトに感情を揺さぶり揺さぶられるようなムーブメントが起きるし、熱狂してしまう。

だがその反面誹謗中傷がエグい

この熱狂は、候補者を過剰にアゲたりサゲたりの合戦を生み出しがちだ。
どうしたって、SNSは、誰かを褒めるのと同じくらい誰かを批判したり貶めることにエネルギーが発生しやすい。
視聴者層がティーン多めなのも、過剰なエネルギーや物言いが生まれやすい土壌があるかもしれない。

番組名や出演者名で検索すれば、一瞬でそういった投稿にぶち当たる。

倫理的にグレーともいえる番組設計

さらに「感情をゆさぶり熱狂させる」ドラマを作るために、リアルな感情の嵐を生み出すためだけの企画や演出が、出演者をぶんまわしまくっている

実際の出演者による、このインタビューに内情が詳しい。

ありえない無茶をさせるし、その結果の出演者の涙を盛り上がりポイントとしてふんだんにフォーカスをあてまくる(記事によると、誰かが泣くととたんに周囲の大量のカメラが寄りに寄ってくるそうだ)。
候補者がふと漏らしたネガティブな発言を切り取ってフィーチャーすることもある。
さあどうぞ!SNSでネタにしてくださいね!!と言わんばかりだ。

子どもの出演者も多い。自分自身が熱狂しながらも、どこかこれを消費することのモヤモヤが心にあり続けていた。

逆バリともいえる、No No Girlsの特徴

そんな中、今年あらわれたのがNo No Girlsだ。

まずは、投票じゃないって、最高〜!

ちゃんみながプロデュースし、審査も彼女自身が行う。

番組でのフィーチャーやSNSでの加熱が結果に関係しないという安心感が、視聴者側をいい意味でクールダウンさせてくれている。
こんなにSNSが治安よく盛り上がってることあるだろうか。
昨年のプデュとのギャップがすごくて、それだけですでになんだか浄化されてしまう。

そして、ちゃんみなの審査コメントの説得力がすごい。その洞察力と判断力とコミュニケーション力、もはや敏腕占い師に見えてきている。

通過するか関係なく、全員をリスペクト

出演者の感情を振り回すための演出や設計はない。

そして、オーディション番組にありがちな、人間性やありたい方向性、努力の否定(ややもするとハラスメントになりかねないような)コミュニケーションもない。

全員が才能あるアーティストという前提で、通過も落選も同じくらいのフィードバックを丁寧に言葉を選んで伝えていく姿勢に、候補生とはいえ確かなリスペクトを感じさせる。ちなみに、順位もない。

「K-POP的なもの」があくまで美しさのいちスタイルとして描かれることのありがたさ

特異さとしてはずせないのは容姿の話だろう

この番組のコンセプトはNoと言われてきたガールズ。
出演者には皆、過去につきつけられた、いろんなNoがある。
それこそ昨年のプデュでの誹謗中傷や挫折から、年齢、国籍、などなど。そして、なかには、容姿もだ

これまで、ほぼすべてのガールズグループオーディションでは、細身と高頭身、可憐な顔立ちが求められてきたのではないだろうか。
それは候補生だけでなく、追いかけるファン、視聴者である女の子たちにも、たしかなプレッシャーとして取り巻き続けてきたように感じる。

番組の中に、ジスという韓国出身の候補者がいる。彼女は従来のK-POPらしい、シュッとしたスタイルと可憐さを持っている。

しかし、あくまでこの番組ではそれはいちスタイルだ。

候補者は身長も体型も顔だちもみんな本当に多彩。それでいて魅力的だ。
そう、現実の美しさって本来こうなはずなのだ。それを言葉で説明せず、表現として示してくれることがうれしいしなんだか励まされてしまう。

もちろん、ジスだってめちゃくちゃ魅力的だ。
でも、それがあくまでいちスタイルで、みんながそれぞれの魅力を持っている。
それって、最高〜!

(Vlogがやたら食べるシーンが多いのも安心感ある)

こんなNo No Girlsがメインストリームにあることの心強さ

そして番組が「しっかりガッツリおもしろい」のだ。だから、ヒットしている。
そう、これらを兼ね備えていても、おもしろいから説得力がある。

そして、このスタンスのオーディション番組がメインストリームでヒットしているのは、希望を感じる。

音楽とパフォーマンスに注力していれば、過度な感情的な演出がなくても、魅力的でおもしろいコンテンツは作れるのだと。
そして、従来の「憧れ」像以外にも、いろんな魅力はあるのだと。
「売れる」ことで、このメッセージが強く広く伝わっていくと思うから。

その事実に、もやもやしていた私は癒されていくのを感じるのだ。

もちろん、いろんなエンタメがあっていい。あって当然だ。いろんなオーディション番組や、アイドル的なものも、私自身好きだしあっていい。

でも、多彩な人が輝いているからこそ、「あの子がめちゃくちゃ頑張ってるから自分も頑張りたい」というエンパワメントがさらに真に迫るものがある。若い女の子たちだって、自分の中に、あたらしい形の憧れやアイコンを見出せるんじゃないだろうか。

番組は現在、一月のファイナルに向けてクライマックスだ。
追いかけ続けます!デビュー後もめちゃくちゃ楽しみ!

今からでも間に合うので観ましょう。

おまけの宣伝

最近、エンタメ作品の感想を言い合うPodcastをはじめました。
直近ではNo No Girlsについての収録をしました。
まだ編集中なのですが、アップされましたらXで紹介するので、興味あるかたは聴いてみてください!

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松下ゆき
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