後編|元・年商〇〇越えの起業家だった父親と同じ月収を稼いでみた結果、お金の印象は変わったのか?
【前編】からの続きです。
少し話が逸れますが、お金の原価ってご存知ですか?
一万円札も千円札も原価は同じで、「約17円」だそうです。17円という原価の紙切れに、エネルギーという付加価値が乗っかって、一万円札や千円札になる。つまり、お金の正体って、ほとんどが目に見えないエネルギーなのです。
目に見えないエネルギーで一番私達にとって身近な存在で、想像しやすいものが、「気持ち」や「想い」だと思ったので、私は改めて初心に戻り、「感情を素直に感じて、自分の感覚を研ぎ澄ますこと」に集中して取り組みました。
すると、自分の勘違いや傲慢さが浮き彫りになりました。
私がお金に負ける人だった頃(お金の奴隷だった頃)、ほぼ全ての判断基準がお金でした。そこが惨めで悔しくて、だから、お金に勝つ人(お金の主人)になるための努力をして、現実的にたくさんのお金を稼いでみる経験ができました。その後の私は、「絶対にお金で判断しない!」と、貧困時代の伏線を回収するかのように少しでも「欲しい!」と思ったものはなんでも値段を見ずに買ってみました。(もちろん手元のお金の額は把握しながら)
でも結局、私の心のスタンスは「勝ち負け」のままだったので、「欲しい!」という気持ちすらほとんどが偽物でした。だから買っても買っても満たされない。どんどん心が苦しくなり、またお金に怯えるようになりました。
ここでやっと気づくのです。「幸せなお金持ちとは、お金の使い方が上手な人」なんだと。
「お金の使い方が上手な人」とは、これもとてもシンプルで、「自分が本当に欲しいものにお金を使っている人」だと思っています。そのためには「自分の好き、嫌い」を分かっていないといけません。
改めて、幸せなお金持ちとは、お金と仲良しで対等な人とは、「自分自身と仲良しで、自分のことをよく分かっている人」のことなんだなと思いました。
起業家だった父親と同じ月収を稼いでみた結果、お金の印象は変わったのか?
結論、180度ガラリと変わりました。それは、私がお金を稼いだからではなく、私が本来の私に戻り、自分のことを深く知るようになったから。
お金の主人になった頃は、「たかが100円のことで!」なんて偉そうなことを言っていましたが(結局お金でジャッジをしていた)、今現在は「どうでもいいことや、見栄を張るために、1円でも使いたくない!」とシビアになっています。シビアというか、お金というエネルギーを注ぐ場所にすごくこだわるようになったという感覚。
1杯100円のコンビニのコーヒーと、1杯1500円のホテルラウンジのコーヒーでは、事実、使用するコーヒー豆の種類や質、そしてコーヒーが提供される空間、コーヒを注ぐ容器などが異なるので、物質的な価値には差があります。
でも、寒い日に外を歩き回って、クタクタに疲れて、「今すぐ温かいコーヒーが飲みたい!」と思って近くのコンビニで買って飲んだコーヒーと、「今日はホテルラウンジで空間を味わいながら飲むんだ!」と決めて飲んだコーヒーの「自分にとっての必要性」としての価値は同じ。対等。
お金は、使い手の感じ方のセンスによって、善にも悪にもなれるのだ。
だから私は使い手としてのセンスをこれからもっと磨いていきたい。ここで言うセンスとは「感じる力」のこと。
なぜならお金もきっと、私達と手と手を取り合ってサポートし合う関係性を望んでいるような気がするから。
《著者プロフィール》
夕起あずさ|1988年生まれ|カウンセラー、コンサルタントとして活動中。
もっと自分を好きになるための『カンタン♡マイルールチェンジ』をコンセプトに、自身の経験をもとにすべての女性に向けて、“自分らしく生きる方法”をお伝えしています。