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フォーム界のレジェンド「お尻の位置」 解説③ インステップの改善
「お尻の位置」解説①と②では、正しいお尻の位置により下半身の力を使って投げられるという事をお伝えしてきました。
ヒップビハインドを身につける効果は、実はこれだけではありません。
ヒップビハインドの姿勢を身につける事で、投球フォームやバッティングフォームにおいて多くの方が悩んでいるであろう事が改善します。
今回は、インステップについて解説致します。
インステップとは?
インステップとは、投手が捕手に向けてステップをする際、ステップ足が3塁側に寄って着地する事です。
打者の場合は、ステップした時、ホームベース側に踏み出す事になります。
体に余計な負担をかけますし、パフォーマンスが低下する場合がほとんどなので、改善するべきフォームの一つとなります。
インステップはお尻の位置で改善する
前足が着地する場所は、お尻がどこの位置にあるかですべて決まります。
例えばお尻が体の前側に預けられたフォームで体重移動した場合、必ずインステップで着地する事になります。そのままの姿勢から前足をキャッチャー方向真っすぐの位置に足を修正してみましょう。体が前に倒れてしまい、その姿勢を保つ事が出来ません。
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反対にお尻が体の裏側に預けられたフォームで体重移動した場合、必ず真っすぐ着地します。そのままの姿勢からインステップしてみましょう。今度は体が後ろに倒れてしまい、その姿勢を保つ事が出来ません。
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なぜ、インステップは良くないのか?
そもそもなぜインステップが良くないのでしょうか?
それは、「やり過ぎると下半身の力を使えないフォームになってしまうから」です。
ここまでご説明した通り、インステップになる時の姿勢は、お尻が体の前に預けられた状態になります。その姿勢では、体の前側、すなわち太ももの前の筋肉である「ブレーキ筋」を主に使用する事になり、躍動感や力強さ、スピードの欠けたフォームになってしまうのです。
「インステップは良くない」と何となく聞いた事はあったと思いますが、その理由は何?と聞かれるとはっきりとしなかった選手や指導者は多いのではないでしょうか?
インステップしている踏み出し脚の着地する場所の修正ばかりに気を取られてしまっていませんでしたか?
お尻の位置が間違っていては、その他どのような訓練をしても効果は全く期待出来ません。
反対にお尻の位置が正しくすれば、一撃でインステップは改善します。
まとめ
インステップは、体に余計な負担をかけ、怪我のリスクを高めます。またお尻を始めとした下半身の筋肉の力を使う事が出来ない為、全身の筋肉の連動が途切れパフォーマンスが低下する原因となります。
多くの選手や指導者がステップ足に原因があると理解している傾向がありますが、それでは一生インステップは改善する事はないでしょう。
お尻の位置(ヒップビハインド)を正しくする事で、インステップは改善するのです。