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フォーム界のレジェンド「お尻の位置」 解説④  体の開き

インステップに引き続き、今回もフォームにおいて多くの方が悩んでいるであろう体の開きについて解説していきます。
インステップと連動しているところもある為、インステップが改善される事で体の開きも改善していくケースがあります。
要は体の開きに関しても、お尻の位置が重要となってくるという事です。

体の開きとは?

体の開きは、投手の場合「捕手に向かって体重移動し、着地足を地面に踏み込む局面で、肩の線が捕手に真っ直ぐ向いていない状態」です。要は、着地足を踏み込む局面で、捕手や打者に胸が丸見えになった状態の事を指します。※打者の場合も同じだとお考え下さい。

「体が開く」の本当の意味

実は体が開くという言葉だけでは読み取れない事が裏に隠されています。決して体が開くのが悪い訳ではないのです。
それは、「着地足(ステップ足)が地面に着地するまで、体を開いてはいけない。その後、思いっきり体が開く」です。
結局最後は体を開かなければ、投げられないし、打てないのです。
要は、早い段階で体が開いてしまうと、パフォーマンスが低下したり、怪我の原因となり得るので、体の開きを抑えましょうという事になるのです。

体の開き〜下半身編〜

体が開く事でどのような投球、打撃フォームになってしまうかというと、下半身の力を使えないフォームになります。これはインステップの改善でもお伝え致しました。ヒップビハインドの姿勢を保つ事が出来ておらず、お尻が体の前側に預けられた姿勢になると必ず着地足がインステップします。投手であればインステップした方向に投げるのではなく、捕手に向かって投げなければならないので、強引に体を開いて投げるしか無くなるのです。
つまりインステップする事で、足を早く開かないと投げる事が出来ないフォームになってしまうという事です。
この際、つま先から開くような体重移動になります。これでは体重移動によって動作を加速させる事が出来ませんし、腕を振る時に前足で踏ん張る事が出来ずに膝が外側に割れてしまいます。腕の振りも弱まり、ボールに力が伝わりません。

体の開き〜上半身編〜

そして上半身の体の開きは、下半身と理論は全く同じです。なぜなら下半身がインステップすると上半身もそれにつられてインステップ方向に進むからです。この状態から捕手に向けてボールを投げようとすると、体を強引に開いて投げるしか無くなるのです。そしてこの場合、体は横に回転する事になるので、捕手に向かって力が伝わらないフォームになってしまうのです。

体の開きはヒップビハインドで改善する

インステップになる事で、強引に体を開からなくては投げられないフォームになってしまっているという事は、ご理解頂けたと思います。
インステップの原因は、体重移動の時にお尻が体の前側に預けられた姿勢によって起こります。よってこれと反対をやれば、体を開かないフォームになるのです。これがヒップビハインドです。お尻が体の後ろ側に預けられた姿勢を作る事が体の開きを改善するたった一つの方法です。
ヒップビハインドで体重移動が出来ると、下半身は着地足を真っ直ぐ踏み出す事が出来、強引に体を開く必要がなくなります。ヒップビハインドで捕手に向けて真っ直ぐ踏み出せれば、足の側面を捕手に向けたまま力を逃さない体重移動が可能となります。投球時の着地足が踏ん張れるので、膝も真っ直ぐ割れずに投げる事も出来ます。
そしてこれは、上半身も全く同じです。
ヒップビハインドによって、捕手に向けて真っ直ぐ踏み出せていれば、強引に体を開かなくても投げる事が出来、肩のラインが捕手に向けて一直線となり、真っ直ぐ力を前方に伝える事が出来るようになります。

ヒップビハインドでも体が開く場合もあるにはある

足を真っ直ぐ踏み出せていても、体が開く場合もあります。
これは、体重移動の際に、重心が着地足に移動するのが早すぎるのが原因となります。
これは、お尻をどのように使えば良いのかを理解する事で改善されます。

まとめ

「体の開き」は、強引に体が開かなくては投げられない姿勢を無意識で作ってしまっていた事がそもそもの原因です。体を開かずに投げようと頑張って意識した所で、お尻の位置が間違っていては、一生体の開きは改善しません。
ヒップビハインドの姿勢を習得する事で、自然と体が開かなくなるのです。
多くの方が悩まれている事というのは、無理に頑張って改善するのではなく、正しい動きを理解し、実践する事で当たり前のように自然と正しくなってしまう事なのです。
ぜひご興味があれば、その他の記事にも目を通して頂き、いずれお尻の位置の実践編をお伝えさせて頂きますので、フォロー宜しくお願い致します。


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