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フォーム界のレジェンド「お尻の位置」 解説② ヒップビハインドの重要性

前回の内容ではお尻の位置は、スポーツでフォームを習得する上で最も重要な事だとお伝え致しました。お尻の位置を身につける意味は、「下半身の力を使えるようにする」事です。お尻の位置が正しくなると、お尻を始めとした体の裏側の筋肉を使えるようになります。体の裏側の筋肉が使えるようになると、全身の筋肉が連動して働くようになります。
今回は、更にヒップビハインドの重要性をお伝えしていきます。


体の裏側の筋肉の役割

人体の関節や筋肉には、それぞれ役割があります。それは、「アクセル筋」と「ブレーキ筋」の2つに分類されます。
体の裏側の筋肉は「アクセル筋」になり、体の前側の筋肉は「ブレーキ筋」となります。
スポーツでは、もちろんブレーキをかける局面もありますが、ほとんどの場面でアクセルを働かせる事になります。
何故かというと、「前方に向かって力を発揮しなければならないから」です。野球の場合、ピッチャーであればキャッチャー(進行方向)に向かって前方にボールを投げます。バッターの場合も全く同じで、前方にボールを飛ばさなければなりません。
その為にアクセル筋となる、体の裏側の筋肉を使う必要があるのです。

ヒップビハインド

ヒップビハインドの姿勢を作る事で、全身の筋肉が連動し、前方に力を発揮するアクセル筋が働きだすという事はお分かりになったかと思います。
試しに壁に両手をつけて、壁を押してみて下さい。
この際、「膝とお尻を前に出して押すやり方」と「膝を前に出さずにお尻を後ろに引いて押すやり方」の2パターン試してみて下さい。
力の入り方の違いを体感して頂けるかと思います。

画像のような姿勢で壁を押す方が全身の筋肉に力が入り、壁に対してより強い力が加えられたと思います。
そしてこれはピッチング、バッティングにおいても全く同じです。ヒップビハインドにより体の裏側のアクセル筋が使えるようになれば、下半身の力が使われるので、あとは腕を振る事でその力が上半身、そしてボールまで伝わるフォームが習得できるのです。

まとめ

下半身の力を使って投げる、打つという指導を受けた方は多いのではないでしょうか。私もその一人です。ただし下半身の力を使うという言葉の意味は、なんとなく理解は出来ますが、実はかなり曖昧で漠然とした表現です。恐らくその指導者も下半身の力を使うという本当の理解が出来ていないのでしょう。出来ていたとしてもそれを言葉として表現が出来ていないのです。
これからは、下半身の力を使う=体の裏側の筋肉を使う事なのだと理解して下さい。ピッチングやバッティングの際に体の裏側の筋肉を使うのだと明確に意識して下さい。そうすれば下半身の力は、自然と上半身に連動するようになります。
そしてそれを可能にするのが、ヒップビハインドという姿勢です。
ものすごい重たい物を持ち上げたり、レスリングや相撲で相手を押す時など全身の力を必要とする局面でお尻を体の後ろに預けるように、ピッチングやバッティングも同じ姿勢を作れば、体の裏側の筋肉を使う事が可能になります。

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