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美味しいコーヒーはいらない

表参道駅を出て歩いて5分くらいのところにlotusというカフェがあります。
20歳くらいの時に友達が「栗とゴルゴンゾーラのペンネが美味しいから」って連れて行ってくれて、今も好きで通っています。

(これこれ。mixiのアルバムから引っ張り出しました)

そんなエピソードを何回か書くうちにお客様の中で「lotusに行きました〜」とか「lotusに行きたくて…」という方が実は結構いらっしゃって。ゆうきさんがあそこまで言うのだから…というありがたい理由の方もいらっしゃる。

lotusの瞬間風速的なエネルギーをずっと地続きでやってる破壊力のようなものがすごい好きで通っているので、特に(一般的な感覚で)接客がいい訳でもないし、コーヒーがめちゃくちゃ美味しい訳でもないから、もし皆様のお気に召さなかったらどうしよう…と不安だったりもしてます。笑

このお店はコーヒーをマシーンで抽出しています。見てないので確認出来てませんが高確率で、デロンギか何かのエスプレッソマシーンで抽出しているはずです。
300円くらいで、そんなに美味しいわけでもない。(すみません!)不味くもなくて、普通。

でもね、それがいいんですよ。

ここでドリップしたり1杯ずつプレスした、時代の匂いのするサードウェーブっぽいコーヒーなんか飲みたくないんです。

お店は出しているものありきで何屋か決まる。
つまり美味しい(丁寧で綺麗な)コーヒーを出してしまうと、このお店はコーヒー屋さんになっちゃうんです。
コーヒー屋さんってコーヒー屋だからコーヒーを売ってるんじゃなくて、コーヒーを売っているからコーヒー屋なんですね。

でもlotusは表参道に人を集めて街を作り上げたカフェのパイオニアという存在。

もしlotusがそういうコーヒーにもっと力を入れているお店だったとしたら僕にとってlotusはコーヒー屋になってしまってカフェというくくりじゃなかった。そしたらきっと通っていないと思います。僕は時間を過ごすのが好きだから。このお店のエネルギーの中に包まれているのが好きなんです。だから美味しいコーヒーなんかを出されたら興ざめしてしまうでしょう。

カフェなんだからコーヒーは美味しい方が、って思っちゃいますけどね、非常に戦略的な取捨選択だなぁと思う。
実際長く続いているお店だし、いつ行ってもすごい混んでいる。もちろん若い子も多いし。うわぁlotusって自分たちの存在意義をきちっと把握してるなぁと思ったところで、「あ、自分もlotusが感じて欲しいようにlotusを感じてるなぁ」と気づいてちょっと悔しいゆうきさんであった


それでは〜〜!

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山路 裕希(YUKI YAMAJI)
お店にも来てくださいね〜〜!!